はじめて「八月の濡れた砂」を観たのは18か19の時だった。
映画館は、たぶん文芸地下だっただろう。
衝撃だったな。血が沸き立った。興奮していた。
あの頃は、それがなんだか、わからなかった。
健一郎(村野武範)が退学した学校に現れる。警戒する教師。サッカボールを蹴る健一郎。
ボールがガラスを破る。
浜辺をバイクで疾走する清(広瀬昌助)が見たものは不良学生に車から放り出された早苗の姿だった。全裸になった早苗は海へ。見つめる清。
「何人にやられたんだ」
早苗はあわててやぶれた服を着ようとするがなかなか背のファスナーがあがらない。
「送っていくよ。どこだ」
二人の乗ったバイクが夜明けの街を走る。
テレサ野田が演じる早苗は、出逢いのシーンは無言である。だが無言であるが故に美しい。
そして、あのけだるく、やるせない、ひとつの青春の真実であろうラストシーンに向って
1971、夏の物語ははじまるのです。
あれから35年。色あせてないなぁ。
ラストシーンに、主題歌「八月の濡れた砂」がかぶりエンドロールへ。
あたしの海を真っ赤に染めて
夕日が血潮をながしているの
あの夏の光と影は
どこへいってしまったの
悲しみさえも焼き尽くされた
あたしの夏は明日もつづく
明日、明後日、35年後2006の夏。健一郎と清はどうしているだろうか。
映画館は、たぶん文芸地下だっただろう。
衝撃だったな。血が沸き立った。興奮していた。
あの頃は、それがなんだか、わからなかった。
健一郎(村野武範)が退学した学校に現れる。警戒する教師。サッカボールを蹴る健一郎。
ボールがガラスを破る。
浜辺をバイクで疾走する清(広瀬昌助)が見たものは不良学生に車から放り出された早苗の姿だった。全裸になった早苗は海へ。見つめる清。
「何人にやられたんだ」
早苗はあわててやぶれた服を着ようとするがなかなか背のファスナーがあがらない。
「送っていくよ。どこだ」
二人の乗ったバイクが夜明けの街を走る。
テレサ野田が演じる早苗は、出逢いのシーンは無言である。だが無言であるが故に美しい。
そして、あのけだるく、やるせない、ひとつの青春の真実であろうラストシーンに向って
1971、夏の物語ははじまるのです。
あれから35年。色あせてないなぁ。
ラストシーンに、主題歌「八月の濡れた砂」がかぶりエンドロールへ。
あたしの海を真っ赤に染めて
夕日が血潮をながしているの
あの夏の光と影は
どこへいってしまったの
悲しみさえも焼き尽くされた
あたしの夏は明日もつづく
明日、明後日、35年後2006の夏。健一郎と清はどうしているだろうか。