アンダンテ ~私の歩幅で~

季節のこと、音楽のこと、誕生日シリーズなど

西条柿

2008年10月26日 | 誕生果
きょう10月26日は 柿の日 です。

2005年に、全国果樹研究連合会カキ部会が制定しました。
1895年のこの日。

正岡子規が  柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺
の句を詠んだことにちなみます。

本日の誕生果が 西条柿 なので、
嬉しい偶然です。


■10月26日の誕生果

   西条柿 (さいじょうがき)
     猛進、行動

 ・和名 : サイジョウガキ
 ・分類 : カキノキ科、 カキノキ属
 ・原産地 : 日本


西条柿。
広島県原産の渋柿。

13世紀頃には、すでに栽培されていたらしい。

渋抜きしたものは上品な甘みがあります。
日持ちはあまりよくないようです。

やや縦長な形。
干し柿としての品質は優秀。

収穫期は、10月上旬頃から。

柿の学名は、Diospyros kaki といいます。

Diospyros (ディオスピロス)は、
ギリシャ語の「Dios(神、ジュピター)+ pyros (穀物)」が語源。
意味は、「神の食べ物」とか。

全部合わせると、「神の食べ物、柿」ということになりますね。
それにしても、なぜ、「神の食べ物」なのでしょう?

アメリカ合衆国の先住民が、
植物の実を干して保存食にしており、
その実がディオスピロスと呼ばれていたことからとか。

きっと、貴重な保存食だったのでしょうね。
そしてまた、乾果の多くは甘みが凝縮されるので、
かなりの旨味にもなっていたと想像できます。

そして、柿の原産は、日本や中国というのが定説。

交易や布教活動により、日本からヨーロッパへ、
柿が持ち込まれたと考えられています。
欧米における柿は、日本のイメージが強いようです。

欧米諸国やロシアでも、「カキ」という言葉で通じます。
「カキ」は世界共通語だったのですね。

柿の実同様、「カキ」というコトバも、
欧米の人々には馴染みやすいもののようですね。

食卓にも、風景にも、国際交流にも
彩りを添えてくれる柿は、今が旬。


誕生果とくだもの言葉 出典:
  日本果物商業協同組合連合会 「くだもの屋さん」
  (参考文献: 図説 世界のくだもの366日事典)

    
■10月26日の誕生色 : ライトターコイズ
■10月26日の誕生花 : クサギ、他

錆浅葱

2008年10月26日 | 色いろいろ
光があるところだけに存在する、色。

色は、一般に、
  ・色相: 単色光の波長に相当するもの
  ・彩度: 鮮やかさ (白みを帯びていない度合)
  ・明度: 明るさ (光の強弱)
の3要素によって、規定されます。

そして、私たちが認識する多くの色には、
それぞれ素敵な名前(固有色名)がつけられています。

固有色名を持つ、たくさんの色。
その中から、誕生色以外の色についても、
いくつか取り上げています。


きょうは、この色・・・ 

錆浅葱 (さびあさぎ) です。

浅葱色が錆びたような色?
・・・ではありません。

錆というのは、金属の錆ではなく、
「寂び」に通じる、くすんだ色の形容。

江戸中期頃、青系の、くすんだ色を形容するには、
「錆」という修飾語をつけて
色の違いを表現するようになったとか。

近代に入ってからは、
「錆」という表現を使うことはなくなったようです。

ということは、この「錆」がつく色名は、
江戸時代中期限定なのですね。

「錆」がつく色名としては、錆浅葱のほか・・・
錆鼠(さびねず)、錆鉄御納戸(さびてつおなんど)、
錆御納戸(さびおなんど)、錆青磁(さびせいじ)、など。

また、赤錆色(あかさびいろ)、錆朱(さびしゅ)、
錆色(さびいろ)、などは、
鉄が酸化して錆の出た色そのものを、表しています。

青系の色につけられた「錆」は、くすみの形容で、
赤系の色につけられた「錆」は、鉄錆そのものの色。

浅葱色や錆御納戸などは、青系の色カテゴリーに属しますが、
この錆浅葱は、緑系の色カテゴリーに属します。

浅葱は藍染で、木綿などを染めていたようです。
着物や羽織の裏に使われた浅葱木綿は、
浅葱裏と呼ばれていたのですね。

ところが、錆浅葱がどのように染められたのかは、
記録に残っていないのだとか。

ふと「寂浅葱」という文字が
脳裏に浮かび上がってきました。