きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ビヨンド the シー」

2005年02月26日 | 映画
ビヨンドtheシー ~ 夢見るように歌えば ~

 私は1960年代末の生まれなので、ボビー・ダーリンのことは殆ど知りません。映画中の曲を聴いて「これもそうだったんだ」と思い当たるくらい。なんたって見に行った理由が
ケヴィン・スペイシーが
「スピク」の主題歌を
歌っている
のを
予告で見たから、だったりするんですわ。そんな私にも、ケヴィンが、いかに彼、ボビー・ダーリンを愛しているかがわかりました。たんなる伝記映画ではありません。主演・監督・脚本・製作の四役をこなしてまでこの映画を作ったのは、自分は彼がとても好きだということ、彼のスゴさを世界の人に知らしめたい、と思ったからではないでしょうか。このテの感情で作られた作品は、だいたいが内輪受けで終わるのですが、これは違います。ケヴィンの、ある意味ミーハー的な熱がこちらにも伝わり、なんかわからないうちに、自分もボビーが好きになっちゃったかもよーーー、なんて気持ちさせてしまうのです。
 内容としては、もう本当に、彼の一生をなぞった話。ボビー自身を主役に彼の自伝映画を撮ろうとするところから話は始まり、少年時代の「彼」を相手に、ボビーが生い立ちを語っていく。リュウマチ熱のせいで心臓を悪くし、それでも母の願いのもと、ショー・ビジネスの世界に入る。自身の出生の秘密がわかるころ、ヴェトナム戦争でアメリカも国としての挫折を味わい、ショーの世界もクラブからドームへと変わっていく。ロック系のポップスというのかな、そんな曲を歌っていた彼も反戦歌を歌い、客に「路線を替えやがって」と野次られ、それでも歌い続け、37歳で死ぬ。そんな話が、彼の歌と、ミュージカル的な踊りの場面で綴られていきます。歌も踊りも吹き替え無し。ボビーを知っている人に言わせると、ケヴィンはボビーにソックリだそうで。
 ラスト、「『(本名の)ウォルデン・ロバート・カソット』は死んだが『ボビー・ダーリン』は今でも歌い続けている」と表示されます。これこそがケヴィンがもっとも言いたかったことかも。好きな歌手、ってのは、自分の中では一生、生き続けていくものなのですよね。
 私は、ケヴィン・スペイシーという役者は、達者だとは思うけど、公開作品を一応チェックしよう、というほどファンではありません。そんなレベルの私にさえも、彼の、ボビーに対する情熱が届きます。いいだろう、ステキだろう、君もきっと好きになるよ、そんな声が聞こえてきました。この映画は、この声を聞かせるためにあるんでしょうね。好きなことを語っている人って、幸福感に満ちあふれていることがあるでしょう?その幸福な気持ちが、見ている側にも伝染してくるようで、こちらまで幸せな気分になりました。
 ケヴィン・スペイシーを始め、出演者や画面が、違和感なく50~60年代ってのもスゴイと思いました。「五線譜のラブレター」は、『スタイリッシュ』に当時を再現、ってカンジなのですが、こちらは、ボビーが生きていた頃に撮られたと言われても不思議じゃないような、そんな「絵」「色合い」。この映画のケヴィンは、往年のジーン・ケリーと並んでも、かなりしっくりきそう。それを意識して作り上げたとしたら、偉いもんだなあ、と思いました。

【補記】
「スピク」 → 「スピークイージー」。「三文オペラ」の宝塚版。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「王の帰還SEE版」追加場面

2005年02月26日 | 映画
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 映画版

 DVDは買ってあるんだけど面倒なのでまだ見ていないまま映画館に行って来ました。2時間10分ずつに分けて、途中15分の休憩がありました。サルマン様の場面以外は、1場面丸々カットというのは少ないような。少しづつ削って作ったんだなあ、ってカンジ。削った部分を入れた方がわかりやすいけど、入って無くても充分理解できたよな、と思いました。やっぱ4時間20分はなあ。最初からはダメだよね。追加場面は
・その1 サルマン様の最後
 塔から落っこちて、水車に刺さってお亡くなりに・・・。
・その2 エオウィン、アラゴルンの手を握る
 割と最初の方の、勝利の宴会後。寝ているエオウィンの掛け布団(?)を
 王様が直したとき、彼女が目を覚まして「怖い夢を見ました」とか
 言いながら強引に王様の手を握ってました。
ねーさん、
どさくさにまぎれて
なにやっとんだーーっ!

 と、心の中で叫んじゃいました。
・その3 ピピンの衛兵服の由来
 ピピンが支給されたゴンドールの衛兵服はファラミアの子供時代の物だった。
 父に期待されたい、兄を尊敬していた彼の気持ちがより強く出ていました。
・その4 デネソール侯、ボロミアの幻影を見る
 パイプをくわえたボロミアの幻影を、ファラミアの後ろに見る。
 一瞬期待したフォラミアが辛くて可哀想。 
・その5 王様、幽霊達を勧誘
 幽霊を勧誘するところがちょい長め。山を抜けきったところで傭兵船団を見て
 間に合わないと思って、王様が泣く。← これがイイ表情なのよ!
 そしたら幽霊が「お前に従う」って言う。← これは確かに余計だったにゃ
・その6 王様・レゴラス・ギムリvs傭兵船団
 3人で迎え撃とうとして傭兵達に笑われる。その瞬間に幽霊軍団出現
・その7 「王の癒しの手」
 エオウィンをただ看病しているだけじゃった。知らなければ全然わからん。
 その後にファラミアとエオウィンの場面がちょっぴり追加。
 ファンは嬉しいが、ものすごく短いので、これも知ってなければ意味わからん。
・その8 サウロン、王様に「アルウェンの死」を見せる
 ミナス・ティリス戦後「黒い球(←名前なんだっけ?)」を王様がのぞき込み
 サウロンにメンチ切る。お返しにサウロンが「アルウェンの死んだ姿」を
 見せる。王様大ショック。
こんなところかな。王様ビジョンなもんで、フロド等の追加場面はよくわからんです。すまんっす。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする