Yoz Art Space

エッセイ・書・写真・水彩画などのワンダーランド
更新終了となった「Yoz Home Page」の後継サイトです

一日一書 971 勧酒・于武陵

2016-08-24 19:23:35 | 一日一書

 

于武陵(うぶりょう)「勧酒」より

 

半紙

 

かずら筆

 

 

 

 

   勧酒

 

勧君金屈巵

満酌不須辞

花發多風雨

人生足別離

 

 

この第3・4句目を

井伏鱒二が「花に嵐のたとえもあるぞ/さよならだけが人生だ」と

訳したので、有名になった詩です。

もとの意味は、

「君よ、さあ黄金の杯を受けてくれ。

なみなみと満たしたこの酒をどうか辞退しないでくれ。

花が咲くと、決まって嵐がやってきて散らしてしまうように

人生もまた、別れの悲しみがやってくるのだから。」

というような意味です。

 

「さよならだけが人生だ」というのは、ちと意訳すぎる気もしますが

まあ、長く生きてくると、そういう実感はあります。

別離は避けて通れないなら、

せめて、ひとときでも、酒を飲んで楽しく過ごそうじゃないかということで

これもまた、そうだよね、と深く共感するのです。

 

 

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする