海杉ブログ 木材を中心に書き残したいことを投稿します

日々、気づいた事、エクステリアウッドのテクニックを書き綴ります。やりたい時、書きたい時だけ、疲れるので笑笑

民間の力 ―高千穂通り T-テラス プロジェクト―

2007年10月19日 19時10分57秒 | なんでも
T-テラスは、杉とヒノキで出来ています。

ステージやカフェテラスが出来るようになっていますが、通常は日本の公共空間では、難しいとされていました。

規制緩和をするのではなく、「社会実験」をしているのです。法律上の問題や行政の考え方、商業者の思惑などさまざまな要因が、問題を難しくしていました。

宮崎で一番のメインストリートなのですが、それ以上に問題を抱えた道路ではあります。

ムクドリの問題が大きな悩みの種でした。壊れた噴水の問題、空きテナントの多いビル、空洞化する中心市街地など危機的状況から「社会実験」にかける思いは、くもの糸を手繰るような作業だったと思います。

海杉もホンの少し、お手伝いをさせてもらいましたが、「杉」を使おうと言っていただいた時は、本当に嬉しい思いでした。そして、「杉」でテラスが出来たのです。

民間の力は、たいしたものです。町が変わるにはこのくらいのパワーが無いとまちは生まれ変わることは無いように思います。行政の人も反対するのではなく、どうすれば、このテラスが出来るか真剣に悩んで出したギリギリの答えだと思います。道路管理者として問われる責任は、かなりのプレッシャーだとは思いますが、「社会実験」で得られるキャリアは、全国でもトップクラスの情報になるはずです。

商業者は、どこの町でもこのようなカフェテラスがほしいと考えるはずです。おしゃれなヨーロッパ風のお店は、どこでも流行ですから。
ただ、施設の管理を担わなければなりませんし、さまざまな問題にこれから当たらなければならない覚悟が必要です。このキャリアは、商業者が行政と分かち合うだけの価値があると思います。

木材が、まちの溶け込むそんな演出が出来れば、良いなあと考えました。どうしてもまちは、無機質なもので覆われています。有機的なものが人々の心にどれだけ安らぎを与えるか実践の場で試していただければと思います。

公共施設は、誰のものか!!

2007年10月19日 08時17分15秒 | まちづくり・ボランティア
写真の工事は、宮崎市のメインストリート「高千穂通り」

この通りは、頭の痛い問題をたくさん抱えていた。

その解決の糸口がこの「T-テラス」だ。

今まで誰も解決できなかった問題をこのプロジェクトは取り組んでいる。

問題はたくさんある。でも一番の問題は、公共施設が誰のものであるかと言う論点が、今まで曖昧になっていると言うことだった。

最近の行政は、財政難を理由にさまざまなサービスを打ち切る方向にある。それに伴って、公民協働、市民参画が盛んに謳われてきている。どうも、行政側からの声の方が強いみたいだ。海杉は、考えるが、どうだろうか?

海杉の勝手な解釈をすると行政は、お金のあるときは、全て行政がしますので市民の方は、何もしないで結構ですよ。ゴミも道路も橋も学校も福祉も病院も「あっ」それも行政でやります。
とにかく、行政の仕事を見つけて、作って行政がはじめた。「何でもやる課」などという馬鹿げた課が全国に出来たこともあった。

人口が減り、税収が落ち込むと財源がなくなる。景気が落ち込むと税収が減り、財源がなくなる。巨大な施設を作ると維持するための財源を確保しなければならなくなり、切り易い財源を切り捨てて財源の確保をする。新しい財源を見つけようと必至に知恵をまわすが、アイデアは浮かばない。

行政の悪口を書いているが、それを放置した市民の責任の方が重い。

日本は、もっと「日本らしい社会システム」を構築しなければならない。欧米のやり方だけでなく、日本独自の手法があるはずだ。いや、あったはずだ。

T-テラスは、高千穂通りにちなんで、天照のテラスの意味も含んでいる。天岩戸に逃げ込んだ天照は、ちょうど、八方塞の高千穂通りの問題のような気がする。お先真っ暗で、どうしようもないこの通りを「楽しくすれば」と言う発想で取り組んだメンバーに敬意を表したい。

海杉の考える、日本の独自の社会システムは、「他人を楽しませるには、自分たちも楽しまなければできない」という理念だ。

さあ!!ここで楽しく騒いで天照に覗きに来て貰おう。