きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「王になった男」

2013年02月24日 | 映画
本日は「ブラックジャック(黒男)」「脳男」ときて
ラストは「王になった男」でがんす。
男シリーズを完走したぜ!


とても面白かった!
命を狙われ、意識不明となった王の代わりに立てられた影武者は
キーセン宿の道化。
宮廷に連れてこられ、
最初は一晩の身代わりだったのが
王が意識不明に陥ったことから
「もっと長い期間」の身代わりを務めることになる。

奸臣たちの謀略に巻き込まれ右往左往する道化が
次第に本物らしくなっていく。
民の気持ちに報いる道はあるのか?

いつバレるかハラハラ、
宮廷の陰謀にドキドキしながらも
随所に織り込まれるコメディ部分が浮くことなく
素直に笑わせられる。
緊張と笑いのメリハリがあって、すごく良かったよ!

イ・ビョンホンがとても上手く、
2役、限りなく王様状態の道化を入れれば実質3役だけど、
演じ分けがすばらしく、
まとう雰囲気から違っていた。

臣下たちの気持ちもすごく良くわかった。
若い女官、王に命を捧げる兵、
市井に近い人たちの気持ちは
「王」に捧げられる。
王が、王であるのはなぜか?
なども、自然にわかるようになっている。

偽物と本物が「握手して終わり」ではないのも
また良かった。
そんな簡単にいかないからこその
命の叫びがあるんだよね。

王様は史実では、この後
「暴君」として廃位させられるんだよね。
その下地が王にも臣下達にも見られて
上手いなあ、とも思いました。


それにしても(昔の)韓国って、
王命が出ても、臣下は数で押し切ろうとするのね。
そういう文化なんだー。
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「脳男」

2013年02月24日 | 映画
ひとことで言えば「陳腐」。

映画としては超つまらない。
テレビの2時間特番でもいいくらい。
どこかにも書いてあったけど、
素材はとても高級なのに、
全てに味の素をかけてしまったかんじ。
(味の素がどうということじゃないですよ!)
これだけネタを揃えても
こんなにつまらなくもできるんだね。

一応サイコサスペンスに分類される系だと思うけど、
ネタの開け方繋げ方は超マズい。
結論ありきで進めすぎ。
そうか、彼は・・・、は
飛躍しすぎだと思う。

演出もエラくマズい。
各役者とも15年ぐらい前から持たれているイメージの演技しかしてない。
というより、させてない?
なんであんな「江口といえば・・・」そのまんまのことをさせるのだ。
次ぎにこういう表情をする、
次ぎにこういう動きをする、
すべてが予想通り。
無敵に立ち上がるところはカクカクした動き
若い女の子のサイコキラーはこういう喋り、
なんでこんな誰でも考える通りのことをするのだろうか。
それも「セオリーに乗っ取りました。えっへん!」
ならともかく、
自分たちでは「クールな絵を作ったぜ」臭がプンプンする。
ま、それが邦画といえば邦画なんだけど。
って私の偏見そのまんまの作品だったわ。

つまるところ「斗真くんステキ(はぁと)」映画なんだろうけど。
ぬるくて緩すぎ映画だった。

まあ、その辺は聞いていたので不満はない。
それよりも!
松雪泰子はリカちゃに似ていると思っていたんですが、
今日は随所で越リュウを思い出したよ。
なんでだ?
鼻か?
どちらにせよ、男役顔だよなあ。
彼女を堪能しに行ったので、
個人的には駄作でも満足。

あ、グロは最初だけです。
来るぞ、とわかるので
目をつぶってやり過ごしたよ!


【追記】
お爺ちゃんの家は旧華頂宮邸だね。
「428」の大沢賢治邸。
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「ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌」宝塚雪組

2013年02月24日 | 宝塚(雪組)


連載40周年を記念して宝塚で再び舞台化。
前回の安寿版の上演は1994年です。

前回はブラック・ジャックの孤独感、
そして命に対する愛おしさを全面に出して
一本の大きい話を作っていましたが
今回はコミカルな短編連作集みたいなかんじでした。
ピノコ関連以外は大きい話の流れがあるのではなく
短編がいくつか詰まったコミックスを一冊読んだ気分。

この企画って、
連載40周年かの企画が先なのか、
正塚登板ありきなのか、
まっつ主演企画が先なのか。
いずれにせよ、まっつはブラック・ジャックそのものだった。
言動全てが、そうそう、こういう人だよ、と納得する。
ブラック・ジャックだけでなく、
彼を取り巻く正塚オリジナルの登場人物さえ
原作のどこかにいたように思えてしまう。

開幕アナウンスと、
例の主題歌を歌うまっつに涙。


正塚先生もまっつも、
原作が好きで、それをどう宝塚で表現するか。
すごく考えて舞台を作っているのが伝わってきた。
正塚先生が、好きなネタを好きなように作れる体制で
イキイキしてノリノリでのびのびなんだろうな、
と思ったわ。
最近の正塚作品にはない生命力があった気がする。
手術中に手が動かなくなる話は解決しなかったけどさー。
みんな知ってるからいいよね?ってことかしらー。


それはともかく、先生とピノコの関係が良かった!
ピノコを大事に優しくしてくれる先生が大好き!!
ひなちゃんのピノコも可愛かったわ~。

ともみんは当人比で歌が上手くなったかな。
せしこは、このまま台詞がなかったらどうしようかと思った@一幕。
2人の葛藤はよくわかるし、
ブラック・ジャックとの関わらせ方も上手いと思ったけど
不老不死はイケコだろう、と
ちょっぴり思わなくもなく。

その他に印象に残ったのは
ほたてのトラヴィス。
声の通りも良いし、台詞の間も良かったわ。

彩風さきちゃんは、
声も芝居も若いなあ。
そろそろ次の段階に入って欲しいな。


前回に比べると、
ブラック・ジャックの影が大増量。
白黒コロスも出てきて、とても懐かしかった。

バウ作品はヒロイン無しでも成立するから正塚先生向きだな、
と思ったけど、
ヤンさん版も大劇場公演なのに、
ヒロインの相手役は実質的にはブラック・ジャックじゃなかったよね。
ヒロインが如月恵さんに似ていると
無理やりこじつけていたけど。


劇団の当初の予定どおり、
ヤンさんがリボンの騎士だったら
今日のまっつも・・・。
いや、それはないか。

まっつ、カーテンコールで挨拶を噛み、
自ら「あーあ」と言う。
投げやりで冷静なところがステキすぎ!


まっつ主演の機会を作ってくれたことに、
そしてブラック・ジャックを宛てたことに、
関連した全ての方々に大感謝です!
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