野沢凡兆
灰捨てて白梅うるむ垣根かな
短冊に料紙
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意味がすぐにはとりにくい句です。
こんな意味です。
垣根のそばに灰を捨てると、パッと舞い上がった瞬間
純白鮮明だったが梅の花が、不透明に朦朧(もうろう)とした気配になった。
この一瞬の朧化(ろうか)もまた一風情あるものだ。
「俳句の解釈と鑑賞事典」森田蘭執筆(1979・旺文社)
ほんとうに、舞い上がった灰で
あたりが朦朧としたというわけではなく
なんか、そんな感じがしたということでしょう。
舞い上がった灰に日の光が反射しているような
そんなイメージが浮かびます。