市中(いちなか)は物のにほひや夏の月 〈野沢凡兆〉
あつしあつしと門々(かどかど)の声 〈松尾芭蕉〉
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もうアウトですね、この暑さ。
昼間はほとんど外出できません。
昨日あたりの月は、暑苦しく赤くかすんでいました。
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凡兆は、芭蕉の門人。
有名な「市中の巻」の初句と二句目。
町の中のむっとした熱気にこもる生活の匂い。
ふと空を見上げると、夏の月が出ている。
家の中にいては暑くてたまらないから
みな門口に出て、団扇かなんかをパタパタあおぎなながら
「あつい、あつい」と言っている。
江戸時代も今も、基本的には変わりませんね。
気温はだいぶ違うと思いますけど。