

私は、金子くんへの心のケアを終え
金子くんの耳が徐々に戻ってきている
ことを確認し、安心していた

透明「さてと

そろそろ良いかな

私は、徐に部屋の扉を開ける

佐々木「うわっ


丸山「


金子「


透明「もう、中に入っていいよ


丸山くんと佐々木くんは、バツが悪そうに
部屋の中へ

透明「ここの壁、結構薄いから
聞こえてたでしょ

丸山「う、うん・・・

佐々木「あははっ



金子「・・・丸さん、佐々木さん

すみませんでした

俺・・・・・。」
佐々木「あ~っ


俺たちも、お前の状態なんて
気づかなかったし、ちょっと
言い過ぎたから・・・

丸山「ごめんな、金子

全然、気づいてやれなくて・・・。
でもな

そういうことは、ちゃんと
メンバーに話してくれよ

俺たちだって、金子と一緒にライブ
やりたくてセッティングしてるんだから、
お前ができない状態なら、別の日に
したって良かったんだよ

金子「は、はい


透明「まあ、まあ

出来そうだし、よかったじゃないの

金子「あっ


丸山「大丈夫だよ、金子

ライブは潰されたりしないから


丸さんは、私の方を見てニヤリと笑う

透明「まあ、確実に大丈夫だと思うよ

金子「


そんなこんなで、いよいよライブがスタート

タイバンは、4つ

私たちの出番は最後らしい・・・。
ライブが始まって、2つ目のバンドが演奏を終える

その時・・・。
石田「おい



金子「い、石田

透明「・・・・・。」
彼が、ライブを潰すって言ってた子か~

さて、ちょっと腹を探ってみましょうか・・・。
私は、石田という子の腹積もりを探る

透明「なるほどね・・・。」
彼は、ライブの途中にステージをジャックして
自分たちがライブを乗っ取るつもりらしい

ということは、他のメンバーはすでに待機
してるってことか・・・・。
しかし・・・考えることがヤンチャだね~


私は、少しほくそ笑みながらその場を後にし
本番に備えた・・・。
いよいよ本番

一応、入れ替え制のライブハウスでは
一旦お客さんが外へでて、時間になったら
また入る仕組みになっている

さて、始めようか

久しぶりのステージは、私の心を高揚させ
熱いくらいのピンスポと独特の空気が
昔の私に立ちかえらせてくれる

透明「丸さん


丸山「OK


丸さんの前奏が突然始まる

ライブハウスのスタッフが慌てて客入れを
し始めた

石田「うおお~~~~っ


何だか一人、張り切って入ってきた
ヤツがいるけど・・・


少しの間、丸さんの前奏は続く・・・。
圧倒的なテク



皆が魅了されてゆく・・・。
徐々に、お客さんが入りだし
ライブハウスは一杯に埋まる・・・。
「ドンッ


石田「いて~な~っ


??「ギロッ

石田「あっ



おお~


??「おお~~~~っ


透明「荒木


荒木「おお


ちょ~~~燃えるじゃね~か~

この、荒木くん

私が丸さんとバンドを組んでいた時からの
コアなファン

見た目は、デカく、スキンヘッド

コワモテで、どこから見ても道を開けたくなる
逸材だ

透明「さ~て


「わぁああああああああっ


「うおうおうおうおうお~~~~~っ


あははっ



私たちのジャンルは、ロックンロールを少し
ハードにしたもの

基本的には、オリジナルとコピーの半々で
構成されている

今回は、私が代役のため、丸さんの意向で
昔、組んでいた時の曲を中心に構成して
くれていたので、すんなり入ることができた

ライブも後半に入り・・・

透明「ヘイ


荒木「イヤ~~~~~~~~ッ

「うおおおおおっ


石田「・・・・・・・・・


あれあれっ


入ってくるんじゃなかったの


私は、金子くんに目配せをし、彼に合図を送る

金子くんは、石田くんを見て、自信満々に演奏する

石田くんも、この荒くれ者の中では可愛いものだった

ボルテージは最高潮

メンバーのテンションも上がりまくり

激しいライブは夜を切り裂き

沢山の夢を乗せて響き渡っていた


完
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