RONINを支えるもの
初めての「RONIN」との出会いは26の時だった。
一人目は康治で次が雄介。
それから朝子や涼ちゃんと出会い。
61歳の今日まで、毎年のように「RONIN」と出会い続けてきた。
その隣には6歳の子どもたちがいて、その中の誰かが9年後に「RONIN」になるのだった。
□
もし中学生が「完全な言語能力」を持っていたとして、7年も15年待っても「行きたい場所」があることを、「言葉」で親に伝えることができるだろうか。
15年の人生の「手放せないつながり」を、「言葉」で表現できる子がいるだろうか。
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「親は敵」だと聞いていた。
自分の親が「守り切れなかった」ものを知っていたから、そういうものかとも思った。
あれから長い年月が過ぎた。
ここでは、親は敵じゃなかった。
□
彼らは高校に行きたいと、親に伝えることができる。
友だちにはすでに伝わっている。
小学校や中学校の先生にも伝わっている。
時に中学の校長や教頭にも伝わっている。6歳の時には入学に大反対した教育長に伝わることさえある。
この子の意図が聞こえた人はみな、それが言葉だけで聞こえるのではないことを了解している。
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小中学校の9年間の安全なつながりを支えてくれたもの。
親と友だちは味方だという身体の実感がなければRONINにはなれない。
支えているのは、「あきらめない」強さではない。
安全とつながりの喜びに支えられた人生から降りようがないだけ。
□
子どもから大人への「15歳からの10年」。
その準備として確かなものは、中学卒業までに手に入れた。
だからRONINも、進路変更も、3年留年も、自主卒業も、別枠、も大丈夫なのだと思える場所に、いまたどり着く。
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