一番、最近書いた小説は、定年間近の中年サラリーマンの話。
窓際族(若い人は知らないかな?)そのままに、
仕事中、窓の外を見ていたら、
突風のような春風に、ワンピースの裾を煽られて、
まるで、マリリン・モンローのあの場面のようなことが起こるの。
その彼は、ちょっとドキッとするのね。
それから場面は変わって。
「ただいま」と、家に帰るのだけど、
「おかえり」と言ってくれる人はいない。
奥さんは、4年前にガンで亡くなっているの。
で、彼は、仏壇と写真に向かって、「ただいま」って言うの。
そして、その彼の日常を描写するのだけど、
わびしい中年男の一人暮らしだから、
殺伐として、拠り所のない寂しさを、日常で表現するの。
たとえば、ひとりで缶ビールを飲むシーンとか。
でね、彼は思うの。
何度も悔やんだことを。
それはね、奥さんの「胃が痛い」と胃薬ばかり飲んでいたことに対して、
ただ「病院に行ってきたら」と言うだけだったこと。
なぜ、無理やりにでも病院に連れていって、検査させなかったのかと。
もし、もっと早く病院に連れていってれば、
今頃、「おかえり」と、笑顔で迎えてくれていたかもしれない、と、
何度も繰り返し悔やむの。
そんな彼の日常(さしずめ、モノクロの世界)に、
春風で、ワンピースの裾を煽られた彼女の存在が、
カラーの世界に引っ張ってくれる。
という、ストーリー。
要約すれば、こんな内容だけど、
文章にすると、もっと複雑になるのだけどね。
今朝の新聞の死亡広告に、高校の後輩(男性)が出てたの。
私より、2歳年下。
時々、店に来てくれていたのよ。
奥さんと一緒だったり、娘さんと一緒だったり。
ところが、奥さんが亡くなって(ガンで)、
そのあと、すごく辛そうだった。
かける言葉もないくらい。
お菓子を買いに来てくれていたけど、本当は、ただしゃべりたかっただけじゃないかと思うの。
お菓子を選んで、会計って時に、私が、「お金はいいよ。わたしからのプレゼント」と、
何度、言ったかな。
「ありがとう、また来るね」って、笑顔を振り絞っていたのにね。
娘さんにも、「お父さんのこと、頼むね」なんて、言ったっけ。
新聞には「病気療養中・・」と書いてあったから、
体を壊していたのだと、今朝、知りました。
最後に会った時は、そんな話はしていなくて、
娘さんと、お菓子を買いに来てくれたのだけど。
あれが、最後になってしまった。
「また来るね」が、叶わぬ約束になってしまった。
今日、死亡広告を見た時、最近書いた小説を思い出したの。
私が書いた主人公は、カラーの世界に戻るんだけど(恋愛にはならないけど)、
後輩は、戻らなかった。
小説は、夢のようなハッピーエンドもできるけど、
現実は、そうはいかない。
できるなら、すごく現実的なものを書きたいけど、
リアルは、あまりに悲しい。
せめて、物語の中は、小さな光が欲しいよね。
では、明日もキラキラで。
窓際族(若い人は知らないかな?)そのままに、
仕事中、窓の外を見ていたら、
突風のような春風に、ワンピースの裾を煽られて、
まるで、マリリン・モンローのあの場面のようなことが起こるの。
その彼は、ちょっとドキッとするのね。
それから場面は変わって。
「ただいま」と、家に帰るのだけど、
「おかえり」と言ってくれる人はいない。
奥さんは、4年前にガンで亡くなっているの。
で、彼は、仏壇と写真に向かって、「ただいま」って言うの。
そして、その彼の日常を描写するのだけど、
わびしい中年男の一人暮らしだから、
殺伐として、拠り所のない寂しさを、日常で表現するの。
たとえば、ひとりで缶ビールを飲むシーンとか。
でね、彼は思うの。
何度も悔やんだことを。
それはね、奥さんの「胃が痛い」と胃薬ばかり飲んでいたことに対して、
ただ「病院に行ってきたら」と言うだけだったこと。
なぜ、無理やりにでも病院に連れていって、検査させなかったのかと。
もし、もっと早く病院に連れていってれば、
今頃、「おかえり」と、笑顔で迎えてくれていたかもしれない、と、
何度も繰り返し悔やむの。
そんな彼の日常(さしずめ、モノクロの世界)に、
春風で、ワンピースの裾を煽られた彼女の存在が、
カラーの世界に引っ張ってくれる。
という、ストーリー。
要約すれば、こんな内容だけど、
文章にすると、もっと複雑になるのだけどね。
今朝の新聞の死亡広告に、高校の後輩(男性)が出てたの。
私より、2歳年下。
時々、店に来てくれていたのよ。
奥さんと一緒だったり、娘さんと一緒だったり。
ところが、奥さんが亡くなって(ガンで)、
そのあと、すごく辛そうだった。
かける言葉もないくらい。
お菓子を買いに来てくれていたけど、本当は、ただしゃべりたかっただけじゃないかと思うの。
お菓子を選んで、会計って時に、私が、「お金はいいよ。わたしからのプレゼント」と、
何度、言ったかな。
「ありがとう、また来るね」って、笑顔を振り絞っていたのにね。
娘さんにも、「お父さんのこと、頼むね」なんて、言ったっけ。
新聞には「病気療養中・・」と書いてあったから、
体を壊していたのだと、今朝、知りました。
最後に会った時は、そんな話はしていなくて、
娘さんと、お菓子を買いに来てくれたのだけど。
あれが、最後になってしまった。
「また来るね」が、叶わぬ約束になってしまった。
今日、死亡広告を見た時、最近書いた小説を思い出したの。
私が書いた主人公は、カラーの世界に戻るんだけど(恋愛にはならないけど)、
後輩は、戻らなかった。
小説は、夢のようなハッピーエンドもできるけど、
現実は、そうはいかない。
できるなら、すごく現実的なものを書きたいけど、
リアルは、あまりに悲しい。
せめて、物語の中は、小さな光が欲しいよね。
では、明日もキラキラで。