Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

相席で…(ウミシダヤドリエビ)

2017-03-03 19:48:53 | エビ・カニ類

数字的には平年を下回る寒さだった本日のやんばるです。

でも北寄りの風は弱まり、後半は日差しもタップリ。

体感的には心地よい一日でした。

風は北東。曇のち晴れ。

■■

片利共生という言葉をご存じでしょうか。

片利共生とは共生の一形態で、一方が共生によって利益を得るけれど、もう一方にはその共生によって利害が生じないこと。

因みに共生とは、複数種の生物が相互関係を持ちながら同所的に生活する現象のこと。

つまり異種の生物が一緒に暮らしているときに、片方は得をして、もう片方は損も得もしていないように見える関係。

■■

この子たちの関係もそのようです。

〈テナガエビ科カクレエビ亜科ホンカクレエビ属ウミシダヤドリエビ Periclimenes commensalis 17年1月30日 沖縄島安和〉

片利共生は、英語で〈commensalism〉

これは〈commensal〉という単語に由来する言葉なのだとか。

〈commensal〉は『食事仲間・食物の共有』という意。

そしてその〈commensal〉は、ラテン語の〈commensa〉に由来するのだそう。

これは、『テーブルを共有するもの』の意。

というわけで、学名種小名もこの辺りの意味になるのでしょう。

つまり、「相席お願いします」ってことですか。

■■

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

ウミシダは、羽根で採取したプランクトンを腕や羽根の中心にある食溝を通して口盤に運ぶ食餌方法なのだそう。

本種はその途中でプランクトンを横取りして食べてしまうのだとか。

相席の上につまみ食いまで…という感じですか。

片利共生には3種類あるそうで、本種は着生型片利共生。

すなわち、別の生物を住処として生活するタイプの片利共生。

本種も宿主と同じような色彩を纏い、隠れ場所としての利益も得ているわけです。

居候して、勝手に食卓に着き、つまみ食いまでしてしまう……

そう考えると、とても大胆なヤツですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする