ごうりてきはいりょのはなし(その2)
合理的配慮の目的は?
「社会的障壁」を取り除くため。
何のために、取り除くのか?
家庭的・社会的・文化的条件において不利な立場にある子どもたちの学校での成功の機会を平等に保障するため。
誰のために、取り除くのか?
「障害のあるすべての人と子ども」のため。
インクルーシブ教育とは、「すべての子ども」を「学校教育への組み込むために必要なものを提供する」教育制度のこと。「包み込む」とは、そういうことだ。
インクルーシヴ教育を進めるために、高校入試においても「受検上の配慮」がある。
たとえば、「視覚障害」のある人は、問題用紙の文字(墨字)が読めないことが「障害」だ。
だから、墨字の代わりに、「点字」を使うこともOK。
パソコンや代読者による「音読」を使うこともOK。
「障害のあることが不利益にならない」ために。
「すべての子どもを学校教育に組み込むために必要なものを提供する」ために。
「視覚障害」による「不利な条件」が、「教育の機会」を奪うことがないように。
「点字受検」という「合理的配慮」は、点字に翻訳する人の手をかりてもいいということ。
「音読」する人の口をかりてもいいということ。
「パソコン」という機器を利用してもいいということ。
何でも「一人でできなければいけない」、という「社会的障壁」としての慣行(障害のある方の存在を意識していない慣習、文化など)を、調整することだ。
そうして、「一人ではできないこと」があっても、誰かの力をかりることで、「すべての子どもを学校教育に組み込む」ことが、インクルーシブ教育であり、合理的配慮の正しい使い方だ。
ここで、「漢字を使わないこと(点字に漢字はない)」や、「ひらがな(墨字)を使わないこと」は、「不合格の根拠」にはされない。
つまり、「障害」が不利益には、なっていない。
「視覚障害」は、「高校教育を受けるに足る能力・適性」に、欠けていない、と判断されている。
では、「知的障害は」?
(つづく)
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