米次期財務長官「米国は3~4%成長可能」(日経新聞 2016/12/1 9:58)
>商務長官に就くロス氏は環太平洋経済連携協定(TPP)に反対する考えを示し「一例を挙げれば、TPPの原産地規則はひどい」と述べた。
原産地規則は、域外からの部品の調達が多ければ、協定の意味が薄くなるので、必要な規則だと思います。中国やタイなど域外の国からの調達が多い日本が、低い調達率を主張し、NAFTAなどでアメリカとの一体性が高いカナダ・メキシコが高い調達率を主張し、日本が譲って決着したという
経緯(NHK時事公論「TPP交渉 薄氷の大筋合意」2015年10月06日 (火) 午前0:00~)があると思います。
アメリカでTPP反対の意見が強いのは、「NAFTAの失敗」があるでしょう。アメリカの工場はNAFTAでメキシコに流出しました(日本もアメリカと歩調をあわせて、アメリカからメキシコに工場を移動させているようです)。これがアメリカで保護貿易が台頭した原因になっているのではないでしょうか。トランプが製造業の復活をさせるつもりであるなら、TPPどうこう以前に問題の本丸NAFTAをどうすべきか考えるべきです。つまり、安い賃金を求めてメキシコに工場を移動させることが是か非かです。もう投資してしまったものは、実際問題ある程度容認するしかないように思いますが、これ以上の流出を防ぐ手立てがないのか考える必要があると思います。EUでドイツの工場流出は問題になっていないように思いますし、日本もアジアに工場が流出したと問題になっていないように思います。これは北中米特有の現象ではないでしょうか。アメリカがNAFTAの問題を整理して方針を決めたら、TPPのことをもう一度考えてみればいいと思います。
NAFTAはメキシコを南米ではなく、アメリカ側にするために、行ったと言います。ここを維持するのであれば、中国といった安全保障上問題のある国の労働集約工場をメキシコに移せばいいと思います。アメリカにとって必要な付加価値の高い産業が流出しているのであれば、歯止めをかけていく必要があるかもしれません。
移民に関して言えば、日本は島国なので、ピンとこないところがありますが、韓国-北朝鮮よりも、国境が長大かつ辺境で、安全保障上の問題もありませんから、中々難しいように思います。寧ろ中国-北朝鮮の国境に似ているのでしょうか?だとしたら、止めるのは、中々難しいかもしれません。
メキシコが豊かになれば止まるでしょうが、それもトランプ、NAFTA批判をしていますからね・・・。強制送還しても、わりとイタチごっこになるのではないでしょうか。厳しく対応する意味は有ると思いますが。
アメリカ国内で移民に安い賃金を払うのか、貿易して外国に安い賃金を払うのか、どっちがいいでしょう?アメリカ人はスーパーマンかもしれませんが、さすがに労働集約産業まで全部自分でやることはできないと思います(それを途上国の方々にやってもらうことで、自分達が付加価値の高い仕事に注力することができています)。トランプはこの問題に関して、答えを急がない方がいいと思います。