今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

クータ・バインディングの日

2009-09-08 | 記念日
09月08日クータ・バインディングの日
日本記念日協会で9月8日の記念日を見ると「クータ・バインディングの日 」と言うのがあった。
余り耳にしたことが無いので、何だろうと、記念日の由来を見ると以下のように書いてあった。
”手で押さえなくても閉じない製本のユニバーサルデザイン「クータ・バインディング」。この製法を開発した長野県長野市に本社を置く株式会社渋谷文泉閣(以下参考の※:1)がその普及を目的に制定。「クータ・バインディング」は開いたページをほぼ平行に保つことができるため、教科書や説明書など幅広い用途に使える製本の方法として注目を集めている。日付は読書シーズンの秋と、9と8で「クータ」と「バインディング」の頭文字の語呂合わせから。”・・・とあった。
最近、日本記念日協会に登録の記念日にもこの手の、企業の宣伝的な記念日が増えたね~。最も、今日のこといろいろと・・・ブログを書いているものには、ネタ切れになるので、そのような足しにはなるの悪いことでもないが・・・。
私も現役時代、仕事などの関係で、レポートなどを作成するときに同時に色々な参考書を広げて、読み比べながら、自分の案をまとめていくことがよくあったが、このような作業をしながら本を見るとき、読んでいる本の開いたページが自然に閉じてしまい、イライラした経験があるので、開いたページが閉じなければ便利であることにはちがいない。そこで、どんなものか、 早速、渋谷文泉閣のHPを覗いて見た。同社のHPのクータ・バインディングとは?で、「クータ・バインディング」の説明が、あるので、興味のある人は見られると良い。動画形式で詳しい説明もある。
”この「クータ・バインディング」(冒頭の画像参照)というものはこの本の製本方法をいうようで、本の背の部分に筒状の紙(クータ)を貼り、背表紙と表表紙(裏表紙)の間に折り目をつけ、本を開くと背表紙と本体の間に空洞ができ、開いたページをほぼ平行に保つ事のできる構造となっているようで、開発のきっかけとなったのは、肢体の不自由な友人からの「手で押さえなくても閉じない読みやすい本が欲しい」という要望から。”・・だそうだ。確かに、肢体の不自由な人や、あれこれ同時に色んな参考書を見ながら仕事や勉強をしている人には良いだろうが、今の私など、普通に本を読むときには、特別このような本である必要性は特別に感じないね~。
四季の1つ「」は、二十四節気に基づく節切りでは立秋(8月7日ごろ)から立冬(11月7日)の前日まで を言うが、社会通念・気象学上は9月・10月・11月 。又、 天文学上は秋分(9月23日ごろ)から冬至までを言っている。
今の時期、9月上旬頃までは夏の残暑が残り、まだまだ真夏日や熱帯夜も残るが、中旬頃になると気温も湿度もぐっと下がりはじめ秋らしくなる。秋は涼やかな季節であるため、レジャーや小旅行を行う者が多い季節であり、学校などでは文化祭や運動会といった行事が盛んに行われているなど人々の活動が一年の内で最も活発な時期となる。
そして、秋は穀物や多くの果物が実る季節でもあり、これらの収穫の季節であることから「食欲の秋」とか「天高く馬肥ゆる秋」などと言われるが、又、「学問の秋」「灯火親しむ秋」などとも呼ばれている。読書は秋に限らず、一年中出来るが、何と言っても秋は四季の中でも読書をするのに最もふさわしい時節である。
「四季の歌」と言うのがあるよね。私たちがまだ若い昭和30年代の頃、歌声喫茶というものが流行っていて、リーダーに従って店で配られた小さな小冊子(歌集)を見ながら、喫茶店への参加者が一緒になって歌っっていたが、その中で、この歌などは最もよく歌われた曲のひとつであった。
四季の歌―MIDI
http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mu_title/shikino_uta.htm
この四季の歌は、荒木とよひさ作詞・作曲による曲であり、昭和30年代末ごろにはすでに歌われていたが、芹洋子の歌によって大ヒットした。
春を愛する人は 心清き人
  すみれの 花のような
  僕の友だち
上記1番の詩に始まる四季それぞれを、自然現象などで比喩し、人の性格や身近な人を表現した内容の曲である。この曲は、多くの歌手に歌われ、普通は、春・夏・秋・冬の4番までが歌われることが多いが、実際には5番の歌詞が存在するのだが、ほとんどの場合、5番に当たるところは、ラララ・・・で表現することが多い。
5番の歌詞は♪春夏秋冬愛して 僕らは生きている 太陽の光浴びて 明日の世界へ♪・・だったと思うが、まあ、春夏秋冬を歌ってここのところは無くてもラララ・・・だけで良いだろう。
この曲の3番の秋の場面の詩は以下の通りである。
秋を愛する人は 心深き人
  愛を語る ハイネのような
  僕の恋人
このような詩などで歌われる場合、秋はやはり、「恋」とか「愛」が多くなるね。爽やかなしんみりとした秋になると女性はどうもセンチになるらしいから・・・。
「愛を語る ハイネ」・・・とは、多数の芸術家と交流を持ち、若き日のマルクスとも親交があったというドイツの詩人ハインリヒ・ハイネであり、彼は若い頃商人を目指していた時、ハンブルクで叔父の別荘に住んでいたが、叔父の娘アマーリエに恋心を抱き、このときの失恋体験がのちの恋愛抒情詩の出発点となったという。彼の詩は、多くの作曲家に採り上げられ歌曲になっているが、有名なものに「歌の翼に」や「ローレライ」などがある。この2曲は以下参考に記載の※2:「世界の民謡・童謡」の中のドイツ歌曲の中に掲載されており、歌の説明と共に、素晴らしい曲が聴けるので、聞きたい人は、後で、ゆっくり聞かれるとよい。
ローレライ Die Lorelei ⇒ここ。 歌の翼に Auf Flügeln des Gesanges ⇒ここ
なじかはしらねど 心わびて
  昔のつたえ(伝説)は そぞろ身にしむ
  さびしく暮れ行く ラインの流れ
  入り日に山々 あかく映ゆる  

  うるわしおとめの 巌(いわ)に立ちて
  黄金の櫛とり 髪のみだれを
  と(梳)きつつ口ずさむ 歌の声の 
  くすしき(神怪)ちから(魔力)に 魂(たま)も迷う
原文:Ich weiss nicht was soll es bedeuten(「何がそうさせるのかはわからないが」という意味)の始まるこの「ローレライ」(Loreley)の歌(以下参考の※3:「フィーリ」の中のMusicの中にローレライのドイツ語歌詞の解説がある)は、誰もが学校で歌ったことがあると思うが、この歌に伝わっている物語にはいくつかの形があるそうだが、ローレライの “lore” は女性の名で水の妖精、“ley” はライン地方の方言で岩のことで、「妖精の岩」 を意味し、「ローレライ」 とは、その岩山をしめすと同時に、この岩の妖精、あるいはセイレーンの一種でもあり、ここの大きな岩がある場所はライン川でも難所として知られ、たくさんの船乗りが命を落としたという。その理由が、この妖精の甘い声に船乗りたちが我を忘れたからだ、という伝説によるものだそうだ(ローレライ伝説参照)。
秋と言えば、「三秋の思い」と言う言葉がある。思慕の情の切なることのたとえであり、「一日三秋」ともいう。三秋とは、旧暦7、8、9の秋3か月の称、また3年の称とも。1日会わなければ三秋も会わないように思うとの意であるが、これを、「一日千秋」ともいう、この場合の「千秋」は1000年をいい、一日が千年にも感じるほど待ち遠しかったという意味。『詩経』「王風采葛篇(さいかつへん)」に、「彼の簫(しょう)を采(と)る(恋をするの意)、一日見ざれば三秋の如(ごと)し」から出た語とか(Yahoo!百科事典。また、以下の参考の※4:「詩経 王風 采葛 碇豊長の詩詞 漢詩 Shijing」参照)。
司馬遼太郎による小説『項羽と劉邦』でもとりあげられよく知られている末の武将・項羽には虞と言う愛人がいたそうだ。彼女は、項羽が劉邦に敗れて垓下に追い詰められた時に、死を覚悟した項羽が詠った垓下の歌に合わせて舞った後に自刃したという。彼女を葬った墓に翌夏ヒナゲシの花が赤く咲いたという伝説から、この花はグビジンソウ(虞美人草)と呼ばれるようになったそうだ。しかし、この虞美人の自刃云々については、女性の貞操がとやかく言われるようになった北宋代からであり、『史記』、『漢書』ではそのような記述は無いという。しかし、町を歩けばよく見られる ポピーが虞美人草と呼ばれるヒナゲシと同じ花と気づいたのは私も最近のことである。
夏目漱石の小説に『虞美人草』がある。この小説は以下参考の※5:作家別作品リスト:夏目 漱石【青空文庫】で読める。項羽の愛人である虞美人を描いた物語ではないが、意識はして書いたものだろう。
漱石の小説では、才女であるがエジプトの女王クレオパトラのように我が強く、我が儘で当世風な甲野藤尾という女性(彼女には宗近一という婚約者がいる)は、この小説の男主人公である優柔不断であるが、ちょっぴりロマンチストなエリート文学者である小野清三に恋をして、結婚しようとするが、彼が不遇の時代に世話になった恩師の娘でじっと待っているだけのような伝統的な女性井上小夜子と小野をとりあう羽目になる。小野も藤尾との結婚を希望していたのだが、結局は、「道義」の名の下に宗近などから説得された小野は小夜子を選び、その結果藤尾は憤死してしまう。北を枕に寝る藤尾の枕元に逆に立てた二枚折の銀屏に描かれている花は虞美人草である。
今の時代は、情報通信技術の発達により、多くの人々は、色々な情報をテレビやインターネットを通して得ている。テレビは殆ど全家庭にあるし、また多くの家庭がパソコンを所有しており、色々な情報を素早くネットを通して得ることが出来る。一昔前は、何かわからないことがあったなら、分厚い百科事典などを開いて調べていたことも、現在ではインターネットで調べることが出来る。私もネット上のいろいろな情報を参考にさせてもらって、このブログを書いている。そして、有り難いことにネット上には、「青空文庫」という無料の電子書籍サービスなどがあり、明治から大正に書かれた著作権切れの日本の文学作品が好きなときにいつでも読めて非常に便利である。青空文庫でこの漱石の小説などを読む時は、紙で印刷された普通の本のようにページをめくる必要はない。マウスでページをスクロールすれば読めるので便利だな~。
これからの秋の夜長に、紙の本も良いが、明治・大正の文学作品に親しむのも良いのではないか。それに、先にも紹介した、素敵な音楽を聴くのも良いだろうな~。
(画像は、クータ・バインディング。渋谷文泉閣HPより)
参考:
※1:渋谷文泉閣HP
http://www.bunsenkaku.co.jp/
※2:世界の民謡・童謡
http://worldfolksong.com/
※3:フィーリ
http://www.geocities.jp/lune_monogatari/
※4:詩経 王風 采葛 碇豊長の詩詞 漢詩 Shijing
http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/shi4_08/gushi55.htm
※5:作家別作品リスト:夏目 漱石
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person148.html
日本記念日協会HP
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
社団法人 読書推進運動協議会
http://www.dokusyo.or.jp/
秋 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B
ハインリヒ・ハイネ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%8D
ローレライ伝説 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%A9%E3%82%A4%E4%BC%9D%E8%AA%AC
夏目漱石 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%8F%E7%9B%AE%E6%BC%B1%E7%9F%B3
愛と革命の詩人・ハイネ(その一)
http://www.k3.dion.ne.jp/~kawakami/sihonronkankei/bungakunoiti/05.htm
二人静 (ふたりしずか)
http://www.hana300.com/futari.html