観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

2018-2030 日本のリスクと戦略(鈴木馨祐議員の講義)その1

2018-01-27 10:46:12 | 政策関連メモ
一週開いてしまいましたが、愛媛リーダー塾の鈴木馨祐議員の講義から、日本経済を考えていきます。

①リスクテイク

直面する課題にリスクテイクが挙げられてますね。日本は起業が少ないと言われます。ウィキペディア「起業家」からの孫引きですが、中小企業庁「中小企業創造的活動実態調査」によると、ベンチャーキャピタリスト等のベンチャー企業を支援する専門家が、創業者に必要な資質として多く回答したのは、環境変化に適応する柔軟性(48%)、決断力・積極性(36%)なのだそうです。日本人の国民性が起業に向いていないのだと仮定すると、この逆の資質があるとも考えられます。

環境変化に適応できない硬直性は、外交安全保障環境の変化を直視せずに憲法を1ミリも変えてこなかったことに表れているようにも思いますが、世界に日本は独りではありませんので、その硬直性を維持したままでは滅びるしかないということになると思います。別に日本で時代に即応した法改正がなされていない訳ではありません。憲法だけが時代にあわせて変えてこられなかったんですよね。問題解決学習(ウィキペディア)を進めていくことで、こうした硬直性にいい意味で風穴を開けられるのではないかと思います。アクティブラーニングに関して先日少し触れましたが、問題解決学習もこれに含まれているようです(用語集『新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~』平成24年8月28日中央教育審議会答申)。また、経済において模擬授業を充実させていけば、あるいは起業家も増えるかもしれません(出張模擬授業テーマ一覧 広島経済大学)。法律・政治に関しては、模擬国会のような取り組みがもっと広まるといいのかもしれません。

決断力に関しては、家庭の教育や国民性の問題もあると思いますが、教育でも養うことは可能でしょう。NAVERまとめですが、子どもの決断力は訓練次第で大きく育つ!今日から実践できるトレーニングを参照すると、「子供のうちは、多少の失敗には目をつむって、出来る限り、自分の行動を自分で決めさせましょう。」「どうしても、子供の行動に口を出したくなる場合は、子供に「自分の取る行動を主体的に考えるキッカケ」を与える質問をしてみてください。行動を指示するのではなく、「夕食の準備が午後六時に出来るから、それまで何するの?」など」「家族内の重大な問題や決定には、なるべく早い時期から相談をし、決定に加える。」とあります。良し悪しあるかもしれませんが、ひとつの考え方として参考になるのではないでしょうか?学校教育でも集団行動の訓練などこれまで通りのやり方を維持するのも筆者は構わないというか是としますが、あわせて自主性・決断力を養う取り組みも進めていけばいい訳です。例えば、内申書で文化祭の活動(店をつくるなど)を評価してもいいと思いますし、一部の生徒になってはしまいますが、生徒会の活動をより評価してもいいと思います。課外活動のキャンプなども自主性を養うと言われますし(アウトドアで小学生の自主性は伸びる! 進研ゼミ保護者通信)、決断力・判断力も養われるはずです。漫然の課外活動を行うのではなく、自主性・決断力・判断力の醸成という視点を持って行い評価することで、こうした能力は伸びていくものではないでしょうか?

積極性と日本的な謙譲の美徳・配慮は相反するところもあって、中々上手く両立させることは難しいとは思いますが、以上アクティブラーニングなど積極的な行動を誘発する教育を通じて多少なりとも(良い部分は残しつつ)改善できると良いのかもしれません。

後は起業を全て成功させることは誰にも出来ないのですから、失敗しても人生が終わらないようにしていくことが必要だと思います。金融においてAIが人間の仕事を奪うとも言われていますが、それも良し悪しあるようですAIや機械学習の利用、金融安定の新たなリスクにも-FSB(ブルームバーグ 2017年11月2日 9:25)。専門的な視点を議論し対応しつつも、この右肩上がりが自然に期待されない時代において、ただ土地を担保に金を貸す業務を銀行が続けていけるはずもありません。事業のリスクを評価し、あるいはこれからの時代は事業のリスクを評価するAIを操ることが、銀行業務の核であるべきでしょう。経済産業省・中小企業庁・金融庁なんかもそれを推奨しているようですね(広島銀行の事業性評価への取組み - 経済産業省pdf、事業性評価の必要性 - 中小企業庁地域金融機関に期待される役割 - 金融庁。適切に金融が事業にお金を貸せれば、逆に失敗が見えてきた時に適切に清算を促せるかもしれません。

②大きな政府か小さな政府か

配布された資料の10pに一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移があります。配布された資料の表の公債発行額部分は4条公債(建設国債)と特例国債に分かれていますが、ネットにある財務省の図では、この部分の区別はありません。いずれにせよ、バブルの崩壊以降、税収の伸びと歳出の伸びが一致しなくなっており、これに危機感を持って行動しなければならないのは間違いないと思われます。バブルの崩壊から25~27年経った訳で、もはやバブルを言い訳にできる時期はとうの昔に去ったと思います。筆者は生産年齢人口減少の問題(首相官邸ホームページ1p)の影響はあると思いますが、破綻を避けるためには、税収を伸ばして歳出を抑制する改革以外の答えは無く、結局のところ、小さな政府を目指す方向性以外有り得ないと考えられます。財務省は消費税増税で対応しようとしますが、デフレに舞い戻る恐れが強く、そうなると技術的にマイナス金利が適用できない(仮にマイナス金利を設定したら、皆タンス預金に走る)せいで、ドンドン貯蓄が有利になって、誰も消費をしなくなり、そうすると企業が収益が上がらなくなり給与も出せなくなって悪循環に陥り破綻すると考えられます。まぁ今は企業はお金を貯めこんでいる訳ですが、別に収益が上がっている訳でもなく、一時金を貯めているだけなんでしょうから、使い出したら直ぐだと思います。いずれにせよ、デフレを考えると、増税で歳出増に備えるという選択肢に問題が多いことが分かります。かと言って勿論ドンドンばら撒けば当然歳出が増える訳ですから、税収が増えない歳出を増やしたところで、破綻まっしぐらなのであって、彼らが批判して止まない増税路線と同じ穴の狢であることも間違いないだろうと思います。言うのは易しですが「ワイズスペンディング」しか有り得ないでしょう。この辺の正論を述べると「ギャーッ。新自由主義ダーッ」と喚く人が何処からともなく現れますが、「新自由主義」とやらが癌なのではなく、個別の政策論をレッテルを貼って潰そうとする「新自由主義」潰しの人こそが真っ黒けっけの癌そのものです。話が全く反対なんですよね。癌である人ほど自分が癌であることを自覚せずに議論そのものを資格論だか何だか知りませんがレッテルを貼って潰そうとしてきます。それは兎も角、AIだろうがなんだろうが使えるものは使って仕事を簡素化して業務を効率化し(効率化すればより重要なところに人を充てられるますし、人間にしかできない仕事に専念すればいいと思います)、歳出を抑制していかねば、破綻は間違いないと思います。また国全体で税収を上げる取り組みをしていくべきでしょう。減税は理想論としては正しいと思いますが、税収を上げなければならないと答えが決まっているのであれば、現在の日本の状況では中々難しいような気がしないでもありません。如何に税収を上げていくかに関しては、今後も考察していきたいと思います。筆者は基本的に今の日本の状況で歳出と税収の差を拡大させるような如何なる経済政策も支持するつもりはありません。デフレ脱却だけが例外で必要最低限中身を精査して行うべきだろうと思っています。

③社会保障

社会保障の原資は頑張っている人の税金との指摘はその通りだろうと思います。社会保障はアリがキリギリスの世話をするのか?という問題が付き纏うのは確かでしょう。ただそれも一般論で働けなくなった人(高齢者や病気・怪我の人)を切り捨てるのは良い社会かという論点はあるでしょう。特に病気や怪我の人を一々切り捨てる方が寧ろ経済的ではないとも考えられます。別に治れば復帰できるのですから、社会保障でケアして復帰してもらった方が効率的に決まってますよね(勿論ほんの少し延命するために莫大なお金をかけるのが経済的だと主張している訳ではありません)。ですから、社会保障すなわちキリギリス支援と考える必要はないと思いますし、個別に政策を見ていくべきでしょう。

貧民救済は歴史的に無かった話でもありません。日本だと光明皇后の貧民救済が有名でしょうか?(悲田院(ウィキペディア))イギリスだと救貧法(ウィキペディア)が福祉国家の出発点のようで、イスラムにもザカートがありますね。当たり前ですが一々貧民を殺して回る訳にもいきませんし、社会不安の抑制のためには貧民救済も必要だろうと思います。働かないでいい暮らしをしようなどと甘い考えが通用するとは思いませんし、通用させてはならないとは思います。後、金持ちの方々もただただ貯める守銭奴志向を是とするべきではなく、金は天下の回り物ですから、収入に応じて使っていただく必要も一方ではあろうかと思います。貯めるにしてもただ貯めるよりは投資した方がいいと思いますし、土地を塩漬けにして値上がりを待つなんて考えは今の時代悪徳とさえ言えるかもしれません。それは兎も角、デフレであればあるほど守銭奴有利ですから、なるべく無理なくお金を使っていただくためには、ある程度インフレでなければならないと言えると思います。消費についてはまたいずれ考察します。

鈴木議員の講義に関してはまだ考察する部分が残っていますが、本日はここまでとします。


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