「あほリズム」
(317)
思想は、陰湿で暗いところを好む。光の届かない書物の中であっ
たり、とりわけ人間の脳内がお気に入りだ。彼らはそこで増殖して
溢れると言葉となって口から洩れる。ところが、世間の空気に触れ
ると忽ち枯れてしまう。そこで、本を介して人の脳に感染ろうとする。
(318)
「一度口に出したら、その思想は嘘になる」というその「口に出した
思想」に対して、人々は偏見を抱いているのです。
(ドストエフスキーがソロヴィヨフに宛てた手紙より)
(319)
果たして、インターネットは思想を育むことができるだろうか?
少なくともSNSから思想が生まれることはないだろう。
何故なら、育まれる前に枯れてしまうから。