【 2017年6月26日 】 TOHOシネマズ二条
《良心的兵役拒否》の衛生兵が、銃を持たず戦場で敵味方なく治療に当たる《実話》という触れ込みだが、現実離れした激しすぎる戦闘描写がかえって真実味を失わせる。
「ハクソー・リッジ」(ノコギリ状の崖)とは、日米最終決戦の激戦地であった沖縄首里城の近くにある前田高地にある断崖のことだという。なぜこんな崖を、縄梯子をかけてまで通過しなければならなかったのか理解に苦しむが、一応、事実だったらしい。
映画の前半の導入部の展開はいいにしても、後半の[戦闘シーン]は《アクション映画》のそれみたいで、真実味がなく、かえって過激すぎて現実感がない。
「宣伝文句」では《「プライベート・ライアン」を超える戦闘シーン》と、その【激しい戦闘シーンを売り物にしている】ようだ。
実際の戦闘も史実をみれば、激戦には違いなかっただろうが、スクリーンに映る戦闘シーンはどこか《嘘くさい》感じがする。
沖縄の《日本軍》があれだけの火力を持って《組織的》に反撃したのかも怪しいし、指揮官の切腹の場面もいただけないし。
『プライベート・ライアン』も『ブラザーフッド』も『硫黄島からの手紙』も『高地戦』も見たが、それぞれどれも「激烈な戦闘シーン」を展開していたが、今回ほどの違和感はなく、むごい現実を見せつけられる実感があった。
しかし、この映画では、【戦場で負傷兵を助ける】どころの騒ぎではない。ありえない【非現実的】シーンの連続で【良心】も【思考】も【映画のテーマ】も何もかも吹っ飛んでしまった。
テーマ自体は、考えされられる重大な《問題提起》もあって、興味津々であったが、それだけに今回の映画の演出・効果についてはがっかりした。
『ハクソー・リッジ』-公式サイト
『1フィートドキュメント・沖縄戦記録映画』-【YouTuber】のサイト
『前田高地での戦闘』を記述・解説しているサイト
『サイパン島での戦いのの映像』のあるサイト