令和2年8月14日(金)
浜木綿の花 : 浜万年青(おもと)
常緑で大型のヒガンバナ科の多年草、
暖地の海岸等に自生。 観賞用等に栽培もされる。
高さ50cm余りの鱗茎の先から万年青(おもと)
に似た広い大形の葉を四方に開く。
夏、葉の間から60~90Cmの花茎を伸ばし、先端
に芳香のある十数個の白い花を傘状に開く。
古くは万葉集の「み熊野の浦の浜木綿」と詠んだ、
柿本人麻呂の歌で有名である。
茎に見えるのは偽茎で、円柱状に直立する。花茎は
太くて扁平で、葉間から花茎を伸ばす。
ハマユウの名は、神社などの幣(ぬさ)に用いた木綿
(ゆう)に似ていることからといわれる。
彼岸花と同じリコリンというアルカロイドを茎に多く
含んで居り、食べると吐き気、下痢を催すので要注意。
花をよく見ると、短い柄の先にあっって、白く細長い
6枚の花被を持ち、花弁の根元の方は互いに接触して
筒状となり、先端が反り返っている。
名古屋の東山植物園に「也有園」という庭園がある。
江戸時代の尾張藩に、横井也有という藩士が居り、
俳句を嗜み広く知れ渡った。
昭和の時代となり、初代東山植物園の園長となった
横井時綱は也有の子孫にあたり、先祖の遺構を後世
に伝えるべく、終戦後の文化復興の一環として、
「也有園」を築庭し、也有の詠んだ俳句(50句)
とそれに因んだ植物を展示した。(昭和23年頃)
その後、昭和42年に隣接して「旧兼松家武家屋敷」
を移設、改修工事を行い、回遊式庭園となった。
この也有園の傍に小さな池が在り、畔に「浜木綿」
が咲いていた。
也有園の門を潜ると、也有の句が庭の各所に句碑
が在り、その句に関わる植物が配置されていた。
残念ながら、浜木綿の句は見当たらなかった、、、
也有の辞世の句碑があった
短夜や我にはながきゆめ覚ぬ 也 有
今日の1句
浜木綿の乱れて風の微温き苑 ヤギ爺
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます