遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

蛍 袋

2019-06-20 16:06:26 | 日記
令和元年6月20日(木)

蛍袋 : 釣鐘草、提灯草、風鈴草


キキョウ科の多年草、高さ30~70cm
山野や林の陰等に自生する。
緑に鋸歯のある長楕円形の葉が互生し、茎と葉に
粗毛が在る。6~7月頃に淡紅紫色で内面に紫斑
の在る、釣鐘形の花を下向きに咲かせる。

白色の花もある。
暑さに弱く、その代わり日陰でもよく育つ。
花自体にも粗毛が生えている。


この花に蛍を入れて遊んだ事から蛍袋と名付けら
れたと言われる。
亦、提灯を表す古い言葉の「火垂の袋」から蛍袋
という説も在る。



別名の「提灯花」はその見た目が提灯に似る事から
の呼び名である。

風鈴草は、同じキキョウ科ホタル属の花で、
ヨーロッパ原産の園芸品種である。

日本でも家の庭先や、庭園等色々な所、で見られ、
散歩の途中でつい、足を止める、、、、。


今日の1句

ささやかす蛍袋に風を知る     ヤギ爺



甘 酒

2019-06-19 15:58:32 | 日記
令和元年6月19日(水)

甘酒 : 一夜酒、甘酒屋


柔らかく炊いた飯または粥に米麹を加え
発酵させて造る甘味飲料。
発酵に6~7時間かける事から、一夜酒
ともいうがアルコール分(度数)は低い。

かっては暑気払いに、また栄養価が高い
事から疲労回復に飲まれ、江戸時代には
真鍮の釜を携えた箱を担ぎ、アマ酒売り
が市中を売り歩いた。

今では、プール等で泳いだ後、冷えた体
を温めるために飲む様である。
パック入り、缶入り等の物を冷やして飲む
事も多く、アイスクリーム迄在る。
本来は冬の寒い時期に飲むことが多い。

最近、甘酒には、ビタミン群、食物繊維、
アルギニン、アミノ酸等の栄養価が高く
美容にも良い?とかで、若い女性に人気
が在り、ブームとなった。
海外でも「ジャパニーズ・ヨーグルト」
として売り出されている様だ。




俳人の夏井いつき先生の著書「絶滅寸前
季語辞典」に、甘酒屋(甘酒の副題)の
記述が面白く紹介されていた。
先生は甘酒がお好きでないようで、、、
「甘酒その物ではなく、副題の甘酒屋は
江戸時代大いに繁盛していたが、現代では
殆ど存在しない、、、、、、
その事よりも甘酒自体が夏の季語である事
が不思議な感じである。夏に飲もうが、冬
に飲もうが好きな時に飲めば良いのでは、、」

全くその通りで、私(ヤギ爺)自身、暑い
時期に甘酒を飲んだことがない。
海水浴に出かけ、体が冷えると、おでんや
ラーメン等を食べた。私の記憶では海の家
に甘酒自体が存在しなかった、、、。
甘酒は、冬の寒い時期にイベント(寒稽古
夜回り等)の場で「温まりなさい」と甘酒
を提供され、、今でもそれは続いている。

俳句を齧る様になり、甘酒が夏の季語と
知り、説明を聞いても馴染めない、、、


今日の1句(俳人の名句)

甘酒屋打出の浜におろしけり    松瀬 青々






尺 蠖

2019-06-18 16:11:30 | 日記
令和元年6月18日(火)

尺蠖虫 : しゃくとり



成虫

シャクガ科の幼虫の総称
身体が細長く、歩くときは頭と尾で調子を取り
屈伸する格好があたかも指で尺を取るのに似ている。
休む時は二対の腹脚で枝葉に掴まり、一直線に
なって、小枝や葉等と区別がつかない様に「擬態」
を示す。
擬態は、或る物の様子に似せ、形、色、紋章、模様
等をそっくり真似をし、他の物に成りきること。
尺蠖虫は擬態をすると、まさに木の枝になりきる。


亦、別称の「土瓶割」とは、枝尺蠖類が木の枝に
静止している時に、小枝そっくりとなり、農夫が
その小枝に土瓶を掛けようとしたところ、枝が
グニャリと曲がり、土瓶を落として割れてしまった。
この逸話から「土瓶割」との名が付いたとの事。



埠頭公園の木の葉に、尺取が居た。葉を揺すると、
尺取が、急ぎ、例のリズミカルな足並みで進む、、
見ていると、いつ迄も飽きることがない、、、。


今日の1句

日日を尺蠖の如働けり    ヤギ爺


※日日 : にちにち、毎日、日ごと


青葉雨

2019-06-17 16:10:48 | 日記
令和元年6月17日(月)

青葉雨 : 青葉時雨


青葉雨は、青葉の時に降る雨であるが
青時雨・青葉時雨はこんな頃雨が上がった後
木の下を通ると葉に溜まっていた雨雫が、
はらはらと落ちてくる様子を言う。


白鳥庭園のほぼ中央、池の畔に茶房「汐入亭」
がある。
青葉、若葉が園内一杯に広がる中、散策の途中
必ず立ち寄る休憩所、、、。
窓際の席に着くと、目の前に「汐入の庭」が
在る。人口の池で、汐の満ち引きによりこの地
の景色が移り変わるのを表現している。

池の底にパイプが張り巡らされ、徐々に水が
池を満たし、やがて砂場を水が洗い、波打つ、、、
水が溜まると噴水が踊り、、水が干き、、、、
池の向こう側に森が在り、雨に濡れた青葉が
とても美しい、、、、。

緑の森は、晴れた日には万緑の勢いが迫り、、
雨がしとしと降る今の季節の緑の美しさは、
何とも心が落ち着き、癒されていく様だ。


散策の途中、ゆっくりと茶(珈琲)を頂く、

珈琲(抹茶)セットには和菓子が付いている。
亦、昼時には軽食(カレー、きしめん等)が
出され、吟行の折りに立ち寄る。
夏場には「かき氷」、冬場には「ぜんざい」
が季節限定で用意されている。


今日の1句

待ち合ひに珈琲啜る青葉雨     ヤギ爺



 

合歓の花

2019-06-16 16:14:53 | 日記
令和元年6月16日(日)

合歓の花 : ねぶの花、ねむり木



合歓はマメ科の落葉高木、10mに達する物もある。
葉は互生し、二回羽状初葉で非常に多くの小葉から
なる。
夜間小葉が閉じて眠る事からこの名がある。
6~7月頃、枝先に10~20個程の花が集まった
頭状花序を房状につけて、薄暮前に開く。

雄蕊の花糸は淡紅色で長く美麗である。
夜になると折り畳んで垂れ下がり、眠った様に見え
るが、目覚めた雄蕊の花は紅刷毛に似て美しい。

合歓の花は「万葉集」に記述されている事から、
8世紀頃には既に知られていた様である。

梅雨に入り、名古屋港に在る埠頭公園の合歓の花
が咲き始めた。 小ぶりだが彼方此方に点在する。

晴れ間に見る合歓の花は、鳥の羽の様に柔らかで
亦、舞扇を一斉に広げ、踊る様に優雅だが、、

雨に濡れ、葉の間に萎れ、落ちて地に張り付いた
様は哀れである、、、、。


今日の1句

雨脚に未だ冷め遣らぬ合歓の花     ヤギ爺