日常

近藤ようこ「五色の舟」

2015-09-27 23:54:40 | 
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<内容紹介 amazonより>
第18回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門大賞! 津原泰水の傑作幻想譚を、近藤ようこが鮮烈に漫画化!

先の見えない戦時にありながら、見世物小屋の一座として糊口をしのぐ、異形の者たちの
家族がいた。未来を言い当てるという怪物「くだん」を一座に加えようとする家族を待つ
運命とは――。第18回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門大賞を受賞! 津原泰水の傑作
幻想短編を、近藤ようこが奇跡の漫画化。2014年度、各マンガランキングでも高評価!
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鬼才、近藤ようこさんの「五色の舟」という漫画を読んだ。原作は津原泰水さん

先天的な奇形を持ち、見世物小屋にしか働き口がない人々が家族となり、その家族の、人生という旅の物語。
タブーに挑戦しながらも、そこにはたくまくしく生きる人間への深い愛情に溢れた、やさしい眼差しがある。

人間は誰もが比較することのできない絶対的な唯一無二の人生を生きると言う厳然たる事実。そして、あらゆる前提を、人は受け入れるしかない。そこからしか、人生は始まりすら、しない。

漫画は時に幻想的に生や死を行き来しながら展開される。
そして、村上春樹の1Q84のような、不思議な並行世界を描く。すごい作品だった。
日本の漫画はほんとうにすごい。西洋哲学の歴史を超えているとさえ思う。
人間の光と闇と尊厳さとをこういう角度から描けるのか、という驚きと共に、宿命というものに思いを馳せた。今日は満月。

2 コメント

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読んでみたくなりました。 (スイッチ)
2015-09-28 22:17:41
これは、読んでみなければ。
今日は、スーパームーンですって。

(^ ^)
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Unknown (いなば)
2015-10-07 23:56:53
スイッチさん、すんごくはまると思いますよ。いやほんとうに。

この漫画は衝撃的な作品ですが、自分は泣けて泣けてしょうがなかったです。。。
近藤よう子さんの漫画<小栗判官>も泣けた・・・・。
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