Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

老女あるいは神の化身(タスジウミシダウバウオ)

2018-08-10 19:21:04 | ウバウオ科

台風14号が接近中のやんばるです。

といっても今日のところは普通に気持ちのいい青空で、海も普通に凪いでました。

明日の夕方から夜に沖縄島をかすめて大陸方向へ進んで行くみたいです。

まあ、暴風域を伴わないみたいなので、近づいても台風感は薄いかも…とか思っていたりします。

風は北~北東。晴れ。

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『姥(うば)』とは、年をとった女性、老女のこと。

または能面の一つで、老女の顔を表したもの。

有名なところでは、『卒塔婆小町』のシテ、あるいは『高砂』のツレに用いられます。

因みに『シテ』は主人公のこと、『ツレ』はそのシテに連れられて登場する人物のこと。

例えば『卒塔婆小町』ならシテは小野小町になるわけですが、『姥』の面を用いるくらいですから、このときの小野小町は絶世の美女ではなく、すっかり年老いて乞食になっていたりします。

この演目、僕は好きなんですよね。といってもちゃんと観たことのある能の演目は、これだけなのですけど。

一方『高砂』の方は老夫婦が登場する演目で、お爺さんの方がシテで、お婆さんはツレ。

でも実はこの老夫婦は神の化身だったりします。

こちらもなかなかに面白そうで、機会があったら観てみたいと思ってたりします。

そうそう、能とは関係ないですけど『高砂』という言葉、フエダイ科の海水魚の漢字表記でもあります。

当地では『グルクン』と呼ばれる魚の一つです。

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さて…

〈ウバウオ科ウミシダウバウオ属タスジウミシダウバウオ Discotrema lineatum 18年6月26日 沖縄島安和〉

学名種小名は『線のある』の意。

淡黄色の縦線を背中線上1本、体側に2本、腹側に2本纏っています。

ウバウオは漢字で姥魚。

魚類学者で、近代魚類分類学の父として知られる田中茂穂博士が創作した和名なのだそうです。

 

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