Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

古代劇の仮面(ムナテンベラダマシ)

2019-11-26 19:57:33 | ベラ科

気温の上下動がやや激しいこの頃のやんばるです。

10月並みの気温だったり、12月並みの気温になったり、はたまた平年並みだったり…。

これが日ごとに変化したりするから、寒さ暖かさを強く感じたり。まあ、暖かいほうはいいんですけど。

南の海上に目を向けると台風28号が。これで11月の発生数が、歴代最多タイ記録になったのだとか。

南の方の海水温はまだ十分に高いのでしょうね。

今週は週末にかけて暖かくなりそうで、日曜日には夏日になるかも…なんて予報になってます。

風は北東。曇一時雨、のち晴れ間も。

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『ペルソナ・ノン・グラータ』

これは外交用語。外交使節を交換している国家間で、接受国が派遣国に対して外交使節団の構成員(大使や領事や職員)である特定の者の受け入れ、滞在を拒否する通告のこと。

接受国はいつでも、理由を示す必要もなく通告することができ、通告を受けた派遣国はその者を召喚するか、任務を終了させなければならないのだとか。

僕はこの言葉をミステリーのタイトルとして知りました。不思議な響きが強く印象に残って、そのミステリーを読んでいないのに、この言葉が記憶に残ることになりました。

『日本のシンドラー』と呼ばれる杉原千畝もモスクワ大使館に赴任しようとしたとき、ソ連側がペルソナ・ノン・グラータを発動して赴任を拒絶しました。

そのため杉原千畝は行先を近隣のヘルシンキへと変更されました。そしてその後リトアニアに着任し、そこで6000人のユダヤ人を救うことになりました。

杉原千畝は何年か前に映画化されましたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。邦題は『杉原千畝 スギハラチウネ』でしたが、英題は『Persona Non Grata (ペルソナ・ノン・グラータ)』でした。

ペルソナ・ノン・グラータは『好ましからざる人物』という意味で、この場合のペルソナは人物を指す言葉になります。

ペルソナといえばゲームやアニメでも聞きなれた言葉ですね。シリーズ化されて長く続いてたりしていますから。あるいはマーケティング用語にもあって、『商品開発の際に設定する架空のお客様』のことなのだとか。さらには心理学用語にもあり、『人間の外的側面』、つまりは『周囲に適応するあまりに被ってしまう仮面』のことなのだそう。

ペルソナという言葉は、意外とあちらこちらで使われているようですね。

ペルソナはラテン語ですが、その語源はギリシャ語の prosopon で『顔やものの前面、仮面』の意。これがラテン語になって『演劇や実社会における役割』、『(法的主体または対象としての)人』の意味が加わったようです。

古代ギリシャの劇では、顔全体と頭を覆うヘルメット状の仮面が使われていたのだそうで、それが古代ギリシャ劇の特徴の一つなのだそうです。

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さて…

〈ベラ科カンムリベラ亜科ホンベラ属ムナテンベラダマシ Halichoeres prosopeion 19年10月4日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『仮面』の意。

前述したギリシャ語の仮面ですね。接尾辞は変化してますけど。

和名と絡まって、ムナテンベラの仮面をかぶっているのか…とか思えたり。

 

コメント
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