「迷子の絵本」
《ホームN‐ROUTE》
(一) 仕事をしなきゃいけないのは分かってる。親には頼れないんだから、自分で稼いで、自分で生きていくしかない。そのために、抱えている問題や悩みを解決したいけどうまくいかないという、子どもの焦り、いらだち、寂しさを想像してみることができるか。
(二)ときに自分の行動を後悔したり、痛みを感じたり、ふがいない自分にいらだつ当人の孤立を、どれくらい理解できるか。
(三)自分の問題に精一杯で、周りの人への態度が悪かったり、気づかう余裕もない、当人の状況を理解しているか。
(四)自立という目標が大きすぎて、自分で自分を助ける方法が分からない、誰かに頼りたいけど頼るのは自立にならないと言われ、途方の暮れている「幼い子ども」が見えるか。
A. このうち、どれか一つでも理解できる人は、子どもの隣にいて一緒に考えてゆける理解力をもっています。
へたな説教も相談も後回し。
十代で「一人で生きる」ことを迫られ、頭ではわかっても、自分の道筋がみえない子どもの味方にとことんなってあげること。
真の味方さえいれば、問題の解決には年月がかかっても、日々の暮らし方や、自分の助け方は様相を変えます。
少しずつ自分を待ってあげられるようになります。
孤立してゆとりがないからこそ、つい自分や他人を傷つけてしまうのです。
B. 「理解できても、うまく味方になれそうもない」。
そう感じるときは、まず「自分のどこが相手に抵抗があるのか」、心から信頼できる人と話してみる。
自分の弱さや怖れ、限界を理解できると、相手の弱さにうまく味方できるようになります。
C. 「どれもできない」、こうなるとやっかいです。
自分の側に理解できない頑なさがあるのか。
それとも、相手があなたの想像を超えるたいへんな状況に追い込まれているのか。
いったいどちらなのでしょうか。
それによって、味方になるなり方も変わってきます。
まずこの点を確実に見極められる人を味方にすることが先決です。
D. ここに書かれたやり方なんてとても待っていられないとき。
もし、生命にかかわるような危険が迫っているなら救急車や警察を呼ぶしかありません。
しかし、入院はあくまでも身体的な危険があるときに限ります。
明確な生命の危機以外に、待っていられない事態など存在しません。
E. それでも、待つことができない、とすれば今は残念ながら、子どもの隣で、子どもの状況に耐える許容度が足りない、という自分の限界。
この限界を補い合える人々に援助を求め、味方を増やしていくなかで、自分を育てることを真剣に考えましょう。
真の困難の原因は、お互いの無力と孤立を深める状況にあります。
一人ですべてを背負い込まず、必死に援軍を求めること。
味方は、きっと近くにいるはずです。
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