日々是好日

懐かしき過去、期待の未来を希んで!

71年前の今日、陸士将校生徒として国難を覚悟し、故郷と父母への最後の別れ

2016年08月05日 | Weblog

  今年は昭和91年であり、憶えば71年前の今日この日、陸軍予科士官学校の平松区隊長から許された外出で、故郷及び父母との最後の別れの日であった。悲壮感は無く皇国陸軍将校生徒として、故郷と父母に最後の別れを告げるべく、私鉄の加須駅に降り立ったのである。本土決戦が間もなく開始されるであろうとの、必死の覚悟は疾うに出来上がっている陸士生徒乍ら、神社脇の写真館で最後の写真を撮り、「出来上がった際に自宅へ届け置く様にと」依頼したのであった。神社とお不動尊、小学校、留守乍ら友人宅を廻って、自宅に落ち着き僅か乍らの家族父母との会話に限られた時間を閲して、もう午後1時半には陸士校を目指し上京帰校の途に着いたのであった。思へばそれは71年前の事柄である。しかし、それから2週間後に終戦となり、陸士生徒も約1ヶ月後には復員と相なって仕舞った。繰り返し憶えば、何と激動の昭和20年であった事かと思う。その後幾度かの年月と変遷を経て歯科医師、医師となり、医大、短大、専門学校の責任者として教授、学長、理事長を経つつ、未だ3度目の現役である。今にして憶えば今日まで自分を支えている生きる力の基本は、旧制中学時代あの難関の陸士海兵の受験を、見事合格突破した事実にあるものと思う。中学3年まで優等賞を取っていたクラス2番の成績が、4年生初めにdightheriaを病み、その遅れを臥薪嘗胆、刻苦勉励して取り戻し、見事陸士選抜試験を通過、本試験も突破した。その意気込みと矜持とが、今なお引き続いているものと思われる。つい先日先祖のお墓参りを実施して、感謝と御礼を述べてきた次第である。つい2年前弟子達から米寿の祝いを受けたばかりで、もう90歳を超えたところである。健康第一で今後もゆっくりと努めを果たし、余生を過ごして行きたいものと願っている。


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