きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ジゼル」斎藤友佳理&フィーリン/東京バレエ団(五反田)

2006年03月22日 | バレエ・ダンス
 19日に神奈川で見たときは、疲労のためか、席が前方過ぎたためか、見ていなかった部分が多かったようで、本日は新発見もアリ。


 フィーリンのアルブレヒト。今日はそれほどアメリカンじゃなかったな。チャラいプレイボーイ系、という印象は同じ。ジゼルを愛していたかは、ちょっと不明だよね。少なくとも1幕の狂乱の場面は、「俺は悪くないじょーーー」状態で、ジゼルが死んだことはショックでも、自分がジゼルを死に至らせたとは思っていなさそうだ。みんなから責め立てられることの方が辛そう。ちょっと新鮮な解釈だ。2幕も、自分の責任、というものが殆ど感じられない。でも、ジゼルが消えたときに、初めて、「愛」というものに思い当たった。ジゼルが自分に向けていてくれた感情に、初めて気が付いた、というのかなあ。1幕では、自分の享楽の一部として存在していたジゼルが、まったく別の人間として存在しており、考え無しの自分を愛していてくれたいたことに、ようやくその時点で気が付いた、と。

 フィーリンのアルブレヒトと、友佳理さんのジゼルは、見た目は「年の差カップル」だった。10代後半の、その年齢にしては幼いジゼル。スカートを広げて座ったときも、わざとではなく、横にアルブレヒトが座りたいと思っていることに、全く気が付いていない。自分の世界は母と友人だけだったところに、アルブレヒトが加わった。現実的な将来などを考えるほど大人ではなく、いまの、この瞬間の幸せだけを楽しんでいる。そんな女の子が、恋をして、恋ゆえに死に、ウィリーとなって甦り、アルブレヒトを守り、なんというのか、「大人になった」んだと思った。逆にアルブレヒトは20代半ばぐらいのイメージ。自分と二人っきりになるより友達と踊りたい、と言われても、それさえも可愛いと思っちゃうような男。でも、なにも知らなかったのは、実は男の方だったんだよなあ。大人で守る立場、だと思っていた彼の方こそ、守られる立場だったんだわ。それを、ジゼルが消えて、初めて理解できた、そんなふうに見えました。

 いままでに観てきた「ジゼル」に比べると、「死」のイメージが薄い舞台でした。「死」よりも、濃密に「生」が感じられる。こういう作り方もあるんだと、目から鱗状態でした。どれが良い・悪いでは、ありませんよね。ルジのように、狂乱の場面からすでに「死」に引き込まれているアルブレヒトも好きだけど、生命力に満ちあふれているフィーリンも、なかなかイイよ。

 友佳理さんのジゼルは、本当に少女。上でも書いたけれど、まだまだ「世界」が狭いのよね。アルブレヒトの「嘘(村に出入りしている言い訳)」も、なんの疑いもなく信じている。花占いの前の、アルブレヒトが愛を誓うところも、「不吉」は感じていない。むしろ、アルブレヒトの強い愛情に驚いているのでは?花占いも、「自分の死を読み取る」のではなく、本当にガッカリ~~~、みたいな、幼い感情。なんというか、世界から「未分化」の状態っていうのかなあ。母に属し、家に属し、アルブレヒトに属し。それが、アルブレヒトを守ったことにより、彼女の魂は消えていくけれど、「個」としての「ジゼル」は確立できたというか。うまく言えないけれど、少女から女性になる物語にも観えました。狂乱の場面で、傷つかない自分の世界に逃げ込もうとしていたのに、アルブレヒトを見て、現実を認識したところが印象的。心臓が止まる直前、ジゼルはアルブレヒトを見たのかしら?

 木村さんのヒラリオンは、大人。でもロリコンじゃないよ(笑)。ジゼルに対しては「保護者」の面もありそうだ。ストーカーの一歩手前だけど、ジゼルのことが好きで好きでたまらないんだろうなあ。ジゼルとの仲も、母親公認、世間も公認。ジゼルは、彼が嫌いと言うよりは、彼との「将来」を、幼い故に、まだまだ思い描けないだけなのかも。そこへ、チャラチャラした都会派の男が来ちゃったんだよなあ。あ、あれだ、谷山浩子の「カントリー・ガール」だな。彼が真実を告げなければなあ・・・。このアルブレヒトなら、いずれ村を去ってバチルドと結婚しただろうに。ジゼルは失恋で心を痛めても、死ぬほどではなかっただろうに。従来なら、彼の「思いやり」がジゼルを死なせてしまうんだけど、今日は「短慮」だったかもね。

 バチルドは浜野さん!ずーと、ずーーーっと、アルブレヒトを見つめているバチルド。先日の井脇さんは、身分違いの娘と遊んで!、みたいな怒り方だったけど、浜野さんは、ただただ、(アルブレヒトが)自分以外の女性に心を奪われたのがショック。単純な怒りではないんだよね。なぜ?なぜそんなことができたの?それを問いたい表情。
それはアルブレヒトが考えなしだからだよ~~
信じていた人に裏切られたんだよねえ。可哀想だわ。公爵様の慰め方は、まあ、男ならこういうこともあるさ、的?

 ミルタは井脇さん。当たり役だけど・・・。今日は、いつもほど、私の好みではなかった。細かい動きを入れすぎているような。背中もあんなに反らせなくてもいいと思うし。あまり動かない方が威厳が出ると思うんだけどなあ。

 ドゥ・ウィリは小出さんと長谷川さん。二人とも空気に溶け込みそう。群舞も「幽玄」を表していました。

 ペザント。男性陣は19日の方が揃っていたと思う。平野さん(たぶん)がワンテンポ早く膝をついた。珍しい。女性陣はどなたも良し。明るい衣装が似合っている。ジゼルの友人は、乾さんの首筋の美しさが印象に残った。

 森田さんのウィリフリードは、ジゼルが「良い子」だと思っていそうだ。たんに主人の行動をいさめるのではなく、主人の考え無しの行動が、純真な村娘を傷つけてしまうことに心を痛めている。「たかが村娘」と斬り捨てていないところが優しい。けれど、主人には伝わらないんだよな~~~。アホやから。(くどういようだけど、フィーリンではなく、フィーリンのアルブレヒトのことだよ!)

 管は時々0.5イブキ。2幕の人魂、上手前方の人魂が最初は火がついていなかったように思います。

 そして!本日のお客様は、皇后陛下!!2幕から入ってこられました。カーテンコールの時、客が舞台に出はなく、客席中央の皇后陛下に向かって拍手する、という、珍しい風景となりました。ユカリューシャ&フィーリン、ごめん。私も皇后陛下に拍手しちゃったよ。終演後、急いで出て「一風堂」に駆け込もうとダッシュしてロビーに出たんだけど、皇后陛下がお通りになるので退場規制がかかっちゃいました。ちょっと時間のロスになったけど、私の目の前をお通りになられました。ラッキーでした。
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「神戸・阿蘇・横浜等」の旅行記をアップしました

2006年03月22日 | TV番組など(配信含む)
こちらです。

http://geko.nomaki.jp/060317_19/1.htm

写真の一部を友人から提供していただきました。
ありがとうございました!!!


今日はちょっと早く起きてしまったので
「風のハルカ」録画分を消化。
湯布院に舞台が移ってからは、ちょっとテンポが緩くてツライのですが
もう少しで終わりなので、頑張って見ています。
ハルカはともかく、ハルカの両親が元の鞘、ってイヤだなあ。

「ブルーもしくはブルー」も消化。
これはあと2回。
どこにオチるのか。細川さんはどうなっちゃうのか。
ちょっとドキドキだ。

細川さんと言えば、株番組に出てたな。
興味ありアリの話みたいで、素で聞いていたのが可愛かった。

「エンタメキャッチ」も見る。
リカちゃんの他に、たかみーとか、Kバレエの芳賀さんとかも出ていて
ちょっとラッキーだ。
今回のリカちゃんは、ワリとイケてると思う。
眼の下の腫れがない。
できれば、TVに出るときは、これくらいの状態でいてほしいな。

ついでに「繋がれた明日」の松田さん出演部分だけ見る。
疲れているし、寝ぼけているし、リカちゃんを見たばっかりだったので、
「松田さんヤクザの蹴りより、リカちゃんニコラスの蹴りの方が痛そうだな。
 ヤクザとテロリストじゃ、テロリストの方が痛いよな。」
と、腐ったことを考える。
松田さんは、絵に描いたようなヤクザだった。
眼に力があるなあ。
台詞は聴き取りづらいけど。

カブト&ボウケンジャーは、
木曜の夜に見て、金曜日に感想書きかな。
今度の日曜の朝も出てしまうし、
本当、ヒビキ(&マジ)の時は、
極力出かける用事を作らなかったんだなあ、と改めて思う。
気合いが入っていたんだなあ。
「オーラの泉」スペシャルも、どこかで見なきゃ。

とかとか、で。
バタバタしていたら、今日の「ジゼル」を忘れるところだった。
家を出る直前に思い出した。
ダメだなあ~~~。
今日の「ジゼル」までで、「大遠足」ワンセットなのにね。


ああ、エンカレの感想も書かなきゃね。
忙しいわ。
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