日常

映画『かみさまとのやくそく』

2014-03-25 20:34:17 | 芸術
映画『かみさまとのやくそく ~胎内記憶を語る子どもたち~』を渋谷のUpLINKで見てきた。
素晴らしい映画だった!!!
感動して大号泣・・・。
荻久保監督は歴史に残る素晴らしい映画を作られたものだ・・。

DVDが出たら、数枚は買って、気になる人に配りまわりたい。
自分の親にも見てもらいたいし、色んな世代の人にもみてほしい。
東京の人はまず渋谷のUpLinkへ見に行ってほしい!


どんな人でも、「赤ん坊」や「こども」を経て「おとな」になっている。
この映画の必ずどこかで心の琴線に触れるはず。

「こども」の頃の、偏見もなく自由で何も書かれていない画用紙の時代を思い出した。
色んな他者の思考や欲望が画用紙に書き込まれすぎて混乱してる人が多いけれど、元々僕らはもっと自由な状態で生まれてきたはずだ。「初心忘るべからず」ということはその事も言っていると思う(by.世阿弥)。




色んな場所で自主上映会しているようで、その動きも素晴らしい。
東京では渋谷UpLINK(ここはカフェも素敵!)で上映しているので、今は東京以外の場所だけしか上映会は開催できない様子。
東京で自主上映会をできるようになれば、自分もどこかで上映会したいなぁ。
医療関係者含め、にんげん、いのち、、、に関わっているすべての人に見てほしい。

ということで、最近は会う人会う人に伝道師のように(evangelist)、宣伝しまくっています。。。(^^;




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内容は、映画『かみさまとのやくそく ~胎内記憶を語る子どもたち~』のHPにある予告編の動画を見てもらえば説明不要かもしれません。

核になるのは「胎内記憶」というもの。
お母さんのお腹の中にいる赤ん坊が、その胎児の時の記憶を色々覚えているということ。
年をとるほど忘れて行く割合が多くなるみたい。情報過多な時代が後押ししているのかもしれない。

胎児の時も臍を介して?外の世界を見ていたり!(誰かが喧嘩していたとか・・覚えてる・・・)、自分の出産シーンを克明に覚えていたり!・・・。
そんなレベルではなくて、自分が精子や卵子だったときの記憶!受精時の記憶!自分の受精卵が分割されていくときの記憶!・・がある子もいるみたい。(これはあまり映画には出てなかったけど。)


あとは、この世に生まれてくる前の「中間生記憶」というものもある。
死んだあと、この世に生まれてくる間の記憶のこと。
そもそも、生まれ変わり(reincarnation)が前提になっているわけですが、大抵の日本人は受け入れやすいとは思います。

その「中間生記憶」によると、宇宙のようなところで天使やカミサマのような存在と雲のような場所にいる。そこからテレビのような画面で母親や父親の映像を見る。この親がいい!と選び、滑り台みたいな道を選択して、この世に生まれ落ちてくるらしい。

子供は親を選んで生まれてくる。


一番人気は優しいお母さん、次が可哀想なお母さん、次がキレイなお母さん、、、だったと思う。
<可哀想なお母さん>っていうのが面白い。子供としても頑張り甲斐(喜ばし甲斐)があるんでしょうね。難しければ難しい程、この世でのモチベーションが上がる?(たいていの人はこの世の現実に打ち負かされてるような・・・・・、理想と現実のギャップか?)

それぞれの子供は、何らかの理由で親を選んで生まれてくる。

基本的にはお母さんを喜ばせるため(お母さんの役に立つため)に生まれてくる、ということが多いみたい。
次はお父さん、次は祖父母。次は周囲の人・・・という感じで広がるようです。

誰を喜ばせたいか、は各自で色んなバリエーションがあるみたいです。
必ずしも両親だけとは限らないみたいです。

基本的に大事なのは「誰かの役に立ちたい!」という思いに溢れて生まれてくる、ということ。
「役に立つ」というのも、ありとあらゆる意味で、だと思う。

母親に大切な何かを気付かせるために、あえて重病を抱えて生まれてくる場合もあるかもしれません。
そんな子供を可哀想だ、と思うのはこちらの勝手な都合。
おそらく、本人は元々そんなことは思っていなくて、こちらがそういう「可哀想な子」と刷り込んだだけな気もする。
すべて、自分が決めることなのです。誰かが勝手に決めつけるものではないのです。

自分も、幼稚園前の時に死ぬぎりぎりまでいったとんでもなく病弱な子供だったけれど、死ぬことは何一つ怖くなかった。そんな事もはっきり覚えているわけで。
(→以前ブログに書いた内容。2013年1月10日(2013-01-10)



過去に自殺した人、殺した人、殺された人・・・色んな悔いが残って死んだ人は、死んだ後には自分から「暗い部屋」の中に入るらしい。
それを子供たちは「反省部屋」と呼んでいたのがまた言いえて妙で・・・・

そこで各自が思い思いに色々な反省をする。
自分なりに納得して「よし!次の人生では同じ過ちを繰り返さないように、いのちを大切にしながら、人の役に立てるよう生きて行こう!」という決意ができたら、その反省部屋から自分の意思で出て、また両親を自分で選んで、この世に生まれてくる。そういう繰り返しが行われていて、それを子供たちは記憶している、とのこと。


悔いが少ない人生の場合(現実的にはかなり少ないんでしょうが・・)、反省部屋にいる時間も少ない、との事だった。
この世で暗い場所が怖い人は、「その反省部屋時代を思い出してるんじゃないかなー」と子供たちが素直に言ってました。(^^;

映画の中で、子供たちの発言は素直だしシンプルだし、とても心に響く。
そのとおり!と納得してしまった。



大哲学者の巨人スェーデンボルグも、神の神髄は、愛と智慧。そしてお役立ち(Use)にある、と言っていた。

というのも。
昨日ちょうど、ヘレンケラーの「光の中へ」という著作を読んだばかり。この本は、ヘレンケラーが三重苦で生きる希望を失っていた時に、新しい人生へ目覚めたのがスウェーデンボルグのおかげである、と初めて高らかに公表した著作なのです(当時、スウェーデンボルグの思想は正当キリスト教と違うので、異端扱いされていた)。この本ではスウェーデンボルグ思想の解説という形をとりつつ、ヘレンケラーが命の恩人スウェーデンボルグへの溢れる愛を表現している著作なのです。
先日、「私の宗教: ヘレン・ケラー、スウェーデンボルグを語る 《決定版》」 未来社 (2013/12/26)という本が出てますが、おそらく「光の中へ」の新装版のはず。こちらの方が買いやすいと思います・・・。
この本の紹介は近いうちに書きたいです。
 


<スウェーデンボルグ関連>
「スウェーデンボルグの「天界と地獄」」(2013-03-27)
「スウェーデンボルグの思想―科学から神秘世界へ」(2013-03-12)
一条真也「法則の法則」(2012-04-29)


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この映画を見ていて、
いんやくりお「自分をえらんで生まれてきたよ」(2013-05-21)
を思い出しました。
この本でも、りおくんが、
==========================
ぼくは、本当は、
ほかの子どもたちが来るまで、
待たなくちゃいけなかったのに、
待ちきれなくて、生まれたんだよ。

だから、ぼくは、未来から来た。
==========================

と語っています。
映画の中でも、兄弟は互いに示し合わせて順番に生まれてくるらしいのですね。


メーテルリンクも「青い鳥」の中でそんな赤ん坊の生まれる前の世界をさりげなく書いています。
(→メーテルリンク「青い鳥」(2009-10-30)

***********
(未来の国にて)
空色の宮殿の中にいくつもの大広間があります。
ここには、これから生まれる子どもたちが待っています。
トルコ石の丸天井、サファイアの円柱、明かりやラピスラズリの敷石、すべてが現実はなれした青い色をしています。

どの広場にも空色の長い服を着た子どもたちがいます。
子どもたちは、遊んだり、おしゃべりしたり、散歩したりしています。
中には、未来の発明をしている子もいます。
子どもたちの間を、半透明の空色の天使のような人たちが静かに行き来しています。


チルチル:ぼくたち、どこにいるの?

光:未来の国です。まだ生まれない子どもたちのいるところです。帽子のダイヤモンドのおかげで、はっきり見えるでしょ。たぶん青い鳥もここで見つかりますよ。

チルチル:ここでは、何もかも青いから、鳥だって青いだろうな。ほんとに、なんてきれいなんだろう!

青い子どもたち:生きてる子どもたちだ!みんな、来てごらん、生きてる子どもたちだよ!

チルチル:どうして、「生きてる子ども」って言うの?

光:あの子たちが、まだ生きてる子どもじゃないからでしょう。生まれる時を待っているのです。

チルチル:生まれる時?

光:そう、地上に生まれてくる子どもたちは、ここから出て行くんですよ。一人一人が、自分の生まれる日を待っています。お父さんとお母さんが、子どもを欲しいと思うと、さっき右に見えた大きなとびらが開いて、子どもたちが降りていきます。
***********





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いづれにしても、子供が語る、胎児記憶、中間生記憶、前世記憶・・・・素直な発言・・・がとんでもなくイイ!!

池川明先生や南山みどり先生の愛に溢れた優しい語り口にも魅了されました・・・。やはり語る人が大事だ・・・。



色んな情報が飛び交う昨今ですが、子供や赤ん坊からのメッセージに素直に耳を傾けてみてはいかがでしょう。
そこには情報汚染される前のシンプルな「にんげん」の表現が込められています。
表現する言葉はつたなくても、いや、つたないからこそ、そのメッセージはシンプルで心を打つのです。
「科学的な知識」に縛られず、自分の赤ん坊や子供時代を思い出しつつ、自由な感性で素直に耳をすましてみてください。
きっと、心の奥深いところが反応するはずです。



実際、自分も医療の現場ではお子さんから何度も同じような話を聞いています。
少年のような子が、長老、哲人のような含蓄深い言葉を話し、その神聖な佇まいに思わず感動することも多いのです。


現場の助産師さんやお母さん方も、実はこういう事はよく聞く話なんでしょうね。科学があまりに後ろを走っているので、その先頭がまるで見えないだけで・・・。

脳と記憶は何かの関連性はあるのしょうが、脳がないと記憶もない、という単純な話ではなさそうです。それは大いなる思い込みなのかもしれません。

というのも、DNAという設計図はにんげんの100兆個の細胞に全て格納されていて、DNAを介して生命情報は数十億年のスパンで伝わっています。
それは情報であると同時に、記憶でもあります。
その記憶をうまく取り出せないから、今の理解が狭いだけなのでしょう。
おそらく、記憶を取り戻す重要なポイントは「素直」というような、極めてシンプルな原理かも知れません。(^^;



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こういう話は、こちら側が開かれた態度でいるかどうかで、相手も素直にホントの事を話すかどうか、選別されてるところがあります。
臨死体験の話も、自分はしょっちゅう見聞きしますが、それは相手から「この人なら話してもバカにせずありのまま聞いてくれるだろう」という信頼関係が前提にあるわけです。


子供も、こちらが自由で開かれた態度をとっていると、何でも素直に感じたままを表現してくれるものです。

結局は、こちら側の「在り方」なんでしょうね。
自分自身の在り方に応じて、この世界は色んな秘密を開示してくれる、という仕組みになっているようです。



ほんとか、うそか、とか・・・、そういう二元論で「あたま」で考える前に、是非素直な感性で映画を見てみてください。
そして、その時に湧き起こる自分の中の深い感情に素直に身をゆだねてみてください。
きっと、何か「こころ」が深い場所で共振するはずです!(^^


映画館で購入して、
池川 明「胎内記憶―命の起源にトラウマが潜んでいる」角川SSC新書(2008/07)
南山みどり (著), 池川明 (監修)「わが子が育てづらいと感じたときに読む本」ビジネス社 (2012/5/29)
を読んでいる最中。
たいわ士の南山みどり先生も、ほんと素敵な先生だった!!!



この映画、素晴らしいです。
是非!是非!是非!(しつこい?)
お薦め!! みなさんの感想も教えてください。

5 コメント

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連綿と続く心 (玉猫)
2014-03-26 08:25:51
当方、<映画館はないけど、映画祭のある田舎町>在住。この映画自主上映してもらいえるといいな(リクエストしてみようかな)。
座禅・瞑想すると前世を思い出せますが、これを言うと、日本では友達無くします(笑)。
科学・物質至上主義から精神・心重視の社会になって欲しいです。
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Unknown (安藤)
2014-03-26 22:08:38
すてきなお話ですね。

つい先日NHKスペシャルで「超常現象」という特集がありました。そのなかで、「前世の記憶」について、信じざるを得ない事実がでてきて、ワクワクしながら拝見しておりました。

私自身、「人が何のためにうまれてくるのか」ということと「母子」の関連性に大変注目しています。
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こころ (いなば)
2014-03-27 11:09:09
>玉猫さま
そうなんですね。ぜひ!玉猫様主催されたらいかがですか?!(^^ 
きっと、周りの皆さんも喜びますし、見たら意識も変わりますよー。そして、意外に興味を持っている人がまわりにいることに驚くと思います。みんな、それこそ変な人と思われるんじゃないか、と・・・恐れがあって隠しているようなのですが、それももったいない気がしますよね。自分も、ありとあらゆるジャンルを渡り歩いていますが、オカルトもスピリチュアルも、もう恐れも偏見も一切なくなりました。笑

物質主義や資本主義はもう終焉を迎え始めていると思いますよ。今の若い10台の子達を見ているとそれを感じます、すでに新しい時代を模索し始めている若い動きを感じます。
まあ、ある意味では当たり前のことを素直に大切にする社会に変貌していくと思います。日本は、そういう意味で大事なポジションにいると思いますねー。


とにかく、素晴らしい映画でしたので、ぜひ小規模でもいいので上映会を開催してやってもらいたいですー。PCとプロジェクターさえあればできますからね。


>安藤さま
NHKスペシャル「超常現象」!そんな面白そうな特集があったのですね。見逃してしまい残念です。このあたりの学問になりにくい分野は、未知のことも多くて宝の山ですね。おそらく従来の科学による方法論の価値観に縛られず、新しいアプローチが必要になると思いますね。

「前世の記憶」も、映画『かみさまとのやくそく』 にも出てきますが、その仕組みの解明と同時並行に、その事実がわれわれに何を示そうとしているのか、という見方も同じように考えていくべき問題だと思いますねぇ。

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早速、観てきちゃいました (りえ)
2014-03-30 15:31:11

胎内記憶は覚えていませんが、
子どもの頃の気持ちを思い出して、
うるっときてしまいました。

子ども、って大人が思う以上に、
よくわかっているんだな、と思うことが多々ありましたが。
この映画を観て、更に実感しました。

子育てに悩んだり、戸惑っているママさん達に
観て欲しい。

臨床に携わるいなばさんならではの体験談、
ブログでもっと読んでみたいな。
これからも、楽しみにしてます。

この映画を紹介してくださって、
ありがとうございます。
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嬉しいです! (いなば)
2014-03-31 00:16:31
>りえさん
見てきてもらえて嬉しいです!!
本当に素晴らしい映画だと思います。
りえさんがおっしゃるように、自分も自分が子供の時の感覚や感情などが走馬灯のように駆け巡り、それだけで自分も涙腺緩みました。見る人が、それぞれ自分の子供時代と対話してしまう映画だと思います。


どの立場の人が見ても、それぞれの立場でいろんな学びがあるように感じました。
見に行っていただき、嬉しいです!(^^  
あまりにいろいろありすぎて、なかなか感想いうのが難しいですよねぇー(^^;
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