芭蕉
海士(あま)の家(や)は小海老にまじるいとどかな
35×17cm
●
【口語訳】
これが古来歌などに詠まれる海士の苫屋での仮寝かと思っていると
そこらのザルに入れてある小海老の中に、かすかに動くいとどが交じっているよ。
●
「いとど」は「カマドウマ」のこと。
この句の背景には、和歌の世界があるのですが
まあ、それはそれとして、海士小屋で旅寝していると
小海老に混ざって「いとど」がいたよ、というところに
何とも言えないリアルな旅情を感じたというところでしょう。
和歌の優美な世界には「いとど」などは登場しません。
俳諧の面白さですね。