11月最終週の中学生国語クラスでは、こちらの本を紹介しました。
一生に一度だけ死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。
そして、死者は一度依頼を受けたら、その人以外の誰か別の人から依頼があっても、もう会うことはできません。
「使者(ツナグ)」は、かっこいい部類に入る高校生のような男の子。
彼が、生きる者と死者との再会を叶えていくのですが……
こちらの本は、5つの章から成り立っています。
それぞれ1話ずつ完結するお話なのですが、全ての話が最後につながっていきます。
死者に会いたい依頼主は、突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に本音を話せなかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……そして最後の章で全てのお話が「使者(ツナグ)」を通してつながります。
死とは何なのか、生きるとはどういうことなのか、考えさせられる作品です。
人生で決まっていることは、「生まれて死ぬこと」しかありません。
その間、どう生きていくかはそれぞれの自由であり、毎日の選択がそれぞれの人生を少しずつ、しかし確実に作り上げていっているのだと感じます。
「死」を見つめると、「生」についても考えざるを得なくなります。
読む世代によって感じ方が変わる本だと思いますが、若いうちに一度読んでいただきたい1冊です。
クラスにはこの本を読んだ生徒さんがいましたので、その生徒さんを中心に、内容や続編についてひとしきりみんなで盛り上がりました。
ちなみに、映画化もされています。
にほんブログ村 ←いつも読んでくださりありがとうございます!ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです!