Field・Finder -野鳥写真へのいざない-

主に各地の里山環境にて撮影した野鳥写真です。
オオタカ生態写真の完全保存版 『里山オオタカ物語』 のデータを販売中!。

撮影圧について

2016-02-28 12:29:32 | 写真

新たなオオタカの森へ行った。 鉄塔に縞の濃い若い♂がとまっていた。 その後、林縁での巣材集めや、交尾不成立後、杉の枝に並んでとまるペアを観察した。 活動は始まったばかりのようだ。

野生生物に係る時、調査圧、撮影圧などを考える必要がある。 調査圧とは、野生生物の生息地に入り色々調査する場合、調査行為自体が対象とする生物へストレスなどをかけてしまい、本来の行動・生態を損ねてしまうと言うような事である。 撮影でも同様なことが起こると考えられる。

サラリーマンだって上司に四六時中監視されていたら、ストレスで本来の能力が出せないであろう。 これが毎日続くと、小さなダメージがだんだん溜まっていき、やがて病んでしまう。 

このような圧力によるダメージを回復させ元に戻すには、圧力から解放された一定の時間が必要なのである。

撮影圧を避けるため、同一場所では2~3日空けながら撮影を行っている。 連日撮影を行っていると、やがて大きなダメージを与え、生息場所を放棄したり、移動したりして、最終的には居なくなってしまうのである・・・・。

青空を飛ぶ。

杉の枝に並んでとまる♂♀。

枝の♀。(バックが非常に明るく森の中は暗いので、撮影が難しかった。)

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個体差

2016-02-21 10:04:49 | 写真

先週は、あるオオタカの森で交尾の声を確認し、また新たな森でペアを発見した。 だんだん忙しくなってきた。

それにしてもオオタカは、身体的、行動、習性等で、かなり個体差の激しい鳥である。 「オオタカは一般的に、こう言う鳥だ」などと語ることができない程だ。 もし語ったとしても、必ず例外が存在する。

例えば目(虹彩)の色、♂はオレンジ色、♀は淡黄色などと言われているが、♂でも黄色~淡黄色の者もいるし、♀でもオレンジ色、濃黄色の者もいる。(目の色と年齢は無関係) 交尾を観察しないと、外見からは♂♀の判別がつかない時もある。

また、警戒心が強いと言われているが、200m位離れていても逃げる者もいれば、5m位まで近寄っても逃げない者もいる。
ほとんどの♂は、♀の様にキョッ、キョッ、キョッ、キョッ・・・と甲高く鳴かないが、稀に甲高く鳴き騒ぐ者もいる。
人工物や騒音が気にならない者もいれば、嫌いな者もいる。

などなど、あげれば切りがない。なので、オオタカに接する場合、一般的な対応の仕方など無く、ほんと個別に対応するしかないのである。

観れば観るほど、知れば知るほど、頭が混乱し分からなくなる不思議な鳥である・・・・。

新たな森の♀。

人工物で交尾するペアもいる。

森のカワセミ。

林のシメ。

枝のジョウビタキ。

草むらのトラツグミ。

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不安定な森

2016-02-14 13:23:21 | 写真

先週は複数のオオタカ営巣地で観察を行った。 交尾の声を確認し、♂の波状ディスプレイ等を観察して、季節は少しずつ進んでいるように感じた。 しかしながら、10年位前と比べると、人の目を意識してか、明らかにオオタカの行動が目立たなくなってきている。 まるで忍者のようだ。

また、営巣状況も不安定になり、ペアが代わるケースが多い様な気がする。 ここ数年の観察で、繁殖初期から抱卵までの繁殖途中に、ペアの相手が代わった件数は、
●成鳥♀ → 幼鳥♀に代わったケース:2件
●成鳥♀ → 若い成鳥♀に代わったケース:1件
●成鳥♂ → 若い成鳥♂に代わったケース:3~4件
である。
例の森も昨年の行動と全く違う。♀が同じなので1月に居た♂から、別の♂に代わったようである。

このように、安定した営巣地がだんだん少なくなっている事、そして隠密行動化が進んでいる事が、少し気になっているところである・・・・。

見張りの枝から飛び去る♂。新しい♂に替わったようだ。

営巣林を飛ぶ♂。

林にとまるハイタカ。

金柑?をくわえて飛ぶオナガ。

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争い

2016-02-07 16:15:45 | 写真

ある森、朝着くとオオタカの鳴き声が聞こえた。 しばらくすると、今まで見たことのない♂が電柱にとまっていた。 どうやら侵入♂のようである。 この時期になると、毎年♂同士で争う姿を見かける。

侵入♂が入ると、繁殖行動が安定しなくなる。 すぐに決着がつけばよいが、力が拮抗し長引くと、そのシーズンの繁殖にも影響が出てくる。 ある場所で、4月ごろまで決着がつかず、繁殖失敗に終わったシーズンもあった。

オオタカはテリトリーを奪ったとしても、地形や餌場、水場、安全な場所など、全体の状況を把握するまで、2~3年かかるらしい。 全体を把握して、ようやく安定した繁殖が出来るようになれるようだ。

かつて通った森の主は、7シーズン連続で繁殖に成功した。 かなり強い♂だったようである・・・・。

見たことのない♂。(電柱を画像処理した。)

争う♂同士。(本日の森にて)

弱い方が追い出された。(本日の森にて)

松にカワラヒワ。

林のアオゲラ。

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