観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

寒波で電力逼迫、原因と対策

2021-01-13 09:00:56 | 経産省(資源エネルギー貿易通商)・環境省

陸上自衛隊金沢駐屯地 ツイッター 1月10日

今、グリーンエネルギーのマイナス面を強調するのは気が引けますが、LNG不足に加えて、天候不順による太陽光の稼働減が電力供給逼迫の原因となっているようです。

LNG不足、太陽光の稼働減――電力需給逼迫の理由(電気新聞 2021/01/10)

太陽光発電の割合ですが、2019年には7.6%になっており、影響力は小さくないようです(国内の2019年度の自然エネルギーの割合と導入状況 環境エネルギー政策研究所)。

寒波でLNG火力の供給追いつかず。今後の脱炭素路線にも影響?(日刊工業新聞 2021年01月12日 ニュースイッチ)

>想定を上回る需要に対し、LNG火力発電は即応できない。小売電力事業者の通知に基づき燃料を調達しており、需要が急に増えたからといっても調達のリードタイムに2カ月かかるからだ。LNGは備蓄が難しい上に、設備に支障を来さないようにタンクの在庫量を維持する必要があり、稼働率を無理に上げられない。

石油発電は供給弾力性に優れるようですが(「石油火力」の位置付けと石油火力向け石油燃料の供給について 石油連盟)、石油ショックで新設が禁止され、施設が老朽化しているようです(【エネルギー】日本の発電力の供給量割合[2019年版](火力・水力・原子力・風力・地熱・太陽光等) サステナビリティ・ESG投資ニュースサイト)。石炭発電はCO2排出に問題がありますが、今回のことで貯蔵が効くメリットが見えてきたと思います。

原子力に関しては・・・
原子力の必要性(中国電力)
>少ない量で大量の発電を行えるため,燃料の輸送や貯蔵も容易です。
>原子炉に装荷したウラン燃料は,4~5年程度使用することができます。


リモート天然ガス井戸 国立労働安全衛生研究所(NIOSH)USA パブリックドメイン 

スポット価格の高騰が止まらない。寒波でLNGの在庫が減少(電気新聞 2021年1月12日)
>現在のLNG不足は一時的な現象で、年間を通してみると余剰感が強い。
>LNGはタンクに入れて長期間貯蔵すると気化してしまうため、夏場に余ったLNGをためておいて冬場に使うといった運用もできない。

今年の冬は想定外の電力需要があったようで、天然ガスは余剰気味で貯蔵が効かないため、十分な発注が無かったと見られます(なぜ電力ひっ迫を招いたLNG不足を予測できなかったのか 日経エネルギーNEXT >今回の危機の原因はあくまで燃料の不足)。上手く燃料を買えればいいのですが、気候変動の予測は難しいと思われ、原発再稼働で電力の総供給量を大幅に増やしておくこと(余剰は揚水発電)、石炭火力を維持しておくことも抜本的な対策になりそうです(CCSは必要かもしれません)。

なお再生可能エネルギーで蓄電技術が言われますが、蓄電技術が使えるのは原子力発電も同じだと思われ、出力調整も技術的には可能のようです(原発のいわゆる「出力調整」問題の壁 国際環境経済研究所)。

気候変動問題でグリーンもいいんですが、CO2を出さない電力として原子力は有力ではないかと思います。少なくともお天気任せの再生可能エネルギーよりは安定性があります。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カタール頼み? (管理人)
2021-01-16 20:34:58
LNGの供給ですが、カタールで技術的な問題が発生したと言う指摘があるようです(裏はとれていません)(【日本の解き方】電力逼迫はなぜ起きたのか 寒波やLNGの供給に加え「容量市場」など本質的問題も https://www.zakzak.co.jp/eco/news/210116/ecn2101160001-n1.html)。>世界最大のLNG供給国であるカタールで突発的な技術問題があり、輸出量が減少している。米国からのLNG輸入では、パナマ運河の通過手続きがコロナ禍で停滞し、スムーズにいっていないことも拍車をかけている。・・・LNG依存の危険性が形になったとしか思えませんが、グリーンも天候任せで危機管理上のリスクがあると思います。電気の安定供給といった視点も大切で、効率やグリーン一点張りでは。
返信する
資源エネルギー小国という原点 (管理人)
2022-10-28 20:42:53
原産協会と米NEIが原子力輸出へ向け共同声明 - 原子力産業新聞(https://www.jaif.or.jp/journal/japan/15207.html?utm_campaign=shareaholic&utm_medium=twitter&utm_source=socialnetwork 28 Oct 2022)
資源小国の日本にとって原子力産業が重要なのは明らか。安定的な国際環境は自明ではなく(中国の台頭ファクター、ロシアの戦争、北朝鮮の暴走)、資源エネルギーの多角化を日本は図る必要があります。化石燃料は有限。子孫への責任。原子力産業を滅ぼしてはならず、技術は一朝一夕にはなりません。資源エネルギーは安全保障の中核的問題でもあって、日本は金がなくても幸福であればいいという仙人路線を採るべきではありませんし、その必要もありません。原子力技術は未来に必要であり、業界を発展させる必要もあります。安全が重要なのは分かります。でもそろそろ専門的に安全を考える段階に来ていると思います。世論が熱くなったかもしれませんが、冷静に議論しなければ、産業技術が滅ぶのは必至です。
返信する

コメントを投稿