

鼓「・・・アンタなんかに、俺達のことは
わからないよ

さっきまで黙り込んでいた鼓くんが口を開く

透明「それでも、力にはなれると想うよ

鼓「そんな偽善信用できるか

みんなそうだ

いざ、自分に火の粉がかかってくれば
手のひらを返したように離れていく

アンタは、所詮仕事でやってるから
そんなモンだろうけど

いかなくちゃいけないんだ

簡単に力になるなんて言うな

透明「まあ、確かに仕事としてやってるけど、
もし、仕事じゃなく人としてなら
話してくれるのかな

それなら、鑑定料もいらないし、
こちらも仕事としてじゃなく向き合うよ

鼓「


透明「確かに偽善だよ

偽善も続けてれば善意になる

ただ単に、興味じゃなく
実際に私にマイナスなことが起こっても
必ず力になるから、少しだけ向き合って
くれないかな

鼓「・・・・・・。」
透明「・・・・・・。」
鼓「・・・わかった

必ず力になると誓え

透明「うん


鼓「

透明「え~っ




鼓「う、うるさい



透明「少しだけ、質問させてくれないかな


鼓「・・・・・・ああ

透明「楓さんと鼓くんが一人の身体にいることって
楓さんは知ってるの

鼓「楓は・・・知らない・・・。」
透明「鼓くんだけ知ってるんだ

鼓くんは、どうしてそれを

鼓「そりゃ~わかるだろ

鏡みたら女の身体なんだぞ


透明「そ、そりゃ~そうだ

それで、気づいたの

鼓「最初は、かなり動揺したけど・・・。
仕方ないから、色々調べてみて、
どう考えても多重人格の線が
一番濃厚になっただけだよ

透明「なるほど~

鼓「楓だと思う・・・。」
透明「う~ん・・・・。」
主体人格は知らなくて、副人格が知っているなんて
珍しいケースだな~

鼓「なあ、先生


本当に、楓の弟なのか


自分の存在ってなんなんだ


透明「・・・鼓くん・・・。」
彼がはじめて幼く見える・・・。
彼の気持ちが重くのしかかる、
実際に彼は自分の存在を認識した上で、
自分自身と向き合っている

私は、本当のことを言うことが、
彼を傷つけてしまうのではないのか

彼自身の人格にヒビを入れてしまうのではないのか

少し恐くなった・・・。
透明「・・・鼓くん

鼓「な、なんだよ

透明「鼓くんは、ちゃんと存在している人間だよ

その事をちゃんと心に置いて、これから言う
真実を受け止められる

鼓「・・・・・・・わかった・・・。」
私は彼に真実を話し出す・・・。
続く・・・。
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