JR北海道が25億円を投じて開発をした気動車・キハ285系の試作車の解体が始まったと
いう記事が3月3日の北海道新聞朝刊に載っていました。
2006年から開発が開始され2011年に車両設計・制作が進められ、ハイブリッド駆動システムと
「振り子装置」と「車体傾斜装置」の両方を搭載した世界初の車両として最高時速140km と
カーブでのさらなる高速走行を可能としていました。
2011年5月に起きた、特急列車の脱線炎上事故によって高速化を追求よりも安全対策を優先させる
という考えと、北海道新幹線の開業に向けて経営資源を振り向けるとの理由で、2014年9月に車両開発は
中止されました。既に発注済みの試作車は1編成(3両)製造されており、開発中止発表の16日後に製造元
の川崎重工業から苗穂工場に輸送され、構内試運転を経て10月に札幌運転所に配属されました。
総合検測車への転用も模索されましたが、多額の費用がかかる事から断念され、2015年に廃車(車籍抹消)
され、苗穂工場に保管されていました。
2016年5月 撮影
2017年3月5日 撮影
2014年9月に完成した車両、一度もお客さんを乗せることもなく僅か2年半で解体されてしまいました。
車両開発に携わった方々の心境を想うと、心が痛む記事でした。