【2013年6月6日】 京都みなみ会館
インドが世界最大の映画製作国であり、一番多く映画が作られている国だということは、一般にはあまり知られていない。その映画大国で史上一番の大ヒットを記録し、タイトルを総ナメしたというから、観ないわけには行かない。
インド映画の最大の特徴は、観客に対しスクリーンいっぱいに正面から迫ってくる、あの《集団ダンス》である。どんな内容のストーリーであっても、突然画面が変わり、あの《集団ダンス》がおきまりのリズムと共に割って入っくると、話が中断され思考が停止してしまう。
ワンパターンのあの映像リズムが入ると、私は閉口してしまうだが、インド人の映画鑑賞者に取っては無くてはならないものなのか?
この映画にもあったが、幸いに最小限に抑えられていたように思う。
それと、女性の場合はともかく、主演の男の顔がどれも《濃すぎる》のだ。浅黒く、二重で長い眉のつり上がったあの顔は、どうしてもなじめない。
で、結局見に行ったのは、4作品のうち、元々あまり見ない《アクションもの》を除き《濃い男》の出ない、『きっと、うまくいく』の1本のみ。
お話はというと、なるほど他で《リメイクしよう》と決まっただけあって、面白い展開と巧みな脚本で結構楽しめる。
インドは中国に続く経済成長国で、多くのSE(システム・エンジニア)をアメリカ中心に世界に送り込んでいる。だから、かつての日本のように文系大学より理工系の大学に人気があり、親たちも子どもをそうした大学に入れるのに熱心だという。
そんな背景と、経済的成長ばかりでなく、人間の意識として《個性を大切にしよう》という精神面での高揚が一般社会にも起こってきたことの反映がスクリーンから感じられる。
映画の『出だし』から何が起こるのかとハラハラするが、最後の《どんでん返し》(『しっぺ返し』?)はなかなか面白い。
『京都みんみ会館』での上映は6月7日で終わってしまったが、引き続き『TOHO』系映画館でも上映されるようなので、興味のある人は是非!
『きっと、うまくいく』を含む【ボリウッド・4作品】のホームページ