今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ベッドの日(good sleep day)

2009-09-03 | 記念日
日本記念日協会の今日の記念日を見ると、9月3日は、ベッドの日(good sleep day)だそうだ。
ベッドによる心地良い睡眠を広くアピールすることを目的に全日本ベッド工業会が制定。グッドスリープはグッスリ。その語呂合わせで9月3日を記念日としたもの。またこれから秋の夜長を迎えるので、ふさわしい日付ともいえる。・・・とあった。
ベッド(英語: bed)は、人が睡眠をとるための家具であり、日本語では寝台、ねだい、ねどこなどと呼ばれる。
ベッドの発生以前の人類は、洞窟や崖下の窪地などで生活をし、寝る際の寒さを防ぎ、また寝床には獣の革などを敷き、それにくるまって寝ていた。
歴史上最も初めにベッドが認められるのはBC3200年頃の古代エジプトで、当時の埋葬品や壁画を見るとその頃既に現在のベッドの形態の原形とも言えるものが発生していたことが分かるそうだが、ベッドの特徴はヘッドボード(ベッドの頭部側についている飾り板)がなくフットボードのみを有していたそうだ。そして、枕はまだ使用されておらずヘッドレスト(headrest。自動車の座席の背もたれの上に付いているような頭部を保護する枕。)が使われており、マットレスのかわりには、まだ動物の革や畳んだ衣類を用いていたようだ。
その後、古代エジプト文明に続くメソポタミア文明の時代には、まだエジプト期のものを踏襲していたようだが、この時代になって初めて枕の発生により枕止めの必要からヘッドボードが発生したようだ。また、この時代のベッドは、昼間は長椅子として兼用されることが多かったようで、マットレスとしては藁や羽毛などを詰め込んだ袋状のものを使っていた。その後、古代ローマ時代に入ると、後のベッドルームの前身ともいうべきものが作られたり、天蓋がつけられたりするようになり、15世紀頃になると、独立したベッドルームも作られるようになるが、ベッドそのものは、余り変化はなかったようだが、18世紀に入るとそれまでのマットレスが大きく進歩し、それまでただ袋の中に藁や綿などを入れていたものから、鳥の羽や獣の毛を詰めたコンパクトなものに変化し、19世紀に入って、科学の進歩と共に金属製のベッドが大きなブームになり大量生産されるようになるなど主にボトムの進歩に大きな影響を与える。しかし、今世紀に入って最も特筆すべき出来事は、1920(大正9)年に出現した「インナースプリングマットレス」の出現であり、この出現により、ダブルクッションタイプのベッドの考案がなされ一つのベッドスタイルが確立されたようだ。
日本でも、吉野ケ里遺跡などには弥生時代期後半の竪穴住居が復元されており、室内の壁際には寝床と考えられる一段高いベット状遺構とよばれる段も残っており、これが復元されている(以下参考に記載の※1:古代史・吉野ケ里遺跡参照)。このことから、当時の弥生人が大陸や朝鮮半島から渡来してきたことを裏付けるものと考えられている。
正倉院には聖武天皇のベッドが保存されており、かなり早い段階から皇族や貴族、高級官僚などの間で使用されていた。しかし平安時代にの出現と共に居住空間の様式が変化し廃れた。又、一般には当初から広まらなかったことは、以前にこのブログ4月29日「畳の日」で書いた。
明治以降、欧米式の生活様式が広まると共に再度ベッドが伝わるが、畳の上で寝る形式が普通であった日本に於いては余り広がらず、軍隊や病院等、特殊な生活環境を要求される際に使用する物(あるいは金持ちのステータス)の意味合いが強かった。
しかし、第二次世界大戦後の昭和30年代に始まった高度成長時のわずか10年ほどで、欧米式のライフスタイル(lifestyle)へ急激に変化すると共に、大衆の生活様式も欧米化に準じてベッドも普及していった。そして、横文字文化の浸透した戦後世代からは、「寝台」も「ベッド」と呼ぶ人が多くを占めるようになった。
私も、昭和30年代末に大阪の会社から東京の会社へ転職し一時、会社の独身寮でベッド生活をするようになってから、私のような飲兵衛で毎夜のように飲み歩いている人間は夜遅く帰ってきて従来の蒲団での生活のように、蒲団の上げ下げをしなくて済むベッド生活はこの上なく都合がよく、その便利さに馴れて以降、神戸の自宅へ帰ってからの生活も、そして、結婚後も、ずっとベッド生活をしている。
ただ、家人は、ベッドの揺れなどに対しても非常に過敏なところがあり、ダブルベッドだと、私が寝返りなどをうっただけでも、その揺れを感じて目が覚めるタイプなので、ツインのベッドを設置しているが、私が、昔から愛用をしているフランスベッドなどをツインで置くと、12畳くらいの部屋もただの寝室専用となってしまっている。これは、幸いにもボロ家ではあっても、我が家にスペース的なゆとりがあったから、このような無駄なスペースを使って快適にベッド生活が出来ているわけで、日本の住宅事情や狭い生活空間ではなかなかツインベッドを設置できるところは少ないかも知れない。
人生の3分の1は、眠りの世界だとも言われており、明日への活力を養うには、何よりも充分な栄養と共に十分な睡眠をとることが重要である。夜の眠りは休養とか疲労の回復だけではなく、食べた物を消化吸収して、からだの血と肉にしていくという大きな役割も果たしているといわれている。それに、又、疲労には、大きく分けて、肉体的なものと精神的なものとの二つがあり、この両方の疲労を眠ることによって取り除かなければいけないが、兎に角、充分な睡眠をとる事が、精神的にも、肉体的にも大きな意味を持ち、それが日常の快適な生活のベースとなることを考えると、ベッドを使用するか否かは別にして、健康を維持するための快適な睡眠環境及び生活空間を確保することは、非常に大切なことだろう。
昔から日本人が慣れ親しんできた畳の上に蒲団を敷いて寝る方法は、蒲団の上げ下げの煩わしささえ考慮すれば、畳と蒲団の適度の固さなどから、健康面を考えても丁度良い生活の道具であり習慣であったといえるだろう。蒲団の代わりにベッドを使う場合にも、ベッドの品質、特にクッション性は、重要になってくる。ベッドは、寝る人の体重や身長、寝癖などによって、微妙に変化する様に設計されているものだという。だから、購入する時は、必ず寝て試してみる必要がある。寝た場合、広くからだ全体に体重が分散するので、その時肌で感じた、適度な堅さのマットレスを選ぶ必要があるからだという。
私が現在使用しているベッドはもう、相当古いが、これは、専門店で、そのクッション性の良さを推奨され、実際にその上に寝て弾力性を確認してから買ったものであるが、当時としては、結構高価なものであったが、未だにその弾力性に変化もなく、使用上の問題は何もないことから、こんなに便利に長く使えれば、今となっては安い買物だったと思っている。睡眠をとるための道具としては、ベッドと共に、自分に合った枕を選ぶこともとっても大切である。私も、枕の専門店・枕工房ロフティーで、自分の体系や頭の形などに合うようオーダーし、調整をしてもらったものを使用しているが、これも高くはついたが非常に寝やすいので良かったと思っている。それと、ベッドパットや寝具、など、こまめに乾燥をさせることなどにも気をつけているのだが、ただ、夜に1~2度目覚めて用を足したくなるのはこれはもう年齢のせいだろうか・・・(×_×)。ただ、自分に必要な睡眠量は充分にとれているようで、睡眠不足による精神的、肉体的な問題は何も感じていない。
私は、今では、寝床についた途端に睡眠できるタイプなのだが、家人は、どうしても寝るまでに時間がかかるようだ。医者から睡眠促進剤なども貰って服用しているのだが、どうしても、寝つきが悪く、それに、しょっちゅう夢を見ているようだ。浅い睡眠が多いのだろうか・・・?。私も、昔は、寝つきの悪い頃があった。これは、色々呼吸法などを自分なりに勉強したが、それが良かったのかどうかは知らないが、長い年月の中でいつしか自然とスムーズに眠れるようになった。そのころから、も殆ど見なくなったが、家人は、よく夢を見る。夢を見ている睡眠は脳は起きているが体は休んでいるという状態だという(レム睡眠参照)。逆に夢を見ていない睡眠は脳が休んでいる状態だそうだ。だから、どちらの睡眠も人間には必要で、どちらも正常の眠りには違いないそうだ。だから、夢を見るからと言って、心配する必要もないのだろうが、本人は、気にしている。しかし、夢は、私たちには理解できないような内容のものを見るものだ。家人は、何時も、夢の内容を今見たようによく覚えており、朝起きると、何時も夢の内容を説明をしてくれるのだが、本人自身が、何故そんな夢を見たのかと不思議がっている。
夢とは睡眠中に起こる、知覚現象を通して現実ではない仮想的な体験を体感する現象をさすというが、夏目漱石小品に『夢十夜』というものがある。「こんな夢を見た」で書き出される、十夜の夢の物語であるが、この作品は以下参考に記載の※2:「青空文庫・夏目漱石/ 夢十夜」で読むことが出来る。夢の話なので、すべてがメタファ(metaphor。隠喩)のような、不可解、あるいは荒唐無稽な話ばかりであるが、漱石が見た夢を忠実に書きとめたものではないだろう。しかし、「夢」という実体の無いものを表現しようとして書かれたこの連作には、何か妙にリアリティがあり、読むほどに不安定で、滑稽なものですら、どこか夢から覚めた時と同じような、かすかな恐怖感と不安感をかき立てられる不思議な作品である。この作品は、漱石の深層心理が表されているとも言われるが、漱石が本当にみた夢なのか、夢を意識した創作か、またその両方かは心理学者の間などでよく議論されるところだそうであるが、基本的には意識的に夢を描いた作品であり、作品の端々にでてくる印象的な描写やものには、なんらかの意味が込められているのにはちがいないであろう。
それをどう読むか?
9月となり、暦(太陽暦)の上では秋とは言え、まだまだ、夏の暑さが残り、今日この頃であるが、夜も長くなり、月や星を賞でたり、読書にいそしんだりしたくなる季節とはなった。
シェークスピアの『夏の夜の夢』ではないが、漱石の夢か現実化分らないような「夢」のお話、以下参考に記載の※3:「夏目漱石を読む」や、※4:「夏目漱石の『夢十夜』を分析する」 など参考にしながら、読むと又、違った面白さが味わえるかも・・・。ベッドで寝転んで読める程度の短文なので読書の秋の1冊に加えると良いのでは・・・。
ベッドの話から変な夢の話に脱線してしまったが、良い睡眠をとるための「Good Sleep」については、以下参考に記載のフランスベッド㈱HPの安眠専科などに詳しく書いてあるのでそこを参考にされると良いだろう。
(画像は、シンプルなベッド)
参考:
※1:古代史・吉野ケ里遺跡
http://www.iokikai.or.jp/kodai.yosinogari.html
※2:青空文庫・夏目漱石/ 夢十夜
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/799_14972.html
※3:「夏目漱石を読む」
http://www.cek.ne.jp/~myuzawa/souseki/souseki.htm
※4:夏目漱石の『夢十夜』を分析する
http://homepage2.nifty.com/LUCKY-DRAGON/kakurega-6dream10.htm  
http://www.iokikai.or.jp/kodai.yosinogari.html
4月29日「畳の日」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/2162f57722cb833e4ab0ddc77ee95114
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
ベッド - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%89
メソポタミア - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%9D%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%82%A2
Category:弥生時代 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E5%BC%A5%E7%94%9F%E6%99%82%E4%BB%A3
高度経済成長 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%BA%A6%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%88%90%E9%95%B7
呼吸法 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%BC%E5%90%B8%E6%B3%95
夢十夜 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E5%8D%81%E5%A4%9C
夢 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2
メタファー – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%A0%E5%96%A9
夏の夜の夢- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%8F%E3%81%AE%E5%A4%9C%E3%81%AE%E5%A4%A2
フランスベッド㈱ホームページ
http://www.francebed.co.jp/
ロフテーホームページ
http://www.lofty.co.jp/
エピソード日本史/文明開化Ⅰ
http://www.eonet.ne.jp/~chushingura/p_nihonsi/episodo/151_200/176_01.htm
[ベッドの歴史]布団用語集【西川寝具専門店】
http://www.41210.jp/bed/2005/09/post_57.html
全日本ベッド工業会
http://www.zennihon-bed.jp/
安眠快眠ネット
http://anmin-kaimin.net/
頭痛大学:白隠禅師の「内観法」
http://homepage2.nifty.com/uoh/hosp/22hakuin.htm