アンダンテ ~私の歩幅で~

季節のこと、音楽のこと、誕生日シリーズなど

西村早生柿

2008年10月19日 | 誕生果
まるで光と木でできたトンネルのように、
ずっと続いている街路樹。

道路の真ん中に車を止めて、しばし眺めていたいなぁ。
そんな気分になるのは、私だけではないはず。

緑の中に、ちらほらと黄色く色づいている葉も見えて。
これから彩りの季節を迎える木々。

訪れるたび、
違う風景に出会うことができそうです。


■10月19日の誕生果

   西村早生柿 (にしむらわせがき)
     夫婦愛

 ・和名 : ニシムラワセ
 ・分類 : カキノキ科、 カキノキ属
 ・原産地 : 日本


西村早生柿。
甘柿の一番バッター。

滋賀県大津市にある西村氏の柿園で発見された偶然実生。
1960年(昭和35年)に登録されました。

不完全甘柿の早生品種。
(渋い柿は、渋抜きされてから店頭に並びます。)

甘みは、柿としては中程度。
果肉はかため。

果肉にゴマ(黒い斑点)が入っていれば、
甘くなった "しるし" です。

収穫期は、9月中旬から10月上旬頃。

日本以外の国々。
たとえばアメリカ、ブラジル、イタリア、イスラエル、
ニュージーランドでも、柿は栽培されています。

それでも、日本らしいと思ってしまうのは、私だけでしょうか。

夏の風景の名残の中に、柿の実がひとつ加わるだけで、
途端に「秋」になります。

古くから、日本の秋に馴染んできた柿の木と柿の実。
そして現代では、西村早生柿が「秋が来た~」
と告げてくれるのですね。

西村早生柿のシーズンが終わろうとしている今。
他のたくさんの種類の柿が、鮮やかに秋を彩っています。

柿には、「収穫の秋」と「味覚の秋」に加えて、
「芸術の秋」まで感じられるようですね。


誕生果とくだもの言葉 出典:
  日本果物商業協同組合連合会 「くだもの屋さん」
  (参考文献: 図説 世界のくだもの366日事典)

    
■10月19日の誕生色 : 銀 鼠
■10月19日の誕生花 : アキノキリンソウ、他

神様に愛されたチェリスト

2008年10月19日 | 音楽
きょう10月19日は ジャクリーヌ・デュ・プレ が、
彼女の生涯を閉じた日です。

イギリス人の彼女は4歳のとき。
ラジオから流れてきたチェロの音楽を聴いて、
チェリストを志したのだとか。

すごいですね。
天才肌の人は、小さい頃から、
すでに閃きがあるのでしょうか。

カザルスや、トルトゥリエ、ロストロポーヴィッチと、
名だたるチェリストたちに師事。

16歳でプロデビュー。

21歳のとき、ピアニストであり指揮者でもある
ダニエル・バレンボイムと結婚。

夫妻で共演したブラームスのチェロ・ソナタは、
代表的な演奏のひとつとされています。

ところが神様は、彼女の人生を、
バラ色一色にはしてくれませんでした。

26歳のとき、彼女は自分の指先の異変に気付き、
28歳で、多発性硬化症と診断されたのだそうです。

チェリストとしての活動ができなくなり、引退。
回復することもなく、1987年に42歳で永眠。

バッハからエルガーまでという、
幅広いレパートリーを持つチェリストでした。

彼女があまりにも素晴らしいチェリストだったので、
神様も、彼女の生演奏を
すぐ間近で聴きたくなったのかもしれません。

16歳でプロデビューした後、彼女に贈られた
世界最高の弦楽器ダヴィドフ・ストラディヴァリウス。

デュ・プレの死後、ダヴィドフは、
現代の世界的チェリストであるヨーヨー・マに
寄贈されました。

この楽器にして、この演奏者あり、ですね。