自民・小野寺五典政調会長代理「日本独自で経済や外交・安全保障を考えていく時代になる」 トランプ次期米大統領就任で(産経ニュース 2016.11.20 15:28)
>小野寺氏は、トランプ氏就任後、日本が置かれる立場について「日本は米国に付いていれば何とかなるという時代から、日本独自で経済や外交・安全保障を考えていく時代になる」と指摘し
日本にとって米国は重要ですが、独自に戦略を考えることが重要だと思います。これまでが、米国追従過ぎたという反省はあっていい。
安倍政権の経済戦略の重要な柱にTPPがありましたが、TPPは日本が考えた戦略では勿論ないでしょう。もともとあったTPPをアメリカが日本に参加するよう促したと聞いています。これが、アメリカが自ら否定することで、暗礁に乗り上げたという形になっています。トランプの翻意を待ってもいいのですが、現時点で、どうも見込みが薄そうな情勢のように見えます。ならば、新たな戦略が必要になってくるのではないでしょうか。日本の戦略なのだから、アメリカが言ってくるのを待つのではなく、日本が考え、諸外国を巻き込んでいけばいいと思います。
まず日本の強みは何か?工業だと思います。これを活かしていけばいい。独自といって直ぐに翻すようですが、同様の強みを持つドイツは参考になると思います。ドイツにはEUという大きな市場があって、今、経済は好調ではないでしょうか。日本にも大きな市場が必要でしょう。すなわち、自由貿易協定が必要です。ここで注意しなければならないのは、アジアには、中国という不公正の大国があるというファクターです。あの国は、市場経済ではなく、国営企業が作り過ぎでダンピング輸出をしてきますし、中国に進出する企業には技術移転を求め、後々ちょっと変えて「独自の技術」として安値攻勢のライバルとして登場してきます。その戦略を連中は隠していませんが、本当に有り得ないと思います。やはり公平公正妥当なルールで日本は経済戦略を練るべきでしょう。中国がまともなルールを受け入れるとは考えにくいですから、まともなルールを受け入れる国との連携を強めていくべきでしょう。TPPに代わる多国間経済連携協定が必要ではないでしょうか?みんなでルールを創って、まともじゃない国を牽制する必要があるからです。これが二国間協定では分かりにくいし、効果が薄れると思います。みんながひとつの方向を向くには、分かり易さというのも必要だと思います。
中身ですが、自由貿易で役割分担による経済成長を目指す必要はあると思います。また、日本は少子高齢化がトレンドで投資先を見つけにくい客観情勢にありますから、海外投資をし易くする必要があると思います。労働集約企業などを移転させて対象国を発展させ日本の高付加価値のものを買ってもらうというサイクルが必要でしょう。著作権を保護して日本のコンテンツを買ってもらうのもいい。兎に角、日本にとって必要な要素を相手国にとっても受け入れられる形で盛り込んでいく必要があると思います。
ここで、アメリカです。この経済戦略はアジアを想定していますが、アメリカも有望なアジア市場には参加したいのではないですか?
戦前、門戸開放を言ってきたのがアメリカです。砲艦外交で日本を開国させたのもアメリカでしょう。そのDNAはまだ健在だと思います。アメリカ自体、大きな市場ですから、参加したいなら、アメリカも参加していいと思います。公正な競争でアメリカが負けると想定する必要は無いでしょう。自動車など日本が強い分野では日本が勝ってしまうと思いますが、アメリカはアメリカで無茶苦茶強い分野が幾らでもあります。その分野を活かすために市場が必要だし、それで雇用をつくる必要もあるでしょう。それは兎も角、アメリカが参加したいなら、今度は参加させるべきだと思います。トランプにもTPPを離脱すると言ったメンツはあるでしょう。ですが、アメリカという国のDNAに期待したいと思います。日本も別に移民の国ではありませんから、とりあえず、EUのように人の移動までも自由にしなくていいと思います。