今月からしばらく月イチのまったりペースの観劇です……多分
5月はルドルフ
演目内容的にもキャスト的にも注目~~行かないわけはない
ま、その分ツッコミどころも満載
なのですが。。。そこは追々と
ではでは早速行きまっす
で、いつもの如く……激しくネタバレあり~~独断と偏見の言いたい放題あり~~なので、くれぐれもお覚悟を
今日は2列目センター
よく考えてみたら、、、こんなに間近で井上クンを観るのは初めて
じいの浮気相手
素敵だわ~~無条件に癒されます。でも誤解なきよう
一時的なもの・・・これまた“うたかたの恋”か
しかも、、、舞台上はもちろん、舞台下
にもお楽しみあり
指揮=塩ちゃんだったので(笑) 相変わらずのノリノリ~~カテコの時はジャンプしまくってました
いいんですよ……いいんですけど……じいも音楽畑を歩いてたので気になるんですよ。ブレスするタイミングも自分のタイミングと一緒だから~~~~気にせずにはいられません
内容はいわずと知れた
19世紀オーストリアのルドルフ皇太子
マリー・ヴェッツェラ嬢の心中事件@マイヤーリンク
でもね~~正直、ストーリーはあるような、ないような
いちおう
2人の恋愛を軸に帝国主義崩壊だのハンガリー独立だの、混沌とした時代の群集劇?理想に燃える若者の希望と挫折??を絡ませて舞台は展開していくんですが……ハッキリ言って激しく不親切な舞台です
時代背景、登場人物の設定等々、それなりに予備知識がないとツライです
ハプスブルク家の内情の説明的なシーンはほとんどないし(シシィ登場も一瞬ながらあるけど知識がなかったら意味がわかんないと思う…)、ヴィルヘルム2世やエドワード7世、フェルディナント大公等々激動の歴史の中でそれなりに重要な地位を占めてる人が出てきてるのにさらり~と流してるし、、、え、大丈夫
って逆に心配しちゃいましたよ~~ま、じいを含めてアノ作品を観倒してる人ばっかりだと思うから大丈夫と言えばそうなんですが……ただミュージカルを観に来た~
だけだとチンプンカンプン
でも仕方ないと思いますわ。実際、終演後に後ろを歩いてた女性2人連れが「ストーリーって結局??特にない……よ…ねぇ」って言ってたし。
舞台は平面的な造りだったような
で、よく言えば前衛的
悪く言えば安っぽい
マリーやラリッシュの部屋でいきなり女性のアップ顔のモノクロ写真が壁紙に~~~宮廷内の装飾や背景も「これは壁です」みたいな二面的な感じだったので、奥行きというか、荘厳さというか、そういうのが物足りなかったんですよね~~何も必要以上に絢爛豪華
なヅカや退廃的なエリザと同じようにしてほしいわけではないけれど……仮にも伝統的なヨーロッパが舞台なんだから、そういう「重み」みたいな雰囲気は感じさせてほしかったな~~別にブロードウェイ作品が悪いと言うわけじゃないんだけど、そこに通じるような
明るい
方の華やかさを感じました。な~~んか、それは違うんじゃないのか、と。。。そうそう、それをふと思ったのが第1幕の洋服屋さん?のシーン。マリーとラリッシュが恋愛について話すところで女性のお喋り
が盛り上がってダンス&歌になるんですけど……いや、楽しかったし素敵だったんですよ~~でもさ、仮にも貴族でしょ
それがいきなり「いかにもミュージカルです
」みたいなダンスをするから、すっごく違和感も感じちゃって……もう少し上手く絡めて、融かしあった感じにできたらな~~と思いました。
音楽ですが……とにかく気になったのはワルツ。ウィンナーワルツのリズムじゃないのぉぉ~~あのくどいまでの不均等な3拍子が良い雰囲気を作ると思うんだけどな~~それに、あの「ワルツ」こそこの時代のキーになると思うんですよ。何せ、ウィーン会議=会議は踊る、されど進まず ですから。他の楽曲は、半音&不協和音だらけで聞くからに難曲
ってのが多かったです
それを見事に歌いこなしてた出演者の皆さんには敬服~~
でございますぅ~~諸所に同じワイルドホーン作品のネバセイを思い出すような音の持っていき方や歌の雰囲気があったんですけど、何げに歌ってみたくなるような曲が多かったです。特に……っていうか、やっぱり
「愛してる、それだけ」かな~~
もちろん相手は……プリンスで
←完全に浮気です、、、スミマセン
ただね~~音楽的に一つ苦言を
翻訳、詰め込みすぎです。速いテンポの曲の上にあそこまで言葉を詰め込むと、歌詞が聞き取りにくくて……特にアンサンブルの曲は何を言ってるのかわからない
これ、歌い手の問題じゃないと思うんですよね~~改善の余地ありではないかと。。。
作品としては……悪くはないです。でも、う~~ん、もう少し深く掘り下げてほしいな~~と。。。何もかもが中途半端なんですわ。ルドルフとマリーの愛、ルドルフの苦悩、権力者側の黒さ、革命家たちの情熱、皇帝一家の建前と本音……もっともっと複雑で深いものがあると思うんですよね~~ま、じいの勝手な「思い」も含んでるんですが。ルドルフとマリーの愛
唐突すぎて無理がある、説得力がないという意見もあるけど、じい的にはありかな~~ドラマチックなきっかけじゃなくて、煮え切らない気持ちを抱えて生きてきた者同士が理屈じゃなくて引かれあって依存しあって、ああいう結末に至ったというような……周りの腹黒くて現状維持を唱える奴らと違って純粋に愛を育んだ……というんじゃないと思います(ヅカの「うたかたの恋」だとこういう感じ
)ラストを観た時に「そうじゃないかな~」と勝手に確信したんですけど、マリーの強さがあったからルドルフは自分の道を決めることができた、マリーも愛する人に対してだからそういう生き方を選べた、愛情というよりは良くも悪くも依存し合う関係に至ったんじゃないかと
ターフェのどす黒さ、革命家の闘志、皇帝や大公妃の心の奥底部分は、もっとハッキリと表してほしかったですね~~わざとらしい、鼻につくような「いかにも」みたいなのは嫌ですが、メリハリを付ける意味で、正/陽/明
負/陰/暗をもう少しくっきり示してくれるといいかな~~と思いましたね~~
あ、でも~~ラスト、森の絵の前で踊った後に心中する二人、絵画の枠の中で締めるファイファー、ストーリーとは真逆!現実の冷たさを表すような場違いに明るいワルツの音楽♪は好きだな~~
まぁね~~じいも悪いんですよ。雑念がありすぎなんですよぉぉ~~
どうしても拭えないアノ作品の面影やイメージ。冒頭、舞踏会のシーンで双頭の鷲の紋章がドド~ンと出てきた時は意味不明にドキドキしちゃったし、後々の自殺を思わせるような青白くて薄暗い照明の舞台を見ると……絶対に出てくるはずのない黄泉の国のあの方を探してしまうヘタレな自分
でもでも
観る側に多かれ少なかれそういう「前提」があるというのは、最初から分かっていること。そういうものを凌駕するだけのインパクトあるものにしてくれたら嬉しいな~~もうひと踏ん張りしてほしい作品でした。1ヶ月公演ですからね~~ロングランにすれば(絶対に無理ですよね~
)進化も期待できるのかも
で、キャスト感想……の前に一休み
じい的ツッコミを。第1幕、劇場オープニングパーティーの時に、劇場前で馬車に飛び込もうとした女性にルドルフが駆け寄って「どうしてこんな目に?…(中略)…病院へ」って言ってましたが、、、バルジャン登場か
不倫だの玉の輿を狙った行動だの、そういうのは「よくあることよ」と貴族たちが噂し合うところで「よくあることだ」という歌詞&セリフた続出。思わず探したファントムとシャンデリア
あと、2幕冒頭のターフェのソロ。首吊り人形が出てきたんですけど……魂がロンドンに吹っ飛んだし
天井に星だらけの舞台でルドルフとマリーが歌うところは「私が踊る時」か、と妄想全開~~ラストの白衣装ツーショットも思い出したのは……ねぇ(笑)
失礼しました
以下はホントにホント、キャスト別感想でっす。
井上ルドルフ:
プリンス役、文句はございません
軍服や正装姿はアンカレを彷彿させるような感じだったんですけど、素敵だったから良いのです
マリーに指輪を渡すところ、胸ポケットから出すのに妙に時間がかかったような???あれは“いつも”なんでしょうか
でもね~~「死が分かつ時まで二人は離れることはない(でしたっけ?)」の文言、、、ベタなんだけど井上クン演じるプリンスになら……言われたい
←バカ
ま、「本気の恋」じゃないですね~~第2幕、正直ヘタレ皇太子
最悪なキャラになってるんですけど、、、胸キュンはしないのよね~~ダメダメになっても見捨てられないのはやっぱり。。。
若さ全開
でドッカ~~ンと全力で情熱を押してくるところは良かった
んですけど、ちょっとお腹いっぱいになったところも。「名もなき男」の苦悩シーン、「私という人間」のソロ……注目させてしまう雰囲気や役の気持ちの伝え方は凄いな~~と思ったんですけど、、、あくまで「及第点」程度。今一歩頑張って脱皮してもらえるといいかな~~
笹本マリー:
正真正銘
お上流の役は初めて
玲奈ちゃん自身「綺麗な格好をさせてもらって嬉しい」って言ってましたけど……ゴメンナサイ
どうしても町娘にしか見えなくて
歌は申し分ないし、井上クンや岡さんとのデュエットも成立してましたけど、強くて純粋で元気で若いお嬢さんだけど、やっぱり貴族の娘らしい雰囲気や喋り/歌い方をしてほしいな~~と。所々「玲奈ちゃん」が垣間見られたのが気になりました
(ま、地雷キャストみたく中の人のオーラ全開ではないので嫌ではないんですけど
)
知念ステファニー:
第1幕は「へぇ~~意外にも
結構イイ感じじゃん」と思ったんですよ
気位の高い女性が嵌まってて……でもね~~喋らせてはいけない
やっぱり中の人オーラがダダ漏れしてしまうのでゲンナリ
2幕もセリフや歌の瞬間瞬間は、その強い語気に紛らわされて地雷は感じないんですが、後に残るのはやっぱり「知念里奈が演じてるのよ」って印象。。。今回はじいが特に思い入れのある役ではなかったので堪忍袋ブチッ
まではいかなかったけど、それでもやっぱり……気位の高さの裏にある悲しさとかも感じさせてほしいんですよね~~(期待してないからいいけど~
)
浦井ファイファー:
成長しましたね~~浦井クン
狂言回しっぷり、まだまだ荒削りの原石な状態ですが、磨けば光る
どんどん進化できる可能性を感じました
手の動きや振付、同じような動きが続いたところはこれから工夫していってほしいところですが、舞台のあちこちを走り回って、時には不意打ち、あらゆる場所に登場~~思わずその方向に目を向かせる存在感、良かったですぅ~
三谷ブラット:
温かくて優しい空気を醸し出していらっしゃいました
ルドルフを心から思って見守っている姿、観ている方も温かい気持ちになりました……でもね~~結末を思うと、追い詰められていく二人を懸命に支える姿を見ていると、すっごく切なくて哀しかったです
岡ターフェ:
相変わらず派手な存在です
首相のコート、ラメラメで光ってたし
いや、いいんですよ~~岡さんだからこそ許される存在感ですから。でもね~~その必要以上に華やかさがあるせい
ターフェの黒さが足りないのぉぉ~~成り上がり者にも見えなくて育ちが良さそうだし
じい的感想としては岡ジャベに対する感想に似てる……かも
どうせならフランツ皇帝で観たかった気も
壌フランツ:
歌が微妙
気にしなければ問題ないんですけど、怒った時の歌のシーンで手が前に出てリズムを~~~
ふと思い出してしまったあの方の手
演技も悪くはなかったけど、印象が薄いんですよね~~井上クンとの言い争いもリタイヤして覇気のなくなったオヤジみたいな感じで負けてるような
もう少し皇帝らしい荘厳で強大な感じがあるといいかな~と思いました。でもね~~この役、じいの中で他のイメージが複数あるので、ついつい厳しい目でみてしまうんだわ