今回も湯巡りではなく、政治の話である。
唯一の「民主的左派政党」と言っても過言ではない「社民党」が、今存亡の危機に立たされている。今年夏の参院選挙で2パーセント又は5名の議員を獲得しなければ政党としての要件を欠くことになり、政党としての「社民党」は国会から消え去ることになる。
かっての輝きを知る者にとっては、昨今の状況は寂しい限りである。所属議員は寄らば大樹の陰へと次々と去り、ついに志ある者が現れることは無かった。衰退の原因は色々あると思うが、以前にも述べた通り最大の要因は国民の「現状志向」であろう。以前左派政党は都市部や若者層に比較的支持者が多く、逆に地方や老年層には少ないといった傾向が見られた。
しかし最近はこれが逆になり、若者層や一般国民の保守化が急速に進んているように思える。特にそれが顕著に表れたのは昨年の総選挙の結果であろう。それがあれ程不祥事や不手際が続いた与党が圧勝し、革新系野党の惨敗に繋がった主因のように思える。
確かに社民党は人材不足であり、また有能で魅力ある人物を引き付けるものも無い。でも地道に努力を続けている党員も多々いると思う。ただ結果が伴わなければ如何ともし難い。現在の衆参各1名の議員では、国会において存在感を示すことは非常に厳しい。ただ救いは僅かかも知れないがコアな支持者がまだおり、党の再生を願っていることを代表は肝に銘じて欲しい。
今後の社民党は奇跡でも起きない限り、過去の輝きを取り戻すことは至難の業であろう。ただ夢物語かも知れないが、有能で魅力ある救世主的人物が登場し、正に消滅しかかっている党を建て直して政権を奪取し、真に国民目線に立つ政治を実行する姿を見たい。最後に私が最も敬愛する人が述べた好きな言葉を記したい。これが民主主義の原点であると思う。
「人民の、人民による、人民のための政治」(エイブラハム・リンカーン)