「混迷の中の選択」
ドイツの総選挙について思うところを書こうとしているうちに、突
然衆議院が解散してわが国も総選挙に突入することになった。野党の
再編が整わない隙を衝いての大義なき解散である。今になって与党は
、野党の連携を政治理念がバラバラの選挙目当ての野合だと非難する
が、それでは与党はいったい如何なる政策上の選択を主権者に問おう
としているのだろうか?すでに与党は衆参両院で過半数を得て、憲法
違反の集団的自衛権の行使を認める法律の改正を数の力で成立させた
ばかりではないか。今もし政府が国民にその信を問うならば、憲法改
正、殊に9条の改正を堂々と訴えるべきではないだろうか?果たして
公明党はそれに同意できるのか?つまり自公連立政権も野合ではない
か。与党は野党の連携を鼻糞のように嗤うが、自分たちが目糞である
ことに気付いていない。そもそも姑息な手段によって政治を弄んだの
は意味のない解散を選択した与党の方ではないか。
(つづく)