春寒料峭とは言え寒さが強く、もう一息と言う所である。大昔72年前の歯大卒業式に卒業生総代で、答辞を読んだその文頭に、「春寒料峭の候」と書き出して読んだ記憶が、今でも鮮明に蘇る。今このパソコンに鮮明に全文が文語文で残っている。昭和二十四年三月二十四日だからも少し春の息吹が萌していた頃の答辞であった。とにかく季節がら懐かしく思い出深い事象である。ところで一月末の今頃は、丁度早朝の授業前の剣道場での、寒稽古の最中の時期でもあった。暖房すら無い時代、足の裏や指が寒く冷たく凍りつくような冷たさの道場の床、そこで嫌という程約1時間半鍛えられたものである。