今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

「ゴリラ」のこと

2009-05-06 | ひとりごと
昨日:5月5日はこどもの日でしたね。今年のGWどこへ行っても混雑をしているだろうが、私たち夫婦は、童心に帰って、神戸の王子動物園に行ってきた。
兎に角、神戸在住の65歳以上の人は入園料無料だし、園内で、子供たちに混ざって一緒にお弁当を食べるのも楽しいからね~(^0^)。
私が、王子動物園へ行ったのは、子供の頃のこと・・。古いことなので何時頃だっか?もう覚えてもいないよ。それが、どうしても、ゴリラを見たくて動物園へ行きたくなったのは、かって、中央アフリカ・ルワンダの山岳地帯で18年間にわたり絶滅の危機に瀕していたマウンテン・ゴリラに限り無い愛情を注ぎ、そのゴリラと共に生活をし、ゴリラ研究とその保護活動に従事した米人女性動物学者ダイアン・フォシーの半生を描いた映画「愛は霧のかなたに」(原題 「Gorillas in the Mist:The Story of Dian Fossy【霧の中のゴリラ:ダイアン・フォッシー物語】」goo-映画参照)を見て感激したことがあり、今年・2009年3月、NHK特番の「ゴリラ先生 ルワンダの森を行く」(再放送)を見て、その映画のことを思い出したからだ。
ルワンダ北部のビルンガ火山の中腹にマウンテンゴリラの生息する森があるが、ゴリラの数は、長く続いた内戦や密猟に圧迫され、減り続け、マウンテンゴリラの絶滅危惧地域として、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに記載されている。
ダイアン・フォシーは実在の人物で、1966年、35歳の時、アフリカに渡り、滅び行くマウンテンゴリラの生態の観察を始めたが、コンゴは内乱が続いており、国外に追われたダイアンは隣国ルワンダで研究を再開する。やがて、密猟者たちとの戦いが始まるが、ゴリラの保護に心を砕く彼女は時として異常なほどに密猟者に制裁を加えた。人間に最も近いといわれるゴリラはそれ程までに彼女を魅了したのだが、ダイアンは、1985年、何ものかに殺害され謎の死を遂げるのだが、この映画はその死後すぐに企画され、3年後の1988年に公開されたものである。
ゴリラ先生"とも呼ばれる山極寿一博士(博士のことは、以下参考に記載の「京都大学人類進化論研究室・メンバー」、また、「INTERVIEW:山極 寿一」参照)は、研究のためにかつてこの森で暮らし、ゴリラに魅せられたという。最近、そのゴリラたちに異変が起きており、何が起こっているのか?を探るために26年ぶりにルワンダの森を訪ねた。山極先生は"ゴリラはある意味では人間に似ている。人間に似ているという意味で猿とは全く似ていない。"といい、ゴリラは、人間を襲う凶暴な動物だと思われているが、実際には、見た目とは異なり、繊細で心優しい動物だということを、先に書いた映画「愛は霧のかなたに」で、シガニー・ウィーバーが演じたダイアン・フォッシーという女性研究者の晩年に教わったらしい。番組の中でその森の中にあるダイアンの墓参をし、彼女はお酒が好きだったらしくその墓に酒を播いていた。そして、昔調査したゴリラたちと26年ぶりに再会を果した山極さんを彼らが覚えている・・・ことにも感動した。ゴリラを保護する為に密猟者との激しい戦いをし、人口が爆発している発展途上国でゴリラの生存域を確保するための提案をするが、フォッシーの過激な保護活動が密猟者の反感を買い、かえって、ゴリラの虐殺につながり、彼女自身も反感をもった密猟者により殺害されたのだろうといわれている。
しかし、ダイアン・フォシーが率いる「マウンテンゴリラ・プロジェクト」では、ルワンダにゴリラ・ツーリズムを導入し、ゴリラを守ることが経済的に利益となることを人々に教えた。公園の保護、観光開発、環境保護教育に重点を置くこのプログラムは大きな成果を上げ、ゴリラ・ツーリズムはルワンダで第3位の外貨獲得源となったという。そして、密猟は減り、ゴリラの数は回復し始めているそうだが、反面、新たな問題が発生。それは、ゴリラは皮膚病、はしか、腸内寄生虫など、人間の疾患にかかりやすい動物で、人間の近くで過ごす時間が長くなると、感染の危険性が高まるのだという(詳しくは、以下参考に記載の「国連の活動」を参照照)。このような自然や動物の保護とその地域に住む人達の生活・利害の双方を調整し維持・保護してゆく難しさを考えさせられるよね~。
ゴリラは、アフリカ大陸の赤道直下の樹林に生息しているが、生息域は東西に2分されているそうで、西側の生息域であるコンゴ、ガボン、カメルーン、中央アフリカ共和国、赤道ギニア、ナイジェリアには、ニシローランドゴリラが生息しており、東側の生息域であるコンゴ民主共和国東部、ウガンダ、ルワンダ、コンゴ民主共和国には、ヒガシローランドゴリラと、マウンテンゴリラが生息しているという。オスは、若いうちは背中も含めた全身の毛が黒いのでブラックバックと呼ばれるが、成獣になると背中の毛が白銀色になることからシルバーバックと呼ばれる。平均的な寿命は40歳前後といわれているがその実態は、よく分からないそうだ。ゴリラやチンパンジーなどの類人猿や、野象にかぎって、死んだ時の死体をみせないことが知られているが、どこか到底人間には行けない密林の奥にでも、彼らの死場所があるらしい。そのことを書いたものに、小栗 虫太郎 の「人外魔境」がある。青空文庫で読めるので興味があれば見られると良い⇒ここ
ゴリラの出産は4~5年に一度であり、なかなか繁殖はしにくいようだ。日本国内で見られる本種は全てニシローランドゴリラ であり、全体的に高齢化が見られ、飼育個体数の減少が続いており、ペア飼育がほとんどだったため、繁殖例は9例。2007年現在、生きている繁殖個体は4頭だという。IUCNは世界中の絶滅のおそれがある動植物を「レッドリスト」にリストアップしており、その中にゴリラも含まれている。
王子公園にはオス・ヤマト(26歳)とメス・サクラ(25歳)の2頭のニシローランドゴリラがいる。冒頭に貼付のゴリラは、オスのヤマト。私たちが動物園で見ているとき、オスのヤマトがメスのサクラに近づき人間のように額にチューのようなことをしているところを見たが、メスのサクラが相手にせず、すぐ、離れていったので、チューの場面を写真に撮れなかったのが残念である。早く恋を実らせないと平均寿命まで15年ほど。ヤマト君頑張ってよ・・・。
王子動物園のゴリラのことは⇒ここ
王子動物園のゴリラの迫力のある動画は ここ⇒YouTube - 王子動物園 ゴリラ
又、ゴリラに興味のある人は、写真家のブレント・スタートンとコラムニストのマーク・ジェンキンスが、コンゴ民主共和国のビルンガ国立公園で起きたゴリラ殺害事件の真相にせまる映像と説明が以下で見られる。興味のある人は、一度、以下を見てください。
ビデオ:ゴリラ殺害事件の真相 :ATIONAL GEOORAPHIC(ナショナル・ジオグラフィック)
説明文⇒ http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0807/feature02/index.shtml
画像 ⇒  http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0807/feature02/movie/index.shtml
(冒頭貼付の画像は、神戸・王子動物園のオスのゴリラヤマト君)
参考:
ゴリラ-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%A9
神戸市立王子動物園ホームページ
http://www.ojizoo.jp/
愛は霧のかなたに - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD135/
愛は霧のかなたに
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/GORILLAS%20IN%20THE%20MIST.htm
asahi.com(朝日新聞社):戦乱コンゴ マウンテンゴリラ、たくましく増加
http://www.asahi.com/science/update/0319/TKY200903190332.html
京都大学人類進化論研究室・メンバー
http://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/members/member.html
INTERVIEW:山極 寿一
http://www.petitspoissons.com/ped/Int-35JA.html
国連の活動
http://www.unic.or.jp/unworks/animalplanet/gorilla.html
ゴリラのコーナー
http://www.ceres.dti.ne.jp/~batta/gorillalink.html
NATIONAL GEOORAPHIC(ナショナル・ジオグラフィック)
http://www.nationalgeographic.co.jp/
NATIONAL GEOORAPHIC(ナショナル・ジオグラフィック)
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/index.shtml
写真少年漂流記:諸国見聞:コンゴ反政府勢力がマウンテンゴリラ保護区域を制圧
http://fstop.exblog.jp/i14/
作家別作品リスト:No.125(青空文庫) 作家名: 小栗 虫太郎
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person125.html#sakuhin_list_2
そこに魂はあるのか?: 「ゴリラ先生 ルワンダの森を行く
http://soko-tama.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-83da.html