売れない若手俳優の俊夫は、幼馴染みの先輩で同じく役者の英明と、切磋琢磨する毎日だったが、英明は世界的なアクション俳優を目指すため、有名格闘家を生み出したスポーツクラブ「X」に入会し、過酷なトレーニングを積む。「X」のメニューをこなすだけで手一杯になっている先輩を不安に思い、俊夫は退会を進めるが、英明は聞き入れない。ある日、俊夫は、行きつけのレストランで働く美希に連れられ「Reash理論」を提唱する廣戸道場を訪ねる。「身体に負担をかけずにストレッチ」「一人一人の身体に適したトレーニングメニュー」で、身体を鍛える俊夫。ついには英明に挑戦することになる。俊夫が勝てば、英明は「X」を退会、負ければ・・・。
まあ、ハッキリ言って、映画じゃないね。「Reash理論」のプロモーションですなあ。目的を持って自分を変えることも大切だし、「Reash理論」そのものは科学的だと思うのですが、「Reash理論」のメニューをこなすと、モデルの仕事が来たり、映画のオファーが来たり、と、仕事も人生もうまく行く!って描き方で、そりゃないだろう、と思うわなあ。自分を変える→自信を持って生きる、が仕事へ繋がるっていうのは、わからなくもないけれど、デキすぎだよなあ。70分の「映画」なのに、廣戸さんの話しが長い。こっちが中心だよなあ、って気がしちゃうよ、どうしても。舞台挨拶で見た廣戸さんは、ごくごく常識的な整体師さん、って雰囲気なんですが、映画では奉られ過ぎちゃって少々アヤシくなっちゃってます。なんか、勿体ないなあ。「若者の成功物語」って、簡単に作れるように思うけれど、「努力の部分」の映像が少なく、「手段」の映像の方が多いと、「手段」が魔法や万能薬のように見えてしまうんだなあ。難しいものだね。
高野八誠さんは、ん~、まあ、若かったよ。ヒロイン・美希の東原さん(スタイルがイイ!!)は演技が初めてと言うで、二人の会話は限りなく素人ぽかった。「Reash理論」の説明は、用意された台詞を喋っています、って風情なので、宣伝臭さ倍増でした。松田さんは、頭と終わりに台詞(演技)があって、他は「Reash理論」の対極にある「間違った方法でトレーニングをしている」姿が時々挿入されるくらい。えらそうに後輩に説教する姿は、なんとなく弦師匠。賭の賞品として美希に一晩付き合えと言うあたりはスケベくさくていいのでR。あ、蹴りの姿勢が良かったよ。あんまり状態を反らすことなく足を上げていた。結構、身体能力は高そうだ。全速力で走る場面が多くて、ご苦労様だわ。
まあ、役者のファンなら一応見ておいてもいいけれど、「映画」を期待すると、魂が抜けます。数秒のアップのためにお金を払ってもいい人は、おススメしないけれど、見ておけば~、ってカンジっす。
舞台挨拶で。高野さんは、ちょっとボ~ッとした天然系。お菓子の袋を持ちながら出てきたよ。同じヒーローだったのに、松田さんの人気が出てきて悔しい~、みたいなことを、ゆったりとした口調で言っていました。東原さんは、しゃきしゃき喋っていました。頭の回転が早そうです。華やかな人なので、今後経験を積んでくれれば・・・。ちょっと山村紅葉さんに似ている???
電車がちょっと遅れたこともあり、9時20分頃に着いたら、長蛇の列でビックリ!座れないかもな~~、と思っていましたら、レイトショー「ナイチンゲーロ(舞台挨拶付き)」の並びと混在でしたので、ギリギリ椅子に座ることができました。9時45分受付開始なので、今後行かれる方はご参考に。