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一日一書 16 八月の石にすがりて

2013-02-28 16:57:35 | 一日一書

 

伊東静雄「八月の石にすがりて」

(半切二分の一)

現在開催中の、「第53回 現日春季書展」に出品している作品です。(3月4日まで)

 

 

八月の石にすがりて

さち多き蝶ぞ、今、息たゆる。

わが運命(さだめ)を知りしのち、

たれかよくこの烈しき

夏の陽光のなかに生きむ。

 

運命(さだめ)? さなり、

あゝわれら自(みづか)ら孤寂(こせき)なる発光体なり!

白き外部世界なり。

 

見よや、太陽はかしこに

わづかにおのれがためにこそ

深く、美しき木蔭をつくれ。

われも亦、

 

雪原(せつげん)に倒れふし、飢ゑにかげりて

青みし狼の目を、

しばし夢みむ。

 

 

「伊東静雄詩集」は、高校生時代からの愛読書。

この詩を書いてみようと思ったのは、去年の八月。

猛烈な暑さのなか、まさに「八月の石にすがりて、息たゆる」といった心境のときでした。

しかし、この寒さの中での発表となってしまい、

季節はずれもはなはだしいことになりました。

今日、飾られている自分の作品と対面してきましたが

自分なりに満足のいく出来となっていると感じました。

お時間がありましたら、ぜひ六本木の国立新美術館へお出かけください。

今日は「一日二書」となってしまいました。

明日はおやすみです。

 


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一日一書 15 春と修羅(序詩) 〈越智麗川〉

2013-02-28 08:35:46 | 一日一書

 

宮澤賢治「春と修羅」の「序詩」全文

越智麗川先生の大作です。

「13」「14」でぼくが書いた「春と修羅」の「序詩」の全文を書かれています。

書展でこの作品を見たとき、「あれ、こんなに長かったっけ?」って思いました。

ぼくはこの「序詩」の冒頭ばかりを長いこと書いていたので

その後にこんなに長く続いていることをすっかり忘れていたのでした。

それにしても、前回、「自由な展開」なんてことを書きましたけれど

こんなに長い詩を全部、こんなに大きな紙に書いてしまうという師のすごさ。

この作品に触発されたといえばおこがましい限りですが

それでも、長い詩を全部書いてしまうということもできるんだという「発見」が

「青森挽歌」(いずれ掲載します。現在は、こちらにあります。)の制作へと

つながったことは確かです。

〈作者の了解を得て掲載しています。画像の無断使用・転載はかたくお断り致します。〉

 

 


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