福島第一原子力発電所を中心として、半径20kmの圏内の住民に避難指示が、
同じく30km以内の住民には 屋内退避を呼び掛けている。
政府に従順な国民性故に、どちらも 「命令」 ではなく 「指示」 お願いと
なっているが、実情は そんなに優しい処置でない事は容易に理解できる。
3/16 付けの NHKニュースでは、30km圏外からの立ち
入りを厳しく制限している様子が伺える。
その上、20km圏内の避難指示を出した日から、新たな航空規制を出して同圏内
への航空機による立ち入りが制限され、現在は30km規制へと変更されている
ようだ。
こうして、地面だけでなく空を含めた 半径30kmの結界(シールド)が張られ
ており、それだけに厳しい状況に備えている事が理解できる。
日本の経済や物流、観光や外交などあらゆる面で大きな影響を残しかねない
“臨界”の現場に立つ日本だが、結界が張られた事によって“一大事”への
対処が更に見え難く不透明になるようでは、決して納得できるものでない。
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ようやく、現場での状況がより詳細に分かるようになった。
【 防衛省、自衛隊は当初 200名ほどが現場に 】
政府からの派遣命令を受けて、自衛隊の特殊部隊など200名ほどが現場に
入り、3号機への注水活動などに携わる。
しかし、3号機建屋の爆発事故に巻き込まれ、4名の方が負傷して、内1名の
方が被ばくされて病院へと搬送され、命には別条無いと判断された様子。
しかし、防衛省はこの事故の結果によって、「作業を行なうかどうかを
慎重に判断」との見解を示す。
( 3/15付 NHKニュース より )
( 3/15付 産経ニュース より )
国にとっての“自衛隊”の意義や意味を踏まえた判断を迫りたい。
雪像作りへの貢献は期待しないが、こういう日本の危機の場面に際した
判断が大切である。
こういう“現場”こそ本来の“実戦”現場だと、防衛省のトップだけでなく
国の最高機関は判断すべき時の一つである。
【 厚生労働省の基準緩和によって 181名の方が 】
3/16 厚生労働省の決定により、作業する方の労働基準が緩和されて、東京
電力や関連会社の方々が作業現場により深く関わる事になりました。
しかし、現場での放射能量は爆発事故発生時などに致死量相当の量を計測
している事もあって、作業を担当する方々への負担が一層大きくなる。
臨界の現場に立たず、結界の中にも入らず、指揮をしている人には、
今まで以上に重大な責任が掛かる。
指揮系統の最高責任者は同じ過ちを繰り返す事は今まで以上にしてはなら
ないし、最終的には 事の顛末を事細かく説明する責任を果たすべきだし、
国民は求めなくてはならない。
( 3/16付 産経ニュース より )
【 防衛省、自衛隊でのヘリ作業を断念する 】
福島第一原子力発電所の3号機、使用済み核燃料棒用のプールへの水投下
作業へと臨むが、安全基準を超える環境のために作業を断念する。
防衛省が定めた 自衛隊員の安全基準 ・ ・ 、
日本の臨界の現場での、自衛隊員の安全の意味は、
世界でも トップクラスの防衛費を費やし、国の安全を守るためとして
憲法9条さえはみだし、公海上での交戦の可能性さえ選んだ組織が、
自国の国土の上では ・ ・ ・ ・
( 3/16付 NHKニュースより 防衛省は作業を断念 )
【 警察庁、機動隊を出動させる 】
福島第一原子力発電所の4号機の、使用済み核燃料棒用のプールへの放水
作業に 警察庁の機動隊が出動することに。
ただし、防護服は 自衛隊 から借り受けて行なう事に。
( 3/16付 NHKニュース より 機動隊出動 )
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派遣を要請された米国、原子力関連の専門家を含む部隊を派遣してくれ
るなど協力的だが、その実 この “現場” への警戒感はかなり強い。
実際に、現場から 90km離れた 仙台港への入港を拒否して 新潟港への
入港を選択するほどで、米国だけでなく 世界各国は客観的な立場に
立っての警戒感を隠そうとしていない。
現状のまま解決した場合でも、海外からの日本への出国規制の緩和は
なかなか進まないだろうし、日本からの渡航は場合によっては拒否され
るのは間違いない。
それだけでなく、農産物の輸出はもとより、各種の工業生産物の輸出
さえ “放射能汚染の疑い” によって大きな規制がかかり、現状でも
電力規制などで生産現場の体力が弱っているのに、さらに局面は悪化
する事が容易に想像される。
この様に、震災の画像や被災した人数に気を奪われてしまっている
内に、日本にとっての “臨界” が 目の前で 大きな口を開いている
事をしっかりと自覚して、 真の現場で 日本の危機を食い止めようと
している 人々 に対して、今こそ 私達全員が応援する時なのです。
一緒に見守りつつ、心からの声援を出しましょう!