「あほリズム」
(361)
われわれが幸福、或は不幸と感じることのほとんどは
他者との関係性からもたらされる。
自足的な幸福感というものは生まれ得ないのか?
(362)
すると、「ヤクザ医師」という人からメールが来た。
「だんな、知らないんですか?誰とも係わらずにとびっきり
幸せになれる良いクスリがありますぜ。何なら無料で試供し
たっていいですぜ」
ああ、そういう方法があったか!しかしそれも薬物に対す
る生体反応であって自足的とは言えない。さらに薬物そのも
のが反社会的であるという社会性を帯びている。南洋の孤島
辺りで自家栽培してひっそり楽しむ分にはいいかもしれない
が。
(363)
さらに、「ディオゲネス」というペンネームの人から、
「自慰に尽きるさ。擦るだけで満足できて、しかも金もかか
らない。こんなによいことは他にない」
ううっ、なるほど。しかしそれも異性という対象を妄想して
得られる生理的な快楽であって自足的な幸福とは言えない。
わたしが言うのは、目先の運不運を超越して生きていること
自体が幸福であるという意識が持てないものだろうかという
ことであるが。