今朝6時20分過ぎ頃起きて2階の自分の部屋の窓を明け東南の空を見上げると、見事な朝焼けであった。見ている間にどんどんと色が変わっていく。あまりに綺麗ので慌てて写真を撮ろうと思うと、こんなときに限って、デジカメの電池が切れている。そのまた、予備電池がいつも置いてあるところに見当たらないので、とりあえず家人の使っているデジカメの電池を抜き取りそれを使ったが、もたもたしている間に10分以上経過しときには最初に見たときとは大分変化していたが、冒頭に掲載の画像が6寺30分~35分頃のものである。
時間 の流れの中におけるある一点(時点)を時刻 (じこく)と言うが、日本では、江戸時代の時間区分法は現代の定時法と異なり、日の出と日の入(または夜明けと日暮れ)の間をそれぞれ6等分する不定時法が使われていた。しかし、日本でも、当初は、中国の1日を12等分する定時法が導入されていたようで、不定時法が用いられるようになったのは室町時代ごろからだといい、天文や暦法で使う時法としては一貫して定時法であったようだ(Wikipedia)。
江戸時代に使われていた定時法どんなものかは、以下参考の※:「江戸で遊ぼう???」の江戸の時のところに説明はないが図示したものがあるのでそこを見られると良い。
『不定時法』は、太陽の動きに合わせて時刻を決める方法であり、季節によって時間の長さが異なるなど今の世の中のように時間時間で追われた生活をしている者には適さないが、自然の法則に従ってと生活をしていた時代の日本人には非常に適したものであったろう。今日は明け方の東の朝焼けの空の話であり時刻のことを書くつもりではないので、時刻のことはこれまでにする。
日の出(ひので)とは、“朝日が東の空に昇り出ることまたその時。天文学的には“太陽の上縁が地平線にくる瞬間”と定義されている。
つまり、太陽が地平線より上に昇る前から大気中の塵による光の散乱により空に薄明かりが射し始める。星が見え暗さが残る段階までを「明け方」、日の出前でも十分に空が明るい段階を「夜明け」として区別したりするが、日本語では、「明け方」から「夜明け」の頃を表す言葉がいくつかあるが、古語に東雲(しののめ)と言う美しい言葉がある。これは “一説に「め」は原始的住居の明かり取りの役目を果たしていた網代様(あじろよう)の粗い網目のことで、篠竹を材料にとして作られた「め」が「篠の目」と呼ばれた。これが、明かり取りそのものの意になり、転じて夜明けの薄明かり、さらに夜明けそのものの意になった。東の空がわずかに明るくなる頃。あけがた。あかつき。また東の空にたなびく雲”(広辞苑)をいうそうだ。つまり、闇から光へと移行する夜明け前に茜色にそまる東の空を意味しており、 本来は夜半すぎから夜が明けるまでの間を「あかつき」(暁)、「しののめ」(東雲)、「あけぼの」(曙)空がほのかに明るくなった頃が「朝朗(あさぼらけ)」と細かく区分していた。
「東の空がわずかに明るくなる頃」・・としては、古今和歌集恋の歌637に、「東雲のほがらかと明け行けば己が衣着ぬなるぞ悲しき」(読人知らず)がある。
これは、“東の空が白み、ほのぼのと明けてきたので、それぞれの衣を着て別れることが悲しいことであるよ”といった意で、 当時は通い婚で、男性は夜一緒に寝て、朝が明ける前に自分の家に帰っていた。そして同衾(どうきん=一つの寝具の中に一緒に寝ること。特に、男女が特別な関係を持つこと。ともね。)の際に、二人の着物を重ねて掛けていた。そういった風習から「後朝(きぬぎぬ=衣着ぬ)の別れ」という言葉が出来たようだ。日本語の柔らかさとともに、ほのかな情感が伝わってくる言葉である。
「暁(あかつき)」は、“昔は夜をを3つに分けた第3番目「宵」「夜中」の次が「暁」で、古くは、暗いうち、夜が明けようとするとき”をいった。古今和歌集恋の歌625には「有明の つれなく見えし 別れより 暁(あかつき)ばかり 憂きものはなし」(壬生忠岑)がある。平安時代以前は「あかとき」といっていた。
「曙(あけぼの)」は、夜明けの空が明るんできた時。夜がほのぼのと明け始める頃。あさぼらけ。”をいう。枕草子第1弾に出てくる「春はあけぼの(曙)」の言葉が有名(以下参考の※「古典に親しむ:枕草子」参照)であるが、これ以降、春の明け方をいうようになったようだ。
「朝朗(あさぼらけ)」は、朝がほんのりとあけてくる頃。を言う。「あけぼの」、「しののめ」とおなじ。古今和歌集冬332に「朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪」(坂上是則)の有名な歌がある。「有明けの月」は夜明けにまだ空に残る月。月の出のおそい陰暦の廿日前後の月をいい、歌の意味は「ほのぼのと夜が明けるころ明け方の月の光かと思うほどに吉野の里に降り積もった白雪であることよ」といったところか。
明け方は他に黎明(れいめい)や彼誰時(かわたれどき)などがある。
以下参考に記載の※:「昼の長さ夜の長さはなぜ変わるの?」によると、神戸の2009年11月24日・今日の日の出時刻は6寺42分と言うことだが、「朝朗」は主に和歌に用いられ、秋冬と結びつけて使われることが多いようなので、今朝私が見た東の空の朝焼けなどは「朝朗」と言うことだろうか。
今頃の朝方の東の空は5分、10分単位で景色が変わる。ちょっと朝早く起きて、中世の歌など思い浮かべながら一時を過ごすのも良いと思うよ・・・。古今和歌集の恋の歌などは以下参考の※:「古今和歌集の部屋」を参照されると良い。詳しく解説されているよ。
また、マラルメ、ヴェルレーヌと共にフランス象徴派・三大詩人の一人とされるランボー(以下参考の※:Yahoo!百科事典参照)が1886年に発表した詩集『イリュミナシヨン』の中の詩の” Aube” は「曙」「黎明」「暁」とも訳されており、ランボーの詩の中でも特に美しい詩として知られているようだが、夜明けと恋は関係が深いんだな~。興味のある人は以下参考の※:「夜明け/アルチュール・ランボー「イリュミナスィオン」 門司邦雄による翻訳・解読」を見られると良い。
(画像は2009年11月24日明け方の東の空)
参考:
※:江戸で遊ぼう???
http://www.k3.dion.ne.jp/~edo-cad/koyomihyoushi.html
※古典に親しむ:枕草子
http://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/makuranosousi.htm
※:昼の長さ夜の長さはなぜ変わるの?
http://www.saga-ed.jp/workshop/edq01460/
※:古今和歌集の部屋
http://www.milord-club.com/Kokin/index.htm
ランボー - Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC/
※:夜明け/アルチュール・ランボー「イリュミナスィオン」 門司邦雄による翻訳・解読
http://rimbaud.kuniomonji.com/illuminations/aube.html
明け方 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E3%81%91%E6%96%B9
時刻 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E5%AE%9A%E6%99%82%E6%B3%95
江戸の時刻制度"不定時法":お江戸の科学
http://www.gakken.co.jp/kagakusouken/spread/oedo/03/kaisetsu1.html
新古今和歌集散歩
http://www.geocities.jp/keisukes18/sinkokin.html
21b 歳時を詠める和歌
http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/88/8812/t21/881221b.htm
枕草子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%95%E8%8D%89%E5%AD%90
時間 の流れの中におけるある一点(時点)を時刻 (じこく)と言うが、日本では、江戸時代の時間区分法は現代の定時法と異なり、日の出と日の入(または夜明けと日暮れ)の間をそれぞれ6等分する不定時法が使われていた。しかし、日本でも、当初は、中国の1日を12等分する定時法が導入されていたようで、不定時法が用いられるようになったのは室町時代ごろからだといい、天文や暦法で使う時法としては一貫して定時法であったようだ(Wikipedia)。
江戸時代に使われていた定時法どんなものかは、以下参考の※:「江戸で遊ぼう???」の江戸の時のところに説明はないが図示したものがあるのでそこを見られると良い。
『不定時法』は、太陽の動きに合わせて時刻を決める方法であり、季節によって時間の長さが異なるなど今の世の中のように時間時間で追われた生活をしている者には適さないが、自然の法則に従ってと生活をしていた時代の日本人には非常に適したものであったろう。今日は明け方の東の朝焼けの空の話であり時刻のことを書くつもりではないので、時刻のことはこれまでにする。
日の出(ひので)とは、“朝日が東の空に昇り出ることまたその時。天文学的には“太陽の上縁が地平線にくる瞬間”と定義されている。
つまり、太陽が地平線より上に昇る前から大気中の塵による光の散乱により空に薄明かりが射し始める。星が見え暗さが残る段階までを「明け方」、日の出前でも十分に空が明るい段階を「夜明け」として区別したりするが、日本語では、「明け方」から「夜明け」の頃を表す言葉がいくつかあるが、古語に東雲(しののめ)と言う美しい言葉がある。これは “一説に「め」は原始的住居の明かり取りの役目を果たしていた網代様(あじろよう)の粗い網目のことで、篠竹を材料にとして作られた「め」が「篠の目」と呼ばれた。これが、明かり取りそのものの意になり、転じて夜明けの薄明かり、さらに夜明けそのものの意になった。東の空がわずかに明るくなる頃。あけがた。あかつき。また東の空にたなびく雲”(広辞苑)をいうそうだ。つまり、闇から光へと移行する夜明け前に茜色にそまる東の空を意味しており、 本来は夜半すぎから夜が明けるまでの間を「あかつき」(暁)、「しののめ」(東雲)、「あけぼの」(曙)空がほのかに明るくなった頃が「朝朗(あさぼらけ)」と細かく区分していた。
「東の空がわずかに明るくなる頃」・・としては、古今和歌集恋の歌637に、「東雲のほがらかと明け行けば己が衣着ぬなるぞ悲しき」(読人知らず)がある。
これは、“東の空が白み、ほのぼのと明けてきたので、それぞれの衣を着て別れることが悲しいことであるよ”といった意で、 当時は通い婚で、男性は夜一緒に寝て、朝が明ける前に自分の家に帰っていた。そして同衾(どうきん=一つの寝具の中に一緒に寝ること。特に、男女が特別な関係を持つこと。ともね。)の際に、二人の着物を重ねて掛けていた。そういった風習から「後朝(きぬぎぬ=衣着ぬ)の別れ」という言葉が出来たようだ。日本語の柔らかさとともに、ほのかな情感が伝わってくる言葉である。
「暁(あかつき)」は、“昔は夜をを3つに分けた第3番目「宵」「夜中」の次が「暁」で、古くは、暗いうち、夜が明けようとするとき”をいった。古今和歌集恋の歌625には「有明の つれなく見えし 別れより 暁(あかつき)ばかり 憂きものはなし」(壬生忠岑)がある。平安時代以前は「あかとき」といっていた。
「曙(あけぼの)」は、夜明けの空が明るんできた時。夜がほのぼのと明け始める頃。あさぼらけ。”をいう。枕草子第1弾に出てくる「春はあけぼの(曙)」の言葉が有名(以下参考の※「古典に親しむ:枕草子」参照)であるが、これ以降、春の明け方をいうようになったようだ。
「朝朗(あさぼらけ)」は、朝がほんのりとあけてくる頃。を言う。「あけぼの」、「しののめ」とおなじ。古今和歌集冬332に「朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪」(坂上是則)の有名な歌がある。「有明けの月」は夜明けにまだ空に残る月。月の出のおそい陰暦の廿日前後の月をいい、歌の意味は「ほのぼのと夜が明けるころ明け方の月の光かと思うほどに吉野の里に降り積もった白雪であることよ」といったところか。
明け方は他に黎明(れいめい)や彼誰時(かわたれどき)などがある。
以下参考に記載の※:「昼の長さ夜の長さはなぜ変わるの?」によると、神戸の2009年11月24日・今日の日の出時刻は6寺42分と言うことだが、「朝朗」は主に和歌に用いられ、秋冬と結びつけて使われることが多いようなので、今朝私が見た東の空の朝焼けなどは「朝朗」と言うことだろうか。
今頃の朝方の東の空は5分、10分単位で景色が変わる。ちょっと朝早く起きて、中世の歌など思い浮かべながら一時を過ごすのも良いと思うよ・・・。古今和歌集の恋の歌などは以下参考の※:「古今和歌集の部屋」を参照されると良い。詳しく解説されているよ。
また、マラルメ、ヴェルレーヌと共にフランス象徴派・三大詩人の一人とされるランボー(以下参考の※:Yahoo!百科事典参照)が1886年に発表した詩集『イリュミナシヨン』の中の詩の” Aube” は「曙」「黎明」「暁」とも訳されており、ランボーの詩の中でも特に美しい詩として知られているようだが、夜明けと恋は関係が深いんだな~。興味のある人は以下参考の※:「夜明け/アルチュール・ランボー「イリュミナスィオン」 門司邦雄による翻訳・解読」を見られると良い。
(画像は2009年11月24日明け方の東の空)
参考:
※:江戸で遊ぼう???
http://www.k3.dion.ne.jp/~edo-cad/koyomihyoushi.html
※古典に親しむ:枕草子
http://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/makuranosousi.htm
※:昼の長さ夜の長さはなぜ変わるの?
http://www.saga-ed.jp/workshop/edq01460/
※:古今和歌集の部屋
http://www.milord-club.com/Kokin/index.htm
ランボー - Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC/
※:夜明け/アルチュール・ランボー「イリュミナスィオン」 門司邦雄による翻訳・解読
http://rimbaud.kuniomonji.com/illuminations/aube.html
明け方 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E3%81%91%E6%96%B9
時刻 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E5%AE%9A%E6%99%82%E6%B3%95
江戸の時刻制度"不定時法":お江戸の科学
http://www.gakken.co.jp/kagakusouken/spread/oedo/03/kaisetsu1.html
新古今和歌集散歩
http://www.geocities.jp/keisukes18/sinkokin.html
21b 歳時を詠める和歌
http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/88/8812/t21/881221b.htm
枕草子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%95%E8%8D%89%E5%AD%90