神奈川県内の、とある里山環境。 そこにはオオタカが棲み、炭焼き窯やどんど焼きなどの、昔ながらの伝統・風習が残る懐かしい情景が広がっていた。
都会の喧騒やあわただしさを離れ、この地を訪れると、学校帰りの寄り道や遊びなど、かつてのノスタルジックな光景を思い出しホッとするのだった。
こんな場所が好きで足しげく通った。 Ⅿ.tanaka氏やK.watanabe氏を含めた仲間たちも同じようにこの場所が好きで通っていた。 私たちは野鳥カメラマンである。
だが、一般の野鳥カメラマンは、有名探鳥地を渡り歩き、珍しい鳥たちを追いかけているのに対し、私たちはその地域を愛し、その地で見られる自然や情景が好きで通っていた。
そこには鳥たちだけでなく、四季それぞれに咲く花や虫、夕立、雷、凍えるような寒さなど、色々な自然現象や生き物たちが見られた。 突然の出会いで驚いたり、喜んだり、いろいろな思い出があったのだった。
そんな環境も、時代の波に押され、木が切られ、崖が崩されて都市公園化していく中、寂しい思いをしてきたのだった。
そのような思いの中、私たちが見てきた光景や自然の生き物たちを写真に残し、伝えたいと思ったのである。 なので、これは図鑑や有名地の風景写真集ではなく、ある里山地域で私たちが長い年月を通し、宝物のように見てきた情景を集めた写真集なのである。
自分以外の方の写真を使って、編集等を行ったことがないので、制作当初はうまく出来るか心配だったが、3人の自然への思いの方向性が同じだったので、統一性がとれた良い写真集ができたと思っている。
私たちの、自然への思いが届けばうれしいと思う・・・・。
Ⅿ.tanaka氏撮影。