Field・Finder -野鳥写真へのいざない-

主に各地の里山環境にて撮影した野鳥写真です。
オオタカ生態写真の完全保存版 『里山オオタカ物語』 のデータを販売中!。

2つの森 (1)

2019-06-28 10:11:30 | 写真

今シーズン、どうしても繁殖成功してほしいオオタカの森が2つあった。 一つは台風の被害が大きかった森。 もう一つは、オオタカの生態観察と撮影のため、かつて約1,000 回通った森である。

一つ目は、昨年の台風で大木が倒れ、惨憺たる状態、巣も落ちた。 どうしてもオオタカに戻って来て欲しくて、10月下旬から観察を始めた。 ほどなく♀は戻ってきたが、♂は現れなかった。 だが不思議なもので、年内には新たな♂が現れ、ペアを形成した。

だが、新たなペア、新たな巣での繁殖は苦労が予想された。 ♂はテリトリーを把握するまでに2~3年かかる。 餌捕りは簡単ではないはずである。 でも、もし成功すれば、成功体験が来年以降に大きく生きてくると思われる。 極力ストレスをかけないよう見守った。

そうして、例年より2~3週間遅れで繁殖活動に入り、抱卵まで進んだ。 やがて孵化したが、♂の餌運びが鈍い。 予想はしていたが、大分心配した。 だがここの♀は辛抱強く、しっかり者なので大丈夫、と思い続けた。 そして森を覗くたび、♀が枝に出てきてくれたのだった。

雛の成長が非常に遅く心配していたが、ようやく幼鳥の鳴声を聴くことが出来、安堵感が広がったのであった。 約8ヵ月間、長い長い日々であった・・・・。 

見守り続ける♀。

久しぶりに森の上空を飛ぶ♂。

池のカイツブリ。

アオゲラ。幼鳥のようだ。

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オオタカの危うさ

2019-06-22 08:02:37 | 写真

ある場所に巣が見えやすく、容易に写真が撮れるオオタカ営巣地があると、カメラマンが大勢集まってくる。 どんどん増えていくと、レベルの低い素人カメラマンも大勢集まり、その場所は荒廃しやがて消滅していく。

里山環境で生まれ育ったオオタカは、都市公園とは違い、巣や自分に長時間レンズを向けられるのを嫌がる。 顔つき、行動を見ていれば良く分かる。 やがて餌運びをしなくなり、雛を放置して居なくなる。 これまでいくつかの事例を観て来た。 カメラマンに注意もしてきた。

だが素人カメラマンたちは、自分たちのせいで居なくなった事すら気付かない。 だから何度も同じことが繰り返されるのである。 こんな無神経な人達に命の写真が撮れるのか?いつも疑問に思うのであった。 

地域差、個体差が大きく、たかが5年や10年で、オオタカが分かるはずがない。 私自身いつもそう感じているのだ。 オオタカは危ういバランスの上で生きているのだ。

巣の写真をブログ等に載せないほうが良い、と書いてきた。 お金になるものは、畑の農作物でさえ盗まれる世の中だ。 巣立前、茶色の羽がそろった頃の雛は危ない。 盗まれないとも限らない。 場所が分かる写真は気をつけた方が良いと思う。 営巣木を切り倒されて盗まれた、という話まで聞いたことがある。

細心の注意と命への感性が無ければ、自然や野生は残って行かないと思う・・・・。

*もし密猟等を見かけたら、「密猟110番」と言うサイトに連絡するとよい。

涼しい木陰で、ひたすら♂の帰りを待つ♀。

ツバメにもビングされるツミ。

トビとカラスが空で争う。

メジロ。

シジュウカラ。

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今期の様子

2019-06-15 10:24:42 | 写真

今シーズンのオオタカの森、少しおかしいと感じている。 ♂の餌運びのインターバルが長く、雛の成長が遅いと感じる。 十数年間観察した中で、一番巣立が早かったのは6月3日、一番遅かったのは6月22日である。 今の状態からすると、今期は6月中には巣立できないような状態に感じる。

特定の森だけではなく、他の森も含め全体的に同じ様な状況なのである。 と言うことは、特定の地域だけではなく、全体に及ぶ原因が何かあるのかもしれない。

原因として考えられるのは、気候(気温、雨、陽射し)である。 5月中旬に急に気温が高くなり、真夏の様な日が続いたかと思うと、ここの所春先の様な気温の低い日が続いている。 このようなことが影響しているのだろうか。 または、PM2.5の様な大気の汚染なのか?

または、営巣地近くの鳥相や餌となる鳥の個体数などに、何か変化があったのだろうか。 いずれにしても、観察・調査を続け、基本的なデータとオオタカの様子を、記録し続けなくてはならないようである。 地道な努力が必要なのである。

今シーズン、最後までちゃんと親が雛を育て上げるのか、何となく不安があるので、見届けなくてはならないと思っている。 自然はいつまでも同じように続く。と、思ってはいけないのかもしれない・・・・。

コシアキトンボ。

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状況の変化

2019-06-08 11:30:42 | 写真

オオタカの森、ここ2~3年、♂が餌を運ぶインターバルが長いと感じる。 これまでは5月下旬頃からは、2時間おきぐらいに餌を運んで来て、雛はものすごい勢いで成長し、6月10日前後に巣立つのが普通であった。

だが最近は暑いせいか、日昼はほとんど餌を運んでこないように思える。 雛の成長速度は餌の量に比例するので、成長が遅いと感じる。

餌の量が少ないと、弱い雛から死んでいき、他の雛への餌となる。 以前、カメラマンに巣を囲まれ、餌を運ばなくなった場所では、よく見られた。 4羽居た雛が3羽になり2羽になりと減っていく。 

♂はカメラマンに巣を囲まれるのを嫌がる傾向にある。 若い個体や年をとった個体はそれが顕著で、餌運びをしなくなると感じていた。 だが趣味や遊びのカメラマンたちは、1羽でも巣立つと繁殖が成功したと喜び、翌年も同じことをするのであった。 

昔は注意していたが、最近は無駄なので止めた。 野鳥写真は鳥の命にかかわる行為である。 その認識と責任を自覚しなくてはいけないと思っている・・・・。

 

巣の近くで見張る♀。

餌捕りに飛んでいく♂。

涼しい日陰で♂を待つ♀。

アジサイが咲く。

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雛を狙う者

2019-06-02 09:52:50 | 写真

オオタカの森、3ヵ所目も孵化した様だ。 この森、ここの所原因不明の失敗が続いている。 不思議だ。 今シーズンは成功してほしいと思う。

雛が小さいうちは、これを狙う者たちが居る。 一番はオオタカ、他のテリトリーの♂だ。 雛を狙いに巣に来たのを2回見た。 1ヶ所目は♀がすぐ追い払ったが、2ヶ所目はかなりしつこかった。 傍で守る♀を威嚇し追い払おうとしたが、♀が逆に睨み返し守った。

次はフクロウ。 かなりの強敵だ。 巣に近づきミャーミャーと猫のように鳴いた。 ♀とのバトルは壮絶だった。 巣に居た♀が追い払おうとしたがなかなか離れない。 執拗に狙う事約15分、ようやく♀に追い回され逃げて行った。

その他カラス、これは卑怯者、大勢で襲いに来る。 そして人間、雛を人質にして大勢で撮影する。 オオタカも大変、気が抜けない。 せめて人間は邪魔しないようにしたい・・・・。

巣の近くで見張る♀。(濡れた羽を乾かす)

カラスを追い払う♂。

テリトリーの♂が飛ぶ。

違う♂が飛ぶ。

水面を飛ぶカワセミ。

ガビチヨウだけはいつも元気。困ったもんだ。

二ホンカワトンボ。

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