アリスミラーからの伝言
わたしは障害のあるふつうの子どもとして、
あなた方からふつうの敬意と思いやりを
求めてかまわなかったはずなのに、
それをあきらめなければならなかった。
子どものわたしはどこにも行き場がなく、
訴えることもできなかった。
友だちと遊びたいの。
みんなのいる所にいかせてちょうだい。
みんなと一緒に学校に行きたいの。
どうしたらいいの、教えてちょうだい。
不安なの、近くにいてちょうだい。
悲しいの、慰めてちょうだい。
どうしたらいいかわからないの、助けてちょうだい。
遠くに行かされそうな気がするの、護ってちょうだい。
わたしは壊れてしまう。
あまりに求められることばかりが多すぎるの。
荷を軽くしてちょうだい。
わたしの苦しみをわかってくれる人が必要なの、
わたしが苦しんでいるのを見てちょうだい。
お願いだからわたしを見て。
わたしは、本当はそう言えるはずだったのに…。
あのころは、言えなかった。
その言葉を知らなかったから。
いまになってようやく、
私にもそれがわかるようになった。
でも、子どものころには、
私の中に、そんな欲求があるとは感じなかったわ。
子どものころはひたすらがんばって、
自分でできることはなんでも1人でやって、
なんとかいい子になって、
あなた方に気にいってもらおうと、
いつでも必死だった。
わたしは一生、それを続けてきた。
そうして、やっと、誰かの気に入ってもらおうなんて
考えずにいられるようになった。
いまはもう、自分自身に正直であるだけ。
自分の運命を理解して、それと向き合いたい。
そうなると突然、わたしを理解してくれる人が何人も現れるの。
もう私は力を求めてたたかう必要もない。
その人たちはあっさり、わたしをわかってくれる。
もしかすると、その人たちは前からずっと
そばにいてくれたのかもしれない。
でも、わたしには見えなかった。
囚われていたから。
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